驚異のネンドボーグ

 

「あれ?困ったわ」

「どうしたの由香ちゃん?」

「これ、私のカチューシャじゃないの・・・。知ってるでしょ、あのカチューシャは・・」

由香のいつもつけているカチューシャは、脳波を増幅し、通信機の機能が組み込まれている細密メカで、バルディーナが、バルディバンと異なり、よくメットなしで行動できるのもそのためで、通常の大気中であれば、ヘルメットを着用しなくとも、頭部のメカが作用して十分に活動できるのはそのためである。変身前は、通信機としてのみ機能するが、由香以外の人間がつけてもただの髪飾りである。

「きっとタマちゃんだわ。由香のほかにカチューシャつけているのはあのこだけだもん。体育の時、入れ替わってしまったんだわ・・・。」

「中川なら部活(漫画・アニメ研究会)でまだ学校じゃ?」

「ちょっと由香、行ってくるわ」

「僕も行こうか?」

「ううん、多分更衣室にも行くから・・」

一人で出かけていく由香。

 その頃、学校では・・

「出来た!これがわたしのオリジナル戦隊のコスチューム♪ホントはメタルヒロインを造りたかったんだけど・・お金が足りないからこれで・・見て、みんな!」

「さすが部長!俺たちのも作ってください!」

「ちょっとブラック!部長とは何よ!わたしのことは「ピンク」と呼びなさい。レッドもイエローもグリーンもわかったわね?」

女王として君臨するオタク少女珠美・・・。

そのとき、カチューシャがぽろりと落ちた。

「なんか変だと思ったら、これわたしのじゃないわ。きっと姫のだわ・・どうしましょう。

ま、明日学校で取り替えるか・・・」

しかし、他にも忘れ物があった珠美は、更衣室に向かった。

すると、そこには仁子がいたのだ。

「珠美さん、探し物はこれ?」

「あ、それそれ!でも仁子さん何故?」

仁子は、3年になってから北海道から転校してきた優等生で成績はトップだった。

「実はね、わたしもヒーローが大好きなのよ。私も漫画アニメヒーロー研究会に入れていただけないかしら」

「うん、よろこんで!」

2人は、連れ立って出て行った。その直後息を切らして駆け込んだ由香とはすれ違いに・・・。

「中川さん、この資料を見ると、本当は戦隊じゃなくて、メタルがやりたかったのね?」

「うん、バルディーナみたいな・・・。でも難しいから・・・」

「わたしなら、このぐらい作れるわ」

「さすが!」

「私の家に寄っていかない?私もこの手の資料たくさん持っているわ」

「わーい」

仁子の家は、洋館であった。両親は亜米利加と北海道、祖父は科学者で独逸にいるという。

「わっ!素敵〜本物の研究室みたい」

「だって本物だもの・・」

「え?」

「中川さん、あんたメタルヒロインになりたいのよね、バルディーナみたいな・・・。

じゃあ、本当に改造してあげましょうか、この私が!」

「仁子さん、何するのよ!」

仁子が白衣を羽織ると、数体のロボットが現れ、珠美を裸にして手術台に載せた。

透明なカプセルが頭上にかぶさり、股間にアンカーが打ち込まれる

「ひぎぃっ!何をするのよ・・」

「オホホ・・・あんたを我がグロテスター超人軍団のスパイ用サイボーグに改造するのよ・・。

そして、バルディバンとバルディーナ・・・おそらく、バルディーナは細川由香・・をおびき出して2人まとめて爆破してあげるわ」

なんと、仁子の正体は、グロテスター超人軍団の科学者でスパイ、ドクター=ジーンだったのだ。バルディーナの正体が由香ではないかと睨み、転校生として潜入したのだ。そして、珠美にそれとなく吹き込み、由香に対する包囲網を作り上げてきたのだ。

「キャー!やめて〜助けて〜」

「泣いても遅いわ・・・まず体質を改善する薬品を十分に注入してから、手術にとりかかるわ」

珠美、大ピンチ!

しかし、さすがのドクター・ジーンも見落としていたことがあった。

 

「香織君!見たまえ!」

なんと、その様子は細川博士には筒抜けだったのだ。そう、由香のカチューシャを通して全て細川に手に取るように・・由香の行動は、研究のため全て細川によって監視されていたのだ。もちろん、由香も承知の上である。(隼人との度重なる結合も全て細川には知られている。特に、排卵日など生理関係の管理と生殖補助メカの具合などは念入りにチェックされていた。そのチェックは女性である香織が担当していた。)

「よし、すぐに隼人と由香を呼んでくれたまえ」

「待ってください博士・・・傍受によると、敵の狙いは由香ちゃんのようです。

由香ちゃんがバルディーナと知って、それを確認するために学校に潜入し、かつ由香ちゃんの仲良しに取り入ってと、あの女なかなかやりますわ。ここは私に・・・」

「しかし香織君・・君は・・」

「ぐずぐずしているとあのこの命が危ないんです。さあ、準備を・・・」

香織は、全てを脱ぎ捨てるとカプセルに入った。細川が香織の秘部や局所にチューブを接続していく。カプセルが閉じられ、液体が満たされる・・・。

細川はズボンを降ろして制御盤に座った・・・。一物をセット。

「エネルギー注入開始!」細川の左手がレバーを引く。また、右手は制御版に差し込んだ一物を扱く。すると、カプセルにエネルギーが満たされ、香織の体はみるみる金属化していき、赤い装甲に覆われた、プロトタイプ・バルディーナになった。

「博士、光学迷彩入力を!」

光学迷彩とは、外観の色を実際とは違う色に見せかける装置で、赤をピンクに偽装した。これで、外観はどこから見てもバルディーナだ。

香織はバイクに跨り、現場に急行した。

 続いて、細川は隼人と由香にも事情を知らせ、後を追わせた。

隼人の性能上、変身せずに追い、戦闘直前に変身させることにした。香織の参戦により、細川研究所の戦力は倍増した。今まで、緒戦の時間稼ぎを非力な由香が担当したり、いきなり隼人が敵を粉砕するも、真打登場時にガス欠になりピンチ、という展開が多かったからだ。しかし、香織は由香よりは強いとはいえ女性。しかも、不完全な試作サイボーグである。やはり心配だ。

 

ガシャーン

バイクごと洋館に飛び込む香織。

「そこまでよグロテスターの怪人!」

「何ですって?わたしのどこが怪人なのよ!わたしは超人軍団のドクター・ジーンよ!

飛んで火に入る夏の虫とはおまえのことのようね、バルディーナ・・いや細川由香!」

バリっ!手術カプセルを破壊した香織は、珠美を救出した。だが、それは計算済みだった。

「オホホ・・その子はただの餌よ。超人軍団の力を見せてやるわ」

超人軍団とは、グロテスター4大軍団の一つで、超能力を持った人間型かつ非グレートロイヤル星人の軍団で、科学力やオカルト力でその武威を示す軍団である。

「騎士団」はグロテスター正規軍。

「怪人軍団」は邪悪なサイボーグやアンドロイドの軍団。

「獣人軍団」は、獣人型宇宙人、バイオ型サイボーグ、そして怪獣からなる軍団である。

騎士団、超人、獣人は「怪人」と呼ばれると激怒する。彼等は自らを悪だとは思っておらず、それぞれの誇りを持って戦っているからだ。

一方、怪人は原則として、最前線で活動し、悪人を刑と引き換えに改造した者が殆どで、それに一から造ったアンドロイドが加わっている。大抵は更生不能なほどの根からの悪人か、殺人と破壊のみプログラムされたロボットなので、格は最も下なのだ。だが戦力は最大であった。

「おまえの相手はこいつよ!そう、私が作った究極の生命体・・・」

すると、巨大な影があたりを覆った。

一つ目の、不定形生命体・・・「ネンドボーグ」だ!前回、隆之が作ったハリボテとそっくりな怪人が現れたが、あれは試作段階のネンドボーグが化けたものだったのだ。前回は、本体は半不死身だつたが、制御するメカ部分が爆発し、本体も燃え尽きて敗北を喫したが、今回は改良を加え、全てバイオ&粘土で作られ、ジーンの意思でコントロールされるのだ。

香織を襲うネンドボーグ・・・・。更に、珠美にも襲い掛かる触手・・・

高笑いするジーン。

「姫、助けて〜」再び気絶する珠美。

香織も絶体絶命だ。

「そこまでだ悪党!」

「あ、おまえたちは・・・」

本物が颯爽と現れた。

「隼人君、こいつは手ごわいわ・・・不死身よ。それに形が決まっていない・・・」

「くそっ!」早くも、触手に剣を奪われた隼人。大ピンチだ。

その間に、由香は胸からエネルギーを照射して香織を甦らせ、珠美を助けた。

そして、珠美を香織に託して隼人の下に駆け込んだ。

絶妙のタイミングだった。目を覚ました珠美は、「バルディーナ=香織」と改めて認識したのだ。「ありがとう御座います、バルディーナさん・・・」「これはお仕事よ、さあ逃げましょう」

しかし・・・隼人や香織でさえ苦戦するこの不死身の怪物に突進していく由香・・無謀では?だが、突進した相手が異なっていた。隼人に突進だ。

「隼人君、合体よ!」合体誘導ビームを乱射しながら駆け寄ってくる由香。何がなんだかわからないうちに、引き寄せられ、勃起してしまう隼人。誘導ビームを浴びると強制的に作動してしまうのだ。

「いいわね、隼人君。わたしたちが合体すれば、きっとあの粘土おばけも巨大化するわ・・そこが狙い目よ」

「あ、わかったぞ。でも万が一・・」

「大丈夫。由香の力を信じて・・・」

2人は合体した。崩れ落ちる洋館。

「うわーーっ!助けて〜一瞬悲鳴を上げてよろめくジーンだったが・・そしてネンドボーグも巨大化。

ネンドボーグは、バルディスターの巨体に絡みつき、ぐいぐい締め付ける。全く身動きが取れないバルディスター。だが何故か落ち着き払っている・・・。

対クラゲ戦のときのように、その無限のエネルギーで敵をパンクさせるつもりなのか?すくなくとも隼人はそのつもりだつた。だが、由香の作戦は違っていたのだ。

ネンドボーグは、ジーンこと仁子の脳波と連動している。一方、バルディスターは隼人と由香が合体し、隼人の体格と戦闘力を10倍にし、さらに由香の持つ無限の生命力がそれをサポートする。だが、今日のバルディスターは自らは全く攻撃しなかった。

 バルディスターは、巨大化した隼人であると同時に、性交中の隼人と由香でもあるのだ。由香は、全エネルギーをその方向に集中し、体にロックをかけてエネルギーの供給をストップした。当然隼人は金縛り、驚く。だが、それこそ由香の頭脳的作戦であったのだ。隼人の考えどおり、2人のすさまじいエネルギーを逆に吸収したネンドボーグは、パンクを起し、はがれて行った。だが、その続きがジーンを襲った。

 隼人と由香のすさまじい結合の念がネンドボーグに伝わり、それを操っていたジーンの脳波にも伝わった。念力を伝導する素材であるネンドボーグのこの特性が仇となった。

ネンドボーグは、縮みはしたが、巨大な男根に姿を変え、ジーンを襲ったのだ。

 ジーンが、隼人と由香の結合をネンドボーグを通じて感じ取り、それを欲求したからたまらない。ネンドボーグはぐいぐいとジーンの秘部を広げ、侵入して行った。

「ギゃー・・・死んじゃう・・でも気持イイ・・・」

 

「さあ、私たちも引き上げよ」

2人は分離して、無事離脱した。

 

 その頃、珠美はすっかり香織にほれ込んでしまった。

「香織お姉さま・・・」

「タマちゃん・・」2人はそういう気があったのか、以後そういう関係になってしまったのだ。

 

一方・・・ジーンこと仁子は、瓦礫の中で33晩悶え続け、悶絶死直前に三浦博士とマリコによって救い出され、一命をとりとめた。マリコが、超強力バストビームでネンドボーグを焼き尽くしたのだった。

仁子は転校した扱いになったが、彼女の挑戦はまだまだ続く・・・。