第11話 旺盛の脅威!恐怖の人間機関車・玄田!
ガシーン・がちゃ!
試合開始のホイッスルとともに、両軍が激しくぶつかる。あわれ剛と当った敵センターは数メートルも後ろに吹っ飛び、アオテンした。だが・・・。
攻撃側は旺盛なのである。ライン陣をなぎ倒されたにもかかわらず、QBの投げた球は、玄田の手に渡ってしまった。そのあまりものスピードに、最強の男・剛は付いていけない。俊足のディフェンス陣が懸命に追うも、追いつけない。やっと追いついた武田も、吹き飛ばされてしまった。
そして今日初めて守備に入った我等がヒロイン・サトミも!
進路上の全てのものをなぎ倒して豪快に突進する、旺盛二高主将・玄田鉄男のラン! サトミと武田も吹き飛ばされてしまった! その姿は、雪の函館本線の急坂を猛スピードで駆け上った、日本最大の機関車・C62のようであった! |
「大丈夫かサトミ!先輩のいうとおり、1人じゃだめだ。ボクが合図するまで突っ込んじゃだめだよ。」
サトルは弾き飛ばされたサトミを抱き起こす。だが、その間に玄田は豪快な先制点を挙げてしまった。
サトミは、玄田に弾き飛ばされた衝撃で、肩を強打していた。
旺盛の猛攻はなおも続く。サトルも懸命に走るが、体格が違いすぎる。スピードも速い。力と技と速さと大きさの全てを兼備えた玄田の前に、今まで破竹の勢いで勝ちあがってきた南武も精彩がない。
スタンドからは割れるばかりの旺盛の応援歌。一方南武側からはため息や罵声が・・・。
「ちょっとあんたたち!試合はまだ始まったばかりよ!なんでもう南武はダメっていえるのさ!」
「何を言うんだこの生意気なアマ!」記者席では、南武を貶した男性記者に対しリコの怒りが爆発していた。
「サトルくん、サトミちゃん・・・。あたしは信じているわ」
剛「クソっ!玄田さえ止められれば・・・・」
玄田を止められない限り、こちらには攻撃権が来ないのである。
あっという間に、第一Qは終わってしまった。陣地を入れ替えての第2Q。
やはり玄田の突進は止らないが、なんとか食い下がり、第一Qほどの動きは封じることが出来た。しかし空しく時計だけが進み、なす術もなかった。
そして前半が終わり、選手が一旦ベンチに引き揚げたとき、である・・・。
「キャー!パパ!飯田先生が!」みゆきの絶叫!
傍らに控えていたみゆきの父でチームドクターの西本がすぐに往診した。
チームは玄田に太刀打ちできず、そして今、飯田監督まで倒れてしまった!
絶体絶命・どうするサトル・サトミ・・・・・・!