41話 開戦!現代の応仁の乱
ついに、壮大な試合が始まった。それに先立ち、試合中、又はその直後無念の最期を遂げた、京王高校・立花豪雪、吉本工業高校・横山木工助両監督及び、試合中または練習中の事故で亡くなった全国の選手たちのために、黙祷が行なわれた。
なお、この試合は、高校アメフト界東西選抜対抗戦であると同時に、一部大学生も含んだ、来るべき対米開戦に備えた優秀若手選手(21歳未満)の発掘という目的のほかに、「立花豪雪杯」と銘打って、日本のアメリカンフットボール界に、偉大な足跡を残した同監督の追悼試合となった。
遺児・千代もその計らいに涙する。
さて・・・。
「サトミちゃん、しっかりね♪」
「みゆ、任せて!」出陣するサトミを励ますみゆき。今回、雪江たち京葉マネはチアに専念し、また麗菜は南阿弗利加に去ってしまい、ブー子は妊娠したため(父親は西山)、マネージャーは南武高校の10名と、細川総統の孫娘の由香が勤めることになった。それに千代の、合わせて12名。吉本のガン子は監督の死後、今だ病気に臥せっている。
この試合、京王の高橋頼伸は背番号3を先輩の福沢に譲り、2年の時つけていた24番をつけた。またチームが異なる場合は背番号の重複は差し支えない。また、当初主将は頼伸であったが、西本剛に代わった。
運命のキックオフ・・・。蹴るのはサトミ、ホルダーはサトルである。
スカーン!いつもながら鮮やかなキック。サトミは美しい。だが、ボールを蹴る時のサトミが最も美しいと感じる者は決して少なくない。
敵陣深く突き刺さるボール。西軍の押し戻し。そしてライン対決・・・。
東軍の、この素晴らしいライン陣を見よ!大巨人・西本剛をセンターに、「今西郷」の大河原清、「ビッグ」こと京王の大久保忠元、それに京葉の浜田兄弟の5人。タイトエンドには、器用な馬場鉄平と、無敵の人間機関車・玄田鉄男がついた。鉄平以外の全員が3桁の体重である。(というより、150・140が2人、120キロが2人というラインに、玄田は100キロという凄さ) さすがの西軍も合計体重では叶わない。だが神学館のディック前田、油屋渕弥、京極の武蔵丸弁慶、太閤の福島正男、阪急の伊丹の5人も優れたラインメンだ。
ガツーン!ライン勝負は東軍に軍配が上った。
ベンチで悔しがる、西軍マネージャー、安東なつ。
「畜生!レイくんさえ出せれば、あんな奴ら・・・」そう、彼女の従弟、安東零ならば、1人で4人分の体重があり、如何に東軍の最強ラインといえども、タダでは済まなかったはず。ただ、この試合、オーバーエージ枠は認められても、中学生の出場は認められなかった。「ええわ。夏の本番(日米戦)や秋の大会のときは、まとめてベチャンコにしてやるで・・・。いきがってるのもいまのうちやで、東夷!」気の強いなつは、選手以上に悔しがった。
攻撃権を奪取した東軍は、普段は見れない豪華な連携を見せて鮮やかに攻撃する。
まずは、吉本工業の2人、西山が太閤の選手を吹き飛ばし、島田をフリーに。その島田の絶妙のパスが、新島に!さらにサトミに、サトミからサトル、そして最後は陽一の手に渡り、先制!サトミのキックも決まる。
だが、西軍も負けては居ない。東軍の誇る巨漢、大久保と大河原の2人を飛び越えてタッチダウンする、京極高校の牛田丑男!牛若丸と呼ばれる彼は、中学では野球の名ショートであった。関東においても、東サトミや岬陽一が、相手の巨漢のタックルを飛び越えてタッチダウンしたことがかつてあった。しかし、丑男は、2メートル・150キロ級2人を同時に飛び越えたのだ。これにはさすがのサトミも脱帽だ・・・。
西軍の猛攻は続く。阪急のエース、河原町六三の独走タッチダウン。四聖人の連携で、あっという間に点差が開く。
しかし、東軍も巻き返す。玄田が2人まとめて西軍を吹き飛ばすと、今度は京葉の義広・木村(帰化した)・慎二のトリオによる鮮やかな得点に続き、京王の先輩・後輩コンビも得点した。ヒロインのサトミだって負けていない。阪急の大型選手のタックルを引きずってタッチダウン。あっという間に追いついた。
だがこの試合は果てしなく長く続く。如何に優れた選手でも、時には下げて交替しなくてはならない。東軍は、頼伸たち京王主体から、南武の選手に入れ替えた。
「拓也・・・がんばってね♪」チュ
「チカちゃん・・」
チカのキスを受けた拓也は勇気100倍。一方、唯理、宏美もそれぞれの思い人の出陣を見送る。
「信彦!西軍なんて目じゃないわ!お兄ちゃんがへばりそうだから、カツ入れてきて!」
「おう、任せろ。それにしてもアニキの奴・・・スタミナがついたなぁ・・。」
「そりゃ、アタシが管理してるから」
「四葉ってすごいよね・・」
「義信さん、わたしはあなたを信じていますわ・・・」
「唯理、僕は必ず期待に応えるよ」
そして、助っ人の隼人も。
「隼人クン、遂に出番ね♪チュ」由香のキスに見送られる。東軍ベンチは華やかだ。
一方、西軍ベンチには女性はナッちゃん1人だけだった。そのことも西軍を悔しがらせた。
だがナッちゃんは、自分ひとりがヒロインだと思っているので、それが許せないようだった。
入れ替わりにベンチに戻った頼伸たち。頼伸にそっと寄り添う千代。だが、その千代も頼伸と同様、完全武装していた。その美しいボデイラインを、厳つい防具で隠し。サトミも、防具で身を固めている。しかしサトミは、最近ようやく女らしくふっくらとしてきたものの、元々ガッチリとした骨太の体格であったが、千代は防具を脱ぐと、白鷺のように白くて細い、そして脚の長い華奢なスタイルをしていた。身長も180センチ近くある。実は、東軍ベンチで、最も脚が長いのは、千代であった。
ただ、その長い髪は防具やヘルメットだけでは隠しようにない長さであった。彼女は、頼伸と将来を誓い合って以来4年間、一度も髪を切っていない。ただ、それ以前はなんと、女の子なのに丸坊主であった・・。
ハイタッチする2人。頼伸の出番はまだまだある。
試合再開・・・西軍も、主力の神学館を入れてきた。さらに、広島からつれてきた小早川三兄弟も加わった。それぞれの新戦力を投入しながら、試合は果てしなく続く。
選手たちだけではない。マネージャーたちの奮闘も続く。総勢200人近い大所帯の水や手当てをするみゆきや唯理たち。怪我人も続出だ。
また、試合の撮影記録は、先輩マネの玲子がしてくれる。2月だと言うのに短パン姿で・・・。
銀箱に腰掛けてカメラを回す玲子だが、短パンの隙間から純白のパンティが丸見えなことには全く意に関していないようだった。
南武高校で3年間真冬も含めてブルマ姿で過ごした彼女等にとって、真冬にブルマや短パンで過ごすことなど平気、パンツが見えても平気になってしまうのである。
南武高校の10人のマネージャーたちは、このように全員ブルマ姿だが、千代は選手と同じく武装し、助っ人マネの由香はセーラー服であった。だが、2人も南武マネ同様、かいがいしく働いた。西軍では、補欠の1年が同様に働いていた。大変そうである・・・。
4強がいずれも男子校のためである。ただし、神学館は、女子部と分かれているものの、学校としては同一の学校のため、なつのベンチ入りが認められていた。しかし伝統的に女子マネは認められていなかったので、なつは特例ともいえた。やはり安東竜の妹だからであろう。やはり、アメフトは男のスポーツとはいうものの、女手はどうしても必要である。
その点、質・数とも揃い、その上美人揃いの南武高校マネージャーは他校から見ると垂涎の存在だった。しかも全員ブルマ姿である。真冬でも・・・。
京葉にも美人マネがいるが、彼女たちはチアリーダーも兼ねており、今回はチアの特訓のため、ベンチに入っていない。ただし、チアショーが終わり次第、マネの仕事をすることになっている。
そして遂に午後1時・・。ハーフタイムのチアショーだ。
それ以前に、11時より順次交替で食事をしている。なにせ11時間の長丁場だ。マネージャーたちの作った、心づくしのサプリメントが空腹を癒す。
チアは、おなじみリコ姉さんと、京葉のYMCA娘がリードし、南武高校、京葉、京王女子高校、殉教の姉妹校聖ポピー学院の生徒たちが可憐に踊る。試合やマネ業で忙しいのに、サトミと宏美も加わった。二人の体力には、皆いつも驚かされる。そして宏美は美しかった。彼女の恵まれた体格・体力・容姿、そして羞恥心のなさ・・・。チアにはもってこいである。
一方、西軍のチアも負けては居ない。こちらは青一色・・・。神学館女子部のチアだ。ナッちゃんも混ざって元気に踊る・・・。
そして波乱の後半・・・