せっかくの海辺の別荘・・・。でも、グロテスターとおにいちゃんのせいでも〜最悪!
せめて、夕方だけでも、隼人クンとロマンチックな夕日を・・・なーんて思ってたら!またしてもお兄ちゃんのバカ!

 ブォォォーーーン!別荘に、爆音が迫り、ピタリと止まった。そしてもう一台・・・。まどから覗くとフェラーリとコルベットが・・・。さらに、少し遅れてベントレーも・・。ガレージには、フェラーリ、ベントレー、キャデラック、コルベットが並んだ。
 乱暴にドアをこじ開ける音。「おい細川!」「隆ちゃん!」
いきなり上がりこんでくる3人の若者・・。由香の兄・細川隆之の悪友たち・・。東京都知事・岩原裕太郎の長男・良晃(遊び人風)、阿部貫太郎外相の長男・貫三(美形)、そして田辺美津雄副総理の息子・清美(美形ではない)。
 みな日本を牛耳る首領たちの息子たちだ。大学生の分際で高級外車を乗り回し、この海辺の別荘で麻雀大会を企んでいる・・。せっかくの海なんだから、せめてバーベキューとか、サーフィンとか、あるだろうに・・。
 卑猥な言葉や怒号の中、盛り上がる4人・・・。

 「隼人クン、つまんないよぉ・・・。あっ!そうだわ!あのおばけ屋敷に探検に行きましょうよ♪・決定!」
「こんな夜にあぶないよ・・・」「いいの!もう決めたの♪それに夜だからスリルがあるのよ・・。隼人クンが一緒ならぜーんぜん怖くないわ。そあ、早く早く!」
 「・・・。」一度決めたら、なんでも即決して強引に実行に移すのは、祖父の細川総統や、兄の隆之にそっくりな由香であった・・・。
行き先のお化け屋敷は、持ち主が没落して細川家が最近買い取った隣の別荘・・。丘の反対側にある。
 懐中電灯を握り締めた由香は、隼人の手を引いて裏口の外階段から、暗い夜道へ飛び出していった。
 満点の夜空には夏の星座がきらめく・・・・。「隼人クン、白鳥座よ」「あ!流れ星!」いつもどおりおおはしゃぎの由香。あっというまに洋館の前に。
 「隼人君・・」隼人の後ろに急に隠れる由香」「あ、開けて!」しかしドアは開かない。
「やめようよ・・・」「ダメ!そうだわ!隼人クン蹴破って!さあ早く早く!」
 ガシャ!遂にドアは蹴破られた。電燈に点火し、進む二人・・。
一面くもの巣だらけで、ところどころ床が抜けているところも・・・。キギー「キャー!」飾ってあった鎧が突如倒れ掛かってくる。でも探検隊長・由香は騎士(ナイト)を連れておおはしゃぎ。なんともないドアの軋みや蜘蛛の巣にも悲鳴をあげつつ、2階、3階と「探検」し、ひととおり見て帰ろうとしたとき・・・。
 「シー!なにか音がするわ」
「行ってみよう!」どこかで、シャワーの音がする。その方向に行ってみると、シャワールームがあったが、人影はない。一体誰が・・・?不思議に思いつつもシャワールームを出ると、なにか壁にある棚が目に付いた。
「もしかして?」恐る恐るずらしてみると、何と、地下室への階段が!おそるおそる下りてみると、突如背後から先ほどの鎧が襲い掛かってきた!ここは・・・?まさか、グロテスターの・・・。
 まさしくそうであった。
  「怖いわ」しがみつく由香。
「大丈夫だよ。」それにしてもここはご隠居が買い取ったはず。まさかご隠居が1人で・・・・
「お爺様ならもっと沢山のつれをつれてきてるはずよ。」
 「いずれにしても調べることがありそうだね」「うん♪」
2人は手をとり、さらに階段を下っていった。
 ギ゛ーーーーがタン。古いドアが開いた。
 真っ暗闇の部屋には騎士の鎧が立てかけられていた。その鎧がいっせいに2人を襲う!
「キャー」
 鎧の槍の穂先は真剣だ。それだけでない。「あぶない!」ビーム剣だ。
 「由香ちゃん!変身だ!「オーケー」「バルディ・チャージ!」二人の体は光に包まれ、戦闘用のサイボーグに改造された姿となった。なんなく騎士を倒した2人は、部屋の明かりをともす。
 「ふ、なんだ・・・。アンドロイドか・・。」
 「隼人君!下の階が怪しいわ。でもこの階で無駄な戦いを強いられてしまってエネルギーが不足しているはず。クロスチャージよ」「オーケー!少し速いがやっておこう」2人は重なってエネルギーチャージをした。
 しかし、「フフフ、やはりそこでクロスしたか。そのエネルギーはこちらで戴く。」
エネルギーチャージの際、バルディバンは合体装置本体と触っている部分からしかエネルギーは吸収できないが、、実際にはもっとすごいエネルギーが放出され、それらは皆空気中に放出されて無駄になってしまうのだ。(合体・巨大化のときはそれらも無駄にならない)
 バルディバン・バルディーナになった2人はとっさに身構えた。
「フフフ、待ってたわ」
「貴女はブラッディマリー!」「姉さん!」
 鎧が割れると、中からさらに妖艶な黒い鎧を纏った美女・ブラッデイ=マリーが現れ、黒髪を振り乱し、短剣を振りかざして襲い掛かってきたのである。剣と剣の閃光!2対1にもかかわらず、マリーのパワーは強力で、2人はおされ気味だった。というより、弱いバルディーナを庇いながらなのと、マリーの正体が実の姉・真理だと知っているため思い切り戦えないのだ。
 「うわーーーっ」ついに2人は、落とし穴に追い詰められてしまった。
「フフ。そこからは出られはしないわ。」マリーは行ってしまった。
 「隼人君・・ここはどこ?キャー!こうもり!」「心配ないよ。単なる廃墟の地下室だよ。」しかし、2人にこうもり、毒蛇などの魑魅魍魎が襲い掛かる。全身を金属で覆われているため致命傷こそないが、そのしつこい攻撃に2人はエネルギーを消費させられていった。「くそっ動かないほうがいい」「うん」
 2人は再び抱き合い、体力を温存することにした。

 その頃、この洋館に肝試しに来ていたのは隼人と由香だけではなかった。
「おい貫ちゃん、良坊、キヨ!今日はあの洋館のバルコニーで月見と行こうぜ!」
 隆之たちぼっちゃん軍団もまた、この洋館に足を踏み入れていたのだ。
 しかし!「うわー」4人は落とし穴にはまってしまった。そこで彼らが見たものは!
 「おいター坊!みろよ、女だぜ」「何々?」「みっともないぜみんな」「フン、そうやっていつも貫ちゃんはいいこぶってさ!」
 そこには、3人の全裸の女性が手術台と思しき機械の上に寝せられていた。白衣の老人が、なにやら計器を見ている。
 「女ぁーーっ」下品な事ではメンバー1の清美が、突進して行った!「やめろ清美!」しかし3人も飛び出してしまった。黒ずくめの兵士に取り囲まれてしまった4人。
 老人は語った「見られてしまっては仕方ない。諸君には死んでもらおう」
 「待ってお父様」おお、お前は真理子!
 真っ黒なワンピースに、足まで届くロングヘアの美女が現れ、4人の顔をこじくりまわした。
「お父様!この子たちの父親ってだれか判る?このふとっちょは細川総統の孫!こっちのアホ面は都知事の息子!このむっつり助平は外相の長男!そしてこのタコは副首相のせがれよ。判る?こいつらをエサに、政府からわたくしたちの研究資金を巻き上げるのよ」
 「おお真理子よ、わが娘ながらなんというすばらしさだ。さっそくこの4人をひんむいてつるせ!いや、その前に彼女らの実験台にしてやろう!」
 老人はスイッチをたおした。すると全裸の美女たちは目を不気味な金属色に光らせて起き上がってきた。
 「おいぼっちゃんどもよ。彼女らを自由に犯してもいいぞ!ただし諸君らの命が続けばだが、な」
 美女たちは、隆之たちに襲い掛かってきた。だが、隆之だけはそれに目もくれなかった。そう、ターゲットは真理子だったからだ。「我輩は茶髪金髪ショートは認めない!黒髪ロングだけが女だー」
 その突進に、思わず身をそらしてしまった真理子!隆之の巨体は、壁を突き破った。
するとどうだ!そこにいたのはバルディバン&バルディーナだ!
「あれ、お兄ちゃん!それにお友達も」
 「隆之さんたちがあぶない!」
 真理子が、赤いマントを翻すと、ブラッディマリーに変身した。
 「勝負!」再びバルディバンと剣を交えるマリー。
老人「こうなれば作戦変更だ!」司令スイッチを操作すると、三人の美女は、それぞれ、人魚、クラゲ女、タコ女に変身して、隆之たちを襲った。
「カカカ!手も足も出まい!」
 「うーん、こまったぞ」そうしているうちに、バルディーナがマリーに捕まってしまった。
 バルディーナの、丸くふくらんだ胸やお尻を撫で回し、その股に短剣をつきたてようとするマリー!
「やめろ姉さん!」「あたしに弟はいないよ」
 絶体絶命のピンチだ!
しかし、奇跡が起きた。クラゲ女の触手が一瞬緩んだ。清美がなんと、クラゲ相手に一発ぶちかましたからだ。触手にとらわれていた隆之が脱出に成功し、逆にマリーの背後から胸に手を回し、胸の装甲を剥ぎ取ってしまったからだ。
「何をするのタコ!」
 しかしその一瞬をバルディバンは見逃さなかった。人魚とタコを一刀両断にすると、バルディーナは良輝と貫三を助け出した。一方、清美は自力でクラゲを倒した。元の女の姿に戻ったクラゲは、しなびれて老婆のようになり、やがて乾燥して消えてしまった。
 「お父様、脱出よ!」
 マリーと三浦博士は脱出した。崩れ落ちる洋館!
 バルディバンとバルディーナは4人を助け出した。
しかし、洋館は完全には崩壊せず、半分残った。
 気がついた4人は、さきほどの騒ぎを記憶喪失したのか、平然としている。
「月見だ月見だ!」いつのまにか服やつまみも用意されているが・・・。
 「お兄ちゃん!由香たちに内緒なんてずるいわ」
「おお、由香たちか、まあここに座れ!」
 6人は、海を見ながら夜明けまで多いに語り明かしたのであった。
(着替えやつまみは、バルディーナの機能の一つで手に入れたものである)