第35話 悪党!横山監督の最期!
宿命のライバル・南武高校と吉本工業高校の対戦は一進一退、全く互角のまま折り返した。
こちらは南武側ベンチ。
「監督、今までの経過からすると吉本の後半の作戦は多分・・」
「原尾君、よく調べてくれたな」
「いいえ、私の仕事ですから・・・」
沙羅はカメラの調整。
「サトミちゃん、またパンツ降ろされたのね・・ゆるんじゃってるわ・・。締めておくわ」
「ありがとうみゆ♪」
「信彦♪お守り!唯理先輩がさ、佐藤先輩にやった秘密のおまじない・・さっき聞いちゃった!これさ、いっそファールカップの中に忍ばせたら?」
「おいおい、それって・・・」
「いいじゃん、あたしらそういう間なんだから。」
「でもお前は・・・」
「悪かったわね、あんたが最初じゃなくて。でも心配しなくていいわ。お兄ちゃんだから。」
「何?うーん、俺たちまずは穴兄弟かよ・・・」
その鉄平も同様に四葉から。「鉄さん、おまじない・・」首にかける四葉。
「サンキュ!」
他の選手たちも調整や打ち合わせに余念がない。
「サトル君、陽一、後半はしかけるぞ!」
「任せてください。それに今日はサトミの奴が絶好調なんです。」
「そうだね、今シーズン一番の調子なんじゃないかな。緒戦アレで欠場だったし・・」
「拓也!声が大きいわよ」
「ごめん・・・」
一方、吉本ベンチでは・・・
「なんや、このザマは!前半リードの時点で永森の作ったアレでコールドにする予定が・・
だめやんか!しっかりせい」
「でも監督・・これただの手回し発電機。こないだの落雷だって多分偶然だと思うんだけど・・・」
「まあ、ええわ。ワイが奴ら再起不能にしてやる」
「頼むで!」
こうして後半も開始された。しかし一向に膠着状態が続く。取って取られて・・・。
両軍全く互角だった。強いて言えば、ラインでは南武が圧倒しているのだが・・・
南武の唯一の弱点は、3年生が少なく、しかもその中でも実際は拓也と鉄平の2人しか活躍しておらず(しかも、その拓也も主に本来とは別のポジションでの出場)、2年生を主体に、1年生も交えての構成で、経験不足からのミスが目立つということだ。
だが、今日の南武高校はもう一つの不安要素・・・それが今日は心配ないということだ。つまり女子選手であるがゆえに、月に一度活躍できない日が来るサトミが、絶好調だということだ。そういえば五月の合宿も大活躍した彼女。上旬は好調のようだ。
迫り来るタックルをかわし、タッチダウンとキックを次々成功させるサトミ。サトルとの連携もバッチリだ。
だが、吉本工業の怒りが爆発した。
「女なんかに舐められてたまるかい!」
ベンチの横山監督は、ついに麗菜の手から、ブラックボックスを取り上げた。
「ヒヒヒ・・・雨よ降れ!雷よ光れ!土砂降りになれば、審判の目もくらませる・・・。その隙にあのアマをやっちまえ!」
「でも監督・・今日確率5パーセント未満よ・・」
「アホ。1パーセントでも確率があればそれに賭けるのが博打打ちよ」
横山監督は、くるくると麗菜の作ったエレキテルをまわした。
するとどうだろう・・・突如黒雲が湧き、局地的豪雨が・・・。しかしこのぐらいの悪天候でアメフトやラグビーは中断しない。
「それ、チャンスや!」雨の中突進するサトミに、島田・西山たちが4人がかりで集中攻撃!稲光と激しい雨と暗さで、審判の目も塞がれている。
「グヘヘ・・タックルされた衝撃でまたしてもずりおちたサトミのフッパン。そこから覗くサトミの花園を見た島田は、ついに我慢できなくなってしまった。
「グヘヘ・・これで退場させられても悔いはない・・・ワイはずっとコイツとやるのが夢だつたんや・・。女の癖に、ワイら男の世界に居座ってバカにしちょるこいつを、屈服させてあえがせるのがなぁ!」
悪天候に加え、西山たちが審判と南武側選手をブロック。さらに、サブとシローが審判に目くらましをした。絶体絶命のピンチ・・
まんぐり返されたサトミ。いかに鍛えぬかれ、防具を身につけていても中身は17歳の女の子・・。島田は背はサトミより低いが、さすが男・・。力は上だった。
「・・・」悲鳴もあがらない。絶体絶命!
島田は自らもフッパンを下ろし、まさにサトミにその最終兵器を衝き立てようとした瞬間・・
「ぐわーーーっ」
「ボクの妹に何をするんだ!」
飛んできたヘルメットに直撃されのけぞる島田。
「大丈夫かサトミ!」
「遅い!」
しかし安堵したサトミはご開帳・・。
これはほんの一瞬、2,3分の出来事だった。
サトミに続き、島田も起こしたサトル。
「島田さん!あなたもフットボウラーなら、正々堂々勝負してください!サトミは女・・・。生意気だと思う気持はわかります。でもこいつだつて僕達と同様・・いやもっと頑張ってきたんです。それに・・南武のエースはボクです。挑むなら、このボクに全力で当ってください!」
「うう、東・・・」
島田は、てっきり殴られると思った。だが、冷静かつ紳士的なサトルの態度に打たれた。普段の彼なら、逆上するところだったが・・・。
「わかったよ・・審判呼んできてくれ。この雨で混乱してしまったが・・ねーちゃんが倒れたここから、おたくらの攻撃ってことで話を付けようぜ」
「ええ。」
こうして試合は再開された。
「どないなんてるんや!えーーい」めちゃくちゃにエレキテルを操作する横山監督。
「やめて監督・・・壊れちゃうわ!あっ!電極が・・・」
「なんや、このばねは?」
「ブー子、ガン子、ベンチから出て!監督から離れるのよ!」
電極が湿った監督の手に握られた。そして、11月3日には珍しい突然の雨・・・。これが麗菜のエレキテルの効果なのか、神の下した審判なのかはわからなかった。
「ビキっ・カカカが・・・・・ん!」
「「うわーーーーーーーーーーーーー」
雷が、横山監督を直撃!試合は一時中断された。
「監督!」駆け寄る島田たち・・・。しかし、黒こげになった横山監督はそれっきり、二度と動くことはなかった。
審判団と運営委員が協議する・・・。試合は同点。普通、このような事故があれば試合は中止になるか再試合、またはコイントスによって決着する。だが・・
両軍キャプテンは、あくまで試合続行を望んだ。するとウソのように青空が広がった。
そして改めて最終クォーターから試合続行・・(注・本作は、現実の高校アメフトとは全く無関係のパロディ作品で、運営方法やルールも異なっておりますので、この作品を見て誤解しないようにしてください)
その間、横山監督の遺体はとりあえず貴賓室に運ばれた。ガン子がついている・・・。
最終クォーター、島田の執念は、まるで「おまえ、本当はこんなに上手かったのかよ!」と思わせる素晴らしいものだった。邪心や屈折した心をぶつける道具としてしかアメフトをしてこなかった島田・・・だが彼もフットボーラーのはしくれ。いや、2年続けて主将を務めたほどの男。実力だって関東4強の一角・・・。
島田は走った。馬場を、拓也を弾き飛ばし、義信と信彦の間を摺りぬけ・・。
このままでは、タッチダウンされてしまう・・残り僅か・・・。
「サトミ!行くぞ!」
「OK、サトル!」
セーフテイの位置に下がっていた双子は、絶妙のコンビで島田を襲う!
今日、サトミはあまりもの絶好調に、拓也と監督の許可を得て、両面で活躍していた。
「やった!」
攻撃権を、ギリギリで奪取した南武・・・。そして得点は同点。だが、とてもタッチダウンできそうになかった。横山監督の不幸な事故もあり、もしこのまま同点で終わった場合、コイントスで勝敗を決めることと協議されていた。
「サトミ・・・だいぶあるけど・・?」
「やるつきゃない!サトルがホルダーなら絶対外さない!それに今日のあたし、絶好調♪やらせて・・・」
「サトルくん・・こうなったらサトミちゃんに全てを託そう!」
思えば1年前の同じ吉本工業戦・・・サトミは吉本の下半身への集中タックルでフッパンを2枚も破られ、急遽ブルマ姿で決勝のフィールドゴールを決めた・・・。しかし今日は距離が大分長い・・。
だが体調は万全、服装も整っている。
「どっちにしても、これが最後のプレーだ。頼むぜ」
「行くわよ!えーーーい!
渾身の力を込めたサトミのキック・・・。そして先ほどの雨がウソのように晴れ渡った青空に吸い込まれていく。そして・・・まさか、まさかのこの距離で・・・
ポストを今、通過した。
南武高校、2勝目、吉本工業高校の関東大会敗退が決まった・・・。
歓喜にあふれる南武高校・・と行きたいところだが・・・・。相手の監督・横山の不幸な事故もあり、粛々と整列、礼をする。そして全員が黙祷・・・。
横山木工助・・・大日本大学のエース、そして社会人での活躍していたが、酒と博打、ヤクザとの黒い交際で自滅、何度も刑務所に入った彼・・だが10年前、それまで全く無名だった荒廃した都立の工業高校の監督に乞われて就任以来・・・途中部員の不祥事による2年間のプランクこそあったものの、8回の関東大会進出を決め、卒業生を大学・社会人強豪に送り出した横山監督・・・。毀誉褒貶合い半ばしたこの男の人生は、70歳を一期として終わった。
整列・黙祷が終わると・・・
島田紳一は、我を忘れて泣いた。
「ワイの・・・ワイの3年間が終わった・・・。監督も逝ってもうた・・・。ワイはついに負け犬のまま、おわっちまったんや・・・」
「紳一・・・負けちゃいないわ・・・。少なくともあたしにとってはあんたはカッコいいキャプテンで、エースだったわ・・。今日は思い切り泣きなさい・・・」
「麗菜・・・」
ブー子も泣きじゃくる。西山は、歯を食いしばっていたが、ふと、「おい紳の字に姐さん、監督のところに急ごう・・」
臨時の霊安室となった貴賓室。そこでは白い布をかけられた監督の遺骸にすがってすすり泣くガン子の姿が・・・。
「ガン子、あんた・・・」
そうであった。ガン子こと田島岩子は、監督に尊敬以上の思いを寄せていた。監督に迫られたとき心ならずも受け入れなかったことを悔いた。
「監督さんは・・・監督さんは、この広い世界でたった一人・・わたしを「女」として見てくれた・・・」
「ガン子・・・」
だが、吉本工業高校にさらに追い討ちが・・・。
突如、警官が乱入してきた。
「何をする!ここをどこだとおもっておるんや?」
「捜査令状だ。横山木工助はここだな?」
「ああ、ここや・・・。」
寝台に横たわり、白い布を被せられた監督を指差す島田。
「これは失礼しました」敬礼する警官。被疑者死亡で取り下げられた逮捕状。しかし黒い噂の絶えない監督だったが、何故官憲の手が・・・。
思い当たるフシがあった。
同様に、試合直後、淫行と覚醒剤取締法違反で逮捕された京葉高校・北村前理事長・・・。その捜査・尋問の結果、恐るべき、国際的犯罪組織の覚醒剤密売ルートが明らかになったのだ。無論、さすがの横山監督も薬には手を出していなかった。だが、捜査線上に浮かんだルートから、かつての八百長と、常習賭博の嫌疑が判明し、逮捕状が出たのだが、試合中ということで、終了と同時に拘束、ということになっていたのだ。だが・・・不幸な事故で、横山監督は亡くなってしまっていた。
この事件は、さらに悲劇を拡大、かつ国際的大事件のほんの一部となっていく。
同じ頃・・指定暴力団川島組系・西尾組組長、西尾勇も逮捕された。容疑は、やはり覚醒剤取締法違反と、常習賭博だ。
今度は、南武高校側に激震が走る。
今日の試合も元気よく取材に来ていたリコ・・・。だが、突然泣きながら走り出す。
「リコ姉!どうしたんだよ急に!」大介と玲子が追う・・・。
「パパが・・パパが逮捕されたわ・・・・。そしてあたしがパパの娘だってことが総編集長にばれちゃった・・。あたしもう大ちゃんに愛される資格も取材する資格もないわ・・あたしが出入りしてたら、南武高校まで出場停止処分に・・大ちゃんの5連覇の邪魔になるわ。みんなに迷惑かけたくない!」
リコは傍らのビルに駆け上ると、その身を宙に躍らせた
「リコさん!」「リコ姉!」
とっさに大介とサトルが飛び出した。真ッ逆様に落ちてくるリコ・・・
「みんな、急げ!ありったけの服を結べ!」
間一髪!大介はリコを受け止めた。
「リコ姉!なんてバカなことを・・・ヤクザの娘がなんだよ!おまえはおれっちのリコ姉・・・おれっちだけの大切な女じゃないかよ!おまえがヤクザの娘だからおれっちと付き合えないっていうなら、おれっちが野球辞めてやる!」
「大ちゃん・・」と言いかけたとき、大介はリコを抱きしめ、唇を強引に重ねた。
そこに、少し遅れてみゆきと千佳がやって来た。
「リコさんは、たしかに西尾組長のひとり娘だったけど、中学卒業して以来ずっと別居・・・。それに捜査の結果、組長は覚醒剤とは関係なかったわ。賭博だけだから、長くて2年・・執行猶予がつく可能性もあるってお話よ。だからリコさんがこの事件に巻き込まれることはないわ。」
「本当?」
「リコさんには涙は似合わないよ。さあ、涙を拭いて、スマイル、スマイル!」
「みんなありがとう・・・。でも・・やっぱ大ちゃんとの結婚式にはパパは呼べないわね・・」
「リコ姉・・おれっちまだ2年だぜ・・17歳じゃ結婚できないって。気が早いなぁ全く・・・最後まで人騒がせなねーちゃんだぜ。だけどおれっち、そこに惚れたんだよな。あーあ、早く高校卒業したいぜ・・・プロにすぐ入って、リコ姉が30になる前に嫁さんにしてやらないとな。そのためにも、来年の春夏は絶対連覇だ!お前たちも応援頼むぜ!」
「まかしとき!
こうして、南武側の騒ぎは収まった。
だが・・吉本側にはさらに激震が・・・。
捜査の結果、国際犯罪組織S団の首領は、永森鋭一こと、張 鋭烈であることが判明した。麗菜の父である。
だが、張は警察に対し、徹底抗戦をした。一般の警察では手も足もでないほどに要塞化された永森邸・・・。岩原裕太郎総統は、ついに岩原軍団を突入させた。岩原軍団とは、陸海空軍及び警察・消防・公安・海保からエリートだけを集めて組織された対ゲリラ秘密特別軍事警察機構で、総統の実弟・岩原慎次郎中将を長官に、実線の指揮は鬼より恐ろしく、なんの躊躇いもなく悪人を成敗できる非情の男・渡辺鉄也団長が執っているのだ。彼の見た目はヤクザそのもの・・いや、どんなヤクザより凶悪な風貌だった。
激しい銃撃戦が始まる。ついに自室に追い詰められる永森こと張・・・。
「畜生・・この壺の中の金だけは・・誰にも渡すものか!」
全身蜂の巣のように銃弾を浴びた張は、自爆装置を作動させた。
大音響とともに崩れ落ちる永森邸・・・。
「任務終了・・犯人は死亡」
「了解」
その頃・・S団の本拠地・南阿弗利加にも捜査と攻撃の手が加えられた。香港、ソウル、平壌、マカオ、上海、大連、バンクーバー、裏塩、モスクワ、ベルリン、ニューヨーク、リオの拠点も国際防衛機構の手により、同日征圧された。
監督を亡くした上に、父と家も失った麗菜・・・。だが。
「ハハハハ・・!くたばったかクソ野郎!ざまーみやがれ!」
「おい麗菜・・いくら悪党っていっても親父さんだぜ・・」
「何が親父かよ!あたしはあいつとは一滴も血が繋がっていないのよ。あいつはママの再婚相手・・あいつは外国人だから、永森姓はママの旧姓・・・。あいつは、あの鬼は・・ママを苛め殺し、そしてあたしをこんなにした・・知ってるでしょ、あたしの背中・・あれは中1のときあいつに無理矢理彫られたのよ・・・。
麗菜の口から語られた事実は、思わず耳を塞ぎたくなるような凄惨なものだった。鋭一のむごい仕打ちに病弱だった母・美佐子は2年足らずで亡くなったという・・・。
いつも、その美貌の影に、暗い暗黒の闇を覗かせていた麗菜・・・冷酷非情で残忍な麗菜・・だが、そうなるのも仕方ない人生だった。
「お金と、科学技術の本だけは不自由しなかったわ・・・。中学出たあたしは、とりあえず学費のかからない都立のうちに入って・・ダチの家転々として・・でもあいつに見つかって連れ戻されて・・・。最近ようやく、部活にかこつけて外出許可が出るようになったのよ。あいつに6歳で引き取られ、10歳でやられ、12歳で彫られ・・・
せいせいしたわ・・ザマーみろ。特殊警察がやらなかったら、あたしが半年以内にあいつを殺ってたわ。」
「麗菜・・・」
そのときである。
「麗菜・・麗菜なんだね?」
見知らぬ紳士と金髪の少女、外国人紳士の3人が突如現れた。
「レイナ・・ハジメマシテ。ワタシノナマエハ、サー・ガラハッド・トリスタン・ランスロット。ブリテンノ騎士デス。ソシテ、ワタシハアナタノオジサンデス。ソシテ、コノヒトハワタシノイトコ、ツマリアナタノオトウサンデス。ソシテコノコ、セーラハアナタの妹ナノデス」
「何言うのよ外人さん!あたしのパパは、5歳のとき南阿弗利加のダイヤモンド鉱山の落盤で死んだのよ・・そしてママがあの悪党と再婚して・・」
「ちがうんだ麗菜・・・私は幽霊じゃない。本当の父さんだよ。益田大だ。私はあの事故で死んだことにされていたが・・・本当は張の陰謀で捕えられ、奴隷として金やダイヤモンドを掘らされていたんだ・・・。母さんのことはガラハッドから聞いた・・気の毒なことをしてしまった・・・。そして、初めて見るだろうけど、この子は正真正銘のお前の妹・・訳あって私が死んだことにされた後、母さんではなくガラハッドに引き取られ、ロンドンで育ったんだよ。いつの日かお前に合う日を夢見て、日本語もちゃんと話せる。そもそも、おばあちゃんは英国人だったんだよ。だから私とガラハッドは正真正銘の従兄弟。お前も金髪のことで苛められたかもしれないが、何も恥じることはない。英国人の血を引いているだけなんだ。」
しかし、にわかには信じられない麗菜・・・。
あまりにもこの僅か数日間に、実質高校最後の試合、その最中の監督の死・・捜査の進展で次々と逮捕または死んでいく関係者・・・。そこにいきなり、死んだはずの父が、一度もあったことのない妹、そして叔父だと名乗る英国貴族・・・。
「お姉ちゃん!聖羅、ずーっと会いたかった!」
抱きついてきたセイラの顔は、よく見ると麗菜とそっくりであった。
「セイラ・・ほんとうにあなたは私の妹なの?」
「うん、ほんとだよ・・セイラもパパに一昨日初めて会ったの・・・。それまでガラハッド叔父さんがパパだと思ってた・・・」
「セイラ・・・」
「おねーちゃん・・」
抱き合う2人・・・。
「麗菜・・・・」
「パパーーーーっ!」
親子三人、やっと再会できたのだった。
だが、それは麗菜と、紳一、ブー子たちとの別れの時でもあった。
「麗菜・・・。日本での家は無くなってしまった。母さんも、あの男も死んだ・・・。
幸い、阿弗利加の鉱山の権利は私のもとに戻った。聖羅と3人・・・親子水入らずで南阿弗利加で暮らそう・・・辛かった今までを、親子3人で・・」
「パパ・・、聖羅・・・」
「ワタシモデキウルカギリノコトヲシマス。レイナハワタシノメイデスカラ、アフリカデハ白人アツカイヲウケラレマス。メシツカイモヨウイシマス。」
「叔父様・・・」
そして、旅立ちの日が来た。
「紳一、徳男、ブー子、ガン子、サブ、シロー!あんたたちのことはわすれないわ〜」
「麗菜〜!」
テイクオフするジャンボ・・・。
島田は、それを空港が閉鎖される時間までずーーーっと立ち尽くして見送った。
さよなら麗菜・・・悪の華。
だが・・数ヵ月後、麗菜はひょっこり帰ってきた。
「紳一・・ただいま♪忘れ物よ・・!そう、あんたと一緒の卒業証書♪」
麗菜の活躍?は、まだまだ続きそうである・・・。