第14話 名門!京王高校の意地!

激戦の末、埼玉代表殉教学院・新島の挑戦を退けた南武高校・・・・。

晴れ渡った土曜日、遂に昨年の覇者・東京第一代表・京王高校ペガサスを迎えての第2試合を迎えた。

剛「オレ様は去年、後一歩というところで京王に破れ、クリスマスボウルを逃した!それから1年、打倒京王を夢見て頑張ってきた!今年も東京1位で勝ち上がってきたが、絶対勝つぞ!」

「オーーーっ!」

みゆき「ところでお兄ちゃん・・・京王は関東大会の初戦、吉本工業に負けてるわ。都大会では勝ったのに・・・・」

剛「勝負は時の運。まだどのチームも可能性が残っている。どのみち勝つのは俺様たちだ。」

サトル「そのとおりですよ先輩!サトミも信彦君も、今日もガンガン行こうぜ!」

サトミ「あたいがいるもん、負けるわけないでしょ。バカねサトルは・・・」

サトル「こいつーっ」

信彦「ところで丘は退院できたみたいだぜ。次の試合出られるかもってよ」

一堂「それはよかった!」

 バスに乗り込み、スタジアムに乗り込む南武。

観客も待ちわびていた。だが・・・・。

京王がまだ到着しない。そして時間だけが過ぎていく。

「どうしてくれるんだ!チケット代返せ!」

「も、もうしばらくお待ちください・・・」

観客からのブーイングが巻き起こる。このままでは南武高校の不戦勝になってしまう・・。

 そのときである。

バスが着いた。

「待たせたな!」

紫紺のユニフォーム、王者・京王ペガサスの主将・福沢だ!


京王高校主将 福沢俊吉

だが様子がおかしい・・・。選手のほとんどが、不自然にサポーターを巻き、傷だらけである。

両主将の、コイントスだ。

「福沢・・・。どうしたのだ?」

「フっ。この試合が終わればお前もそうなるのさ、西本よ!」

「言ったな!」

握手を交わした後、コイントス。結果、先攻は京王と決まった。

 昨年の借りを返そうと、いつになく張り切る主将・西本剛の巨大な体から闘気が漲る・・・。

「おにいちゃん・・・」みゆきも見守る。

ハット・ハット・ハット・・・ガシャーン!

遂に試合は始まった。この試合、後攻なのでレシーバーのサトミはベンチスタート。ちょい不満。しかしみゆきと一緒にそれぞれの兄に声援を送る。

「みゆ、持ってきた?」

「ええ。」

今日のハーフタイムのチアには、みゆきも参加することになったようだ。

 さて、白熱した試合・・・・、と思いきや、あっさり青天の京王ライン。ディフェンスバックに入っていたサトルが、福沢のファーストパスをいきなりインターセプト。そのままタッチダウンしてしまった。

 

「これは一体・・・」

攻守交替、サトミの出番がやってきた。

「あーー待ちくたびれた。さあいくわよ!」気合も十分。だが、気合が入りすぎたのか、フッパンの紐をきつくぎゅっと締めすぎ、勢い余って切ってしまった。

「あっ!」

ずり落ちるフッパン・・・。ご開帳・・。すぐ替えの紐で事なきを得たが・・・。

そのサトミにサトルのスルーパス!走るサトミ!追う京王。

だが京王のエースディフェンスタックル・高橋の様子がおかしい。俊足・強打(タックルが強いという意味)のはずの高橋が、サトミに追いつけない。それどころか足を引きずっているようにも見える。タッチダウン!キック!キックもサトミの出番。

 「おかしい・・・。こんな手ごたえのない京王があって良い物か・・・」剛はいぶかしんだ。

そしてお待ちかねハーフショー。いそいそと着替えるサトミとみゆき、他のマネージャーたち。チアは実は他の運動部の女子部員たちの応援を得て構成されていたのだった。もちろん、バレー部の江川主将も、西本主将との友情で、渋々参加した。

 そこに!

「あたしも混ぜてくれない?」

「あっ、おばさん・・・」

「失礼ね!わたしは26よ。そりゃあんたたちよりは年上だけど・・。」

監督「チアは別に、本校の生徒でなければならないという規則はないのじゃから、ええんじゃないか。それにしてもええ乳しとるのぉ・・・」

目を細めて喜ぶ飯田監督の許可を得て、サトミ、みゆきに加え、月刊アスリートの巨乳記者・西尾リコも加わったいつになく華やかなチアショー。

 ところがそこでアクシデントが。

「カシャっ!カシャ!」

「やーね、カメラ小僧・・」アクションカメラマンたちが群がってきたのだ。しかしそれにしても多すぎる。しかも、被写体はサトミとリコばかり。

小声でとなりのサトミにみゆきは訪ねる

「サトミちゃん・・・。アンスコ穿いた?」

「アンスコって何さ」

「チアのスカートの中に穿くブルマのことよ」と恥ずかしそうに。

「え、オレ何も穿いてない!」

「オーホホホ。あたくしなんて特製の紐パン穿いてきたわよ!」

なんと、サトミのノーパン、&リコの紐パンが知れ渡り、カメラ小僧たちが群がってきたのだ。ちなみに、アンスコは黄色いが、江川キャプテンは赤いバレー部のブルマなのは言うまでもない。

しかし、「なーんだ、見せるだけなら減りやしない!」とより高々と足を挙げるのであった。

そして後半。前半の疲れからか、さらに精彩を欠く京王!

「どうした福沢!そんなお前を倒してもオレ様は嬉しくないぞ!全力でかかって来い!」

「うるさい!」

 遂に剛は、福沢にサックを決めてしまった。

京王ベンチからタイムがかかる。

 南武側も、作戦タイムだ。

「お兄ちゃん!大変なことがわかったわ!これが京王VS吉本工業のスコアよ!原尾先輩が付けてくれたの。京王の選手の過半数が怪我で退場・・・福沢さんも肋骨に皹が入っているはずなのよ!とても試合どころじゃないのよ!」うなずく原尾。睫の長い、無口でミステリアスなマネージャーである。

「何だと!まてよ、そうか・・・!」

「主将!」

「島田と西川の仕業だ!あのチンピラめ・・・!」

「どういうことですか!」

「吉本工業はガラが悪いことで有名だ。審判の見ていないところでの反則など日常茶飯事。私生活においても、平気で人を殺せるような奴らなんだ。その中でも、2年生キャプテンの島田!あいつは人間の皮を被った鬼畜だ」

サトル「じゃあ、その島田っていう人の反則で、京王は・・・」

「おそらくそのとおりだろう。だが証拠はどこにもない。」

「ゆるせねー!」サトミの怒りも爆発した。そして運命の最終Q

既に、京王の逆転はまず不可能。試合放棄も考えられる展開だった。それでも剛は手を抜かなかった。手を抜いたら、失礼だからだ。そして、福沢も。

 最後の攻撃・・・。QB福沢は、なんとパスをせず、剛めがけて突進してきた!無謀だ!

巨大な壁!諦めて自ら潰されにいったのだろうか?

「何?」

驚く剛。そう、福沢はサトル・サトミ兄妹同様、剛を飛び越えて突進する。レシーバーたちが皆、怪我や疲労でやくにたたないことを悟ったのだ。

サトルと武田が追う。サトルのタックルが決まったかに見えた。しかし福沢は、サトルを引きずったままなおも前進する!ヘルメットに描かれた白い天馬のように!

そしてサトルを振り落とし、タッチダウン!

 だが、そのままぴくりとも動かない。担架が入る。

「うう・・・俺の3年間が、ゼロであってたまるか・・・」

執念、執念の得点だった。ボーナスゲームのキックは外れた。これがこの試合、京王の唯一の得点となった。

 絶望的な展開、勝利の可能性はゼロ・・・・。

それでも王者・京王の名に賭けて、零封だけは避けなくてはならないという福沢の執念のタッチダウンだった。

「福沢・・・」そして試合は終わった。

 試合後、京王控え室に見舞いに行く剛たち。

「福沢・・・なんで言ってくれなかったんだ。知っていたら、俺様は・・・」

「言うな!いかに卑怯な手を使われようと負けは負け・・・。殉教戦を残しているが、2敗した俺たちはここで終わりだ・・・。西本!俺の分も、関東代表として・・」

 「ああ、仇はきっととる。」

サトミ「そういえば、もし今日殉教が吉本に勝てば、その時点であたしたちの優勝じゃん?」

「あっ!」

「どうした福沢!体に障るぞ!」

「・・・!新島が危ない!島田は新島みたいなタイプが一番嫌いなはず・・・。間違いなく俺にした以上の嫌がらせをするはずだ!俺はうごけないが・・西本!まだ向こうの試合は終わっていない!俺にかまわず新島を応援してくれ!」

「福沢!」手を握り締める両主将。

「おい、福沢の言葉を聞いたな!今すぐ運動公園に急ぐんだ!」

 

だが・・・・。

南武高校が運動公園に着いた時、救急車が横付けされていた。そして担架で運び出されたのは・・・。

「新島!」

看護婦「絶対安静です!開けてください・・・」

 一足遅く、新島は前身を強打し、意識不明のまま運び出され、殉教も大敗していたのだった。

 こうして関東大会は、2勝で南武(神奈川)と吉本工業(東京第2)が並び決勝に、殉教と京王は、最終戦を待たず敗退したのであった。

 吉本工業・島田・・・。殉教・京王両エースを卑怯な手段で潰したその男の影を睨みながら、決勝であいまみえるのを待つ剛たちであった。

次回、いよいよ吉本工業登場!

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