第69話 風雲・カージ・モトール廟の攻防

 香織の「女の武器」で落とされたカナシバル総督は、比叡の抑留を解除するとともに、ゴリーをグロテスター本星に対する反逆者として捕縛すべく、サルコジ隊長らを差し向けた。同じ頃、由香はその秘められた相反する二つの力、「サイボーグ戦士としてのメカニックなパワー」と「生身の女性としての母性」を駆使してモン吉とともに脱獄に成功した。


カージ・モトール廟

初代国王・カージ・モトール

そしてここは、レモネード星の聖地カージ・モトール廟。ここは初代王カージ・モトールを祀る聖地で、生贄の儀式などはここで行われるのだ。ゴリーとラエは、ここでトンキーとターニャを生贄にしようとしていて、すでにトンキーは・・。だが間一髪、猿紹率いる一揆軍がゴリー親衛隊と決戦を挑み、ターニャはまだ生きている。

 サルコジ隊長の来援で、苦戦していた隼人、ライガーたち一揆軍は、形勢逆転・・・。

 追い詰められるゴリー一派は、どさくさにまぎれてターニャを処刑しようとした。

そのとき、間一髪由香の空からの救援が間に合った。

「今助けるわ!」由香は上空より、胸からビームを照射して縄を断ち切る。

だが、由香の降下より早く処刑人の槍が・・・。しかしそのとき、奇跡が起きた。

起き上がったターニャの体が一瞬黄色く光ったかとおもうと、由香同様白い翼が生え、大空高く舞い上がったのである。

「ターニャちゃんも、ママやいずみちゃんと同じく、白鳥座の血を引いていたんだわ…」

由香はつぶやいた。

 猿人たちには飛行機もヘリコプターもない。射程の長い銃もない。あっけにとられる猿人たち。

 「モン吉くん!」「ターニャちゃん!」

 「モン吉くんは私があずかるわ。さあ貴女は戦って!」

「わかったわ!隼人君、私はここよ。さあ貴方も変身よ!」

「おう!」

隼人もバルディバンに変身した。瞬く間に20人一度に打ち殺すバルディバン。強さは無敵だ。さらに、おっとり刀で七海提督と香織も駆けつける。

それを見た猿紹は叫んだ。

「モンタギュー王子!」なんと、モン吉は行方不明だったモンタギュー王子だったのだ。

王子の健在を知った一揆軍は、サルコジ隊長の援軍、隼人とライガーの無敵の強さもあり、ゴリーとラエを追い詰めた。

 ところが・・・。

「うわーーーーっ頭が割れる・・・!」突如サルコジ隊長たちが苦しむ。隊長らのつけている親衛隊の冠が彼らを痛めつけるのだ。

「おほほ。裏切りは許さないわよ」ラエだ。ラエが魔術で冠を締め付けたのだ。

 サルコジ隊長ら海兵隊と親衛隊は全員、発狂しラエの命令にのみ従い破壊と暴力をする生態兵器に変わってしまった。形勢は再逆転だ。

 一揆軍は隼人とライガー以外は雑魚ばかり。次々殺されていく一揆軍。

しかし隼人も敵をどんどん倒す。だが・・・「隼人君、ころしちゃだめ!」

「しかし・・・」

そうこうしているうちに、一揆軍の首領、猿紹にも危機が・・・。


猿紹

そのとき、サルトル博士が閃いた。

「猿紹様・・・。こうなったらエンジー様に頼るほかありません。私のもつ預言書によると、髑髏の鬼女と悪の女帝栄えるとき国傾き、世は闇になりしも、4人の女神と黄金の獅子、鋼の武人現れ正しき御子を守り偉大な預言者現る」とあります。女神と思われる者はまだ三人しか現れていませんが、鋼の武人とライオン人間、それに翼を持つ3人の女神はすでに・・・。そして今モンタギュー王子が」

「だがどうやって・・・。それに、エンジー様の住むエンドの山奥は遠すぎ、さらに純血の王族でなければ神殿に入れないぞ・・・」

「わたしがモン吉君を連れて行きます。わたし、飛べるから」

「ターニャ・・・」

「僕もターニャちゃんと一緒に行く!」

「わたしが護衛するわ」

「頼みましたよ若、ターニャ。そして鋼の女神殿・・・」

「あたしが女神だって?あたしは香織。女神はあの子よ」

香織はてれながら由香を指すと、ターニャとともに飛び立っていった。

 大賢者大司教エンジーとは一体・・・?

しかし、凶暴化しバーサーカー化した猿人たちの猛攻に、同じ猿人とはいえ正規の軍事教練など受けたこともなく、武器も農具である一揆軍は全滅寸前。

「殺すのよ、殺すのよ・・」ゴリーは胸を叩いて興奮。

隼人と由香、それにライガーもラエの水晶玉の魔力で攻撃が跳ね返され苦戦していた。

 そのときである・・・。

「私は、由香ちゃんの母体で綺麗な体に生まれ変わった・・・。でも、この大事な戦いで何も出来ない弱い普通の女になってしまったわ・・・。悔しい・・・。いいえ、わたしにも出来ることがあるはずよ・・・」

 こっそりと戦場に駆けつけていた麻理子、本名真理。

「そうだわ。わたしにはあれがあった!」麻理子はチャイナドレスのスリットを破って拡大した。そして・・・

 大胆にもラエに近づく。

「姉さん、危ない・・・!」隼人が絶叫する。

だが、絶叫したのはラエのほうだった。

 なんと、麻理子はラエから水晶玉を奪い取ってしまったのだ。

「隼人、この玉を投げるから、突き刺して壊しなさい!」

麻理子は、水晶玉を空高く放り投げた。

「そうか!よし、由香ちゃん、バリヤーであのあたりにネットを作るんだ!」

「OK」

スパッ!バリヤーネットでショートした水晶玉を隼人が一刀両断・・・。

 「やったーーーっ!」

ラエは魔力を失い、操られていた兵士たちも力尽きて倒れたり、しなびれてしまった。

「由香ちゃん、香織さんから聞いたんだけど、姉さんは中学の頃バスケのスタープレイヤーで、3ポイントシューターだったんだ。だから球体を奪い取って遠くに投げるのはお手の物だったのさ」

「やったわお姉さま♪」

「ゴリー、ラエ!観念しろ!」

ゴリーを追い詰める隼人と由香。だが・・・。

「キャーー!」なんと麻理子の悲鳴が・・・。

「姉さん!」

なんと、砕け散ったはずの水晶が復活して光を放ち、それに貫かれたラエは燃え尽きた。だがそれはラエの最期ではなかった。

 髑髏女にその姿を変え、骨を飛ばして麻里子を弄ぶのだ。絶体絶命。

さらに、ゴリーも負けては居ない。

「ヤーベン!ヤーベンはいないの?こいつらをやっつけなさいよ!わかってるの?」

「ハッ!王妃様!」

 「あ、あれは・・・」

驚くのも無理はない。隼人と由香がかつて動物園で戦った、サイボーグ巨大ゴリラと、それを操る猿人士官が現れたからである。(3話参照)だが、以前戦ったのとは明らかに別の固体である。

不意をつかれた隼人と由香はゴリラボーグに捕まる・・・。

麻里子もドクロラエによって弄ばれる。ライガーも猿紹を守るので精一杯だ・・・。七海提督も怪人には・・・。

 「エンジー様・・。お助けを・・・」猿紹、サルトル、エンチョらは祈る・・・。

その祈りは通じるのか・・・。

 

続く。