第73話 由香のライバル出現!ぶっとびプリンセス登場!
グレートロイヤル星系第14惑星・リバーストン。15番惑星のホワイストンとは、丁度冥王星と海王星のようにクロス軌道を描き、そのため周辺に宇宙気流が流れるロイヤル星系随一の難所である。
ここを治めるのは、名門・リバーストン公爵家。現公爵は国王キングジョーズ6世の弟で、母方の公爵家を継いでいる。かつ、公爵夫人はエイザベス王妃の妹で、リバーバッテン伯爵の妹でもある。このように、数あるグロテスター貴族の中でも、最も格式高く由緒正しい名門中の名門、それがリバーストン公爵家なのである。しかし、地球人である隼人と由香はそのことを知る由もない。
ただ、どんな要害が控えているか、またへたに接岸して接収されたりしないか、そのため、「比叡」は上空で待機し、サイボーグである隼人と由香が、単独で強行降下して偵察することになった。
しかし、準備が遅れている・・・・。
「ねえ隼人君、どのドレスがいいかしら?」降下成功後、現地人に成りすますため、変身を解除するのだが、変身直前に着ていた服装になるため由香は服を選んでいた。
グロテスター人は西洋の上流階級とほぼ等しい服装であることは、今までの闘いや情報から掴んでいたのだ。
ようやく準備の終わった由香。二人は変身すると、手と手をとって漆黒の宇宙に身を躍らせた。さすがの二人も、そのままでは大気圏突入は難しい。しっかり抱き合い、エネルギーを一つにして摩擦に耐え、まさに一筋の流れ星になってリバーストン星に降り立つ二人。
大空を舞うバルディバンとバルディーナ。二人はやがて、森にたたずむ美しい城を見た。
「隼人君見て♪素敵なお城よ」
「由香ちゃん、あれはこれから倒さなくてはならない敵の基地かもしれないぞ」
「わかってるわ・・・」由香はロマンチックな心に水を刺され、少し不機嫌。
城に降下しようとした二人は、近づくにつれ、異変を察知した。
グロテスター兵士たちが城を囲んでいる。
何故だ?城はこの星の基地ではなかったのか?
「行ってみよう」「OK」
二人は、強行着地した。そこで見た光景は・・・・。
「無礼者!」
姫君と執事が、兵士に抵抗している。城の接収のようだ。
「摂政宮殿下の命令にて、この城はグレートロイヤル星陸軍の直轄となりました。
このことは本星におられるご両親、公爵ご夫妻もご同意です。姫におかれましても速やかに城を明け渡して御両親の待つ本星のお屋敷にお移りください」
「いやじゃ、いやじゃ〜!あなたたちなんて大っ嫌い!あっちに行って!死んじゃえ!」
姫は必死に抵抗する。
「こうなったら仕方ない。荒っぽいがやむを得まい」
隊長がつぶやくと、副隊長が叫んだ。
「やれ!」なんと怪人が現れ、姫を拉致しようとしている!危ない!
そのときである。柱の陰で様子を見ていた隼人が飛び出し、怪人を一刀両断にした!
「お怪我はありませんか?」
仮面を外して姫の手をとった隼人。
「素敵♪」その姿に、姫は一目ぼれ。
「じい、わらわ、この人のことお婿さんにするって決めちゃった♪」
強引に手をとり城に引き入れようとする姫。
「姫様、お待ちください・・・」執事は困り果てる。
「お黙り!わたしを誰だと思っているの?」
「わかればいいのよ。わたしはね、この宇宙で一番可愛いくてチャーミングな、公爵令嬢チャーミー=リバーストン様よ!この世で一番美しいのはわたし。この世の美しいモノはぜーんぶわたしのもの♪だからこの素敵なナイトも当然、わたしのものなのよ。ね、騎士さま♪」
隼人に擦り寄るチャーミー・・・。
由香の怒りがそのとき爆発した。
「隼人君!」
「あら、貴女はだれ?」
姫は由香を見て驚く。由香は変身を解いて生身の姿になっていた。
「私は、その人のフィアンセよ!」
「お黙り!この方は今から私のフィアンセよ!私のこと誰だと思っているの?」
「私ロイヤル星人じゃないもん!」
「じゃあなんなの?怪人にしちゃ人間っぽいじゃないのよ」
「私は地球人。細川由香よ。彼は加藤隼人。」
「地球人ですって?あの野蛮な侵略者の?ねえ、隼人様、貴方もそうなの?」
「はい、その子のいうとおりです。だけど僕たちは野蛮人じゃありません」
「そうよね、野蛮人がこんなにかっこいいはずないし、わたしを助けてくれるわけないものね♪ねぇ、由香とやらも仕方ないからお城に入れてあげる。じい、おもてなしの用意よ♪」
「かしこまりました姫様」
その間、ほっぺたを思い切り抓られる隼人。変身を解いたその姿は、学ランだった。彼は極度に私服が少なかった。その足も踏みつけられる。
由香は、隼人に対する独占欲だけは異常に強かった。
こうして隼人と由香はひょんなことからリバーストン城に入城してしまった。
姫の名前はチャーミー=リカ=ルートリッヂ=リバーストン。父はリバーストン公爵アーク=ミッキー=ダンディ=リバーストン。ジョーズ6世王の弟で、摂政宮ムーリンの兄。
母はエイザベス皇太后で、先代公爵の一人娘であった。そのため次男の彼は母方の公爵家を継いだのだ。ちなみに弟のムーリンは、弟と言っても甥であるエドワルド太子とは2歳しか変わらない。
母はユリア。リバーストン家とは古い親類であるリバーバッテン家の出身。長姉は皇后エイザベス。兄は太陽系方面艦隊司令長官ルイス=ニコニコ=ビックリマン=リバーバッテン伯爵。つまり、チャーミーは、エドワルド黒太子から見ると、父方でも母方でも従妹にあたり、川×卿は母方の伯父、悪評高い摂政宮ムーリンは父方の叔父にあたる。
王侯貴族の頂点に立つといっても過言ではないまさに深窓の令嬢・・・のはずなのだが、あまりにもおてんばで傲慢でわがままな性格のため、親元から離され領地の城で執事に育てられていたのだった。
不自由というものをしたことがなく、また自らを宇宙で一番の美少女と信じきっている。
チャーミーと由香は、激しい火花を散らす。容姿が似ているわけではないが、二人は境遇や性格が酷似しており、磁石の同じ極のようになるのは当然であった。
程なく、比叡には入港許可が。博士や香織たちも城に招かれて楽しい歓迎会が・・・。
だが、その頃、怪人を倒されて退却した接収部隊長は、これを謀反と判断し、摂政宮ムーリンの許可を得てより大規模なリバーストン城接収作戦を繰り出そうとしていた。しかしチャーミーはロイヤル星人で自分に逆らう者は絶対に居ないと信じきっており、その陰謀を全く知らないのであった。彼女は傲慢でわがままな分、他人を疑うことも知らなかった。
まさに彼女は「宇宙版・由香」と言ってもよく、ピンクが好きでよく似合うことなどもキャラクターが被っていた。
由香は、着てきたワンピースが被らない白でよかった、と思ったのである。
「みてらっしゃい・・。お姫様か何か知らないけど、隼人君は絶対渡さないわ。・・ふふ、私たちは改造されて二人で一つなのよ。誰にも邪魔はさせないわ」と由香は内心思い、
「何よ、あの子・・・。ちょっと地味だけどわたしに匹敵する可愛いさだわ。それに隼人様のフィアンセですって?でも負けないわ。だってわたしは宇宙で一番可愛いんですもの」とチャーミーは思う。
由香に、強力なライバル出現!
だが、執事のムッシュマン氏は、
「やれやれ・・・昨日まではエドワルド太子の后になる、とおっしゃってお暴れになっていましたものを・・・」と呆れ顔。
波乱の予感が!そして迫るムーリン王子の魔の手!その陰に見え隠れするワルモナイトの陰謀!
続く