第58話 決戦!冥王星の攻防2
トドイツを追い払い、段田や青山隊長を追って基地に飛び込む隼人と由香。
しかし占領・破壊しなくてはならないポイントはあまりにも多い。
まず、絶対に破壊しなくてはならないのは惑星間弾道弾サイロだ。地球や月や火星にミサイルを打ち込まれ被害が出ているが、いくらグロテスターとはいえ、太陽系外からの射程のミサイルはないはず。絶対に叩き潰さなくてはならない。
そして、怪人・ロボット製造プラントも爆破しなくてはならない。悪の権化、怪人をこれ以上増やしてはならないのだ。怪人の中には、攫われて改造された者もいる。そういう悲劇を繰返してはならない。一方で、グロテスターの支配している500以上の星の兇悪犯罪者を刑と引き換え、若しくは自ら志願して改造した、根っからの悪党にメカの力が加わった邪悪な怪人。こいつらは絶対に生かしておいてはならないのだ。
怪獣や獣人は、操られたり抑圧されて従っているに過ぎない。真に倒さなくてはならないのは怪人とそのボスのワルモナイトなのだ。
そのワルモナイトの消息がつかめないのも却って恐ろしい。
問題は宇宙港だ。破壊すればグロテスター基地の機能は停止するが、地球人類の外宇宙への足がかりも失うことになる。
しかし、ダーク城を落として敵首脳を追い出すか殺すか捕えれば、おのずから結果が出ると判断した青山隊長は、諸施設を無視して本城を目指した。
雪原に敵味方のどす黒い血が飛び散る。そして基地の中でも、激しい銃撃戦が繰り広げられる。
胸板をレーザーで打ち抜かれるグロテスター兵士。ヘルメットのバイザーにバズーカの直撃を受けて即死する地球側兵士・・・。
どちらも選びぬかれた宇宙の戦士だ。だが、その中でずば抜けて強い一人の男がいた。段田大輔だ。敵を殴り倒し、蹴倒しまっしぐらに突き進む・・。彼には銃も武器も要らなかった。鍛えぬかれたその肉体そのものが兵器であった。彼が切り開いた突破口から、次々なだれ込む陸戦隊・・・。
「キャァ・・・」両軍の無惨な死体を見て悲鳴を上げる由香。
「由香ちゃん・・・これが戦争なんだ。そして君もまた戦士なんだ。殺すか殺されるか・・・。君も勇気を振絞り、心を鬼にして敵を倒すんだ!」
「でも隼人君・・」
「わかっているよ。ぼくはそんな由香ちゃんが好きだ。行こうか!」
「うん。」
「僕から離れないで」
2人は基地の奥まで突き進む。
途中にはトラップや伏兵が。それを倒し、取り除きながら進む二人。
2人は生身の人間ではない。惑星探索用の装置を満載した改造人間だ。
「隼人君、この壁の向こうに反応があるわ」
「よし、由香ちゃんちょっとどいて」
隼人は壁をぶち抜いた。すると、エスカレーターを発見したのだ。
「よし、ここから侵入しよう」
「OK♪」
エスカレーターを上りきった広間で2人を待っていたのは・・・。
「ふふ♪やっぱり隠しエスカレーターを見破ったのね。バカ兵士には見つけられなかったみたいだけれども。
ここが2人のお墓よ。覚悟しなさい♪」
「姉さん!」「マリコさん・・・」
「姉さん、目を覚ませ!あなたは僕の姉さんで地球人なんだ!」
「問答無用!」
火花を散らす3人。だが2人はマリコと本気では闘えない。1対2とはいえ不利だ。
追い詰められる二人。すると、
「バルディバン!貴様の相手はこのワシじゃ!女相手では戦いにくいであろう。覚悟いたせ!」
「望むところよ!」正直この騎士の登場は隼人にとっては渡りに船。女性相手の戦いは苦手の上、実の姉である。
「むむ、なかなかの使い手・・・。騎士殿、差し支えなければ名を!」
「フフフ・・・。ハハハ・・・。そうか、名前か。ワシはレジェンドナイト、とでも名乗って置こう」
「レジェンドナイト!改めて勝負だ。僕はバルディバン・・・地球のサイボーグ戦士だ」
濃緑色の甲冑に身を固めたレジェンドナイトは、今まで戦ったブルーナイト、シルバーナイト、ゴールドナイトのいずれもより強かった。巨漢ながらも素晴らしい運動能力で、手にした斧で豪快に戦うのだ。もしこの斧が直撃したら、バルディバンとはいえ腕や脚が切断されてしまうだろう。既に、肩に切り込まれた痕を付けられた隼人。一方レジェンドナイトの鎧は硬く、剣を受け付けない。
相手が怪人や獣人なら、由香の力を借りて牽制するところだが、相手が騎士の場合、礼を尽くして一対一で正々堂々戦わなくては、こちらが悪になってしまう。
2人は手持の武器を捨て、格闘に移った。上になり下になり力の限り戦う2人。しかし、隼人は一瞬、由香の悲鳴に油断してしまった。
「その首もらった!」
「キャーぁ!」
隼人がレジェンドナイトと死闘を繰り広げている間、由香とマリコは女の戦いをしていたのだ。
唸る真理子の鞭。由香も、戦いたくない、といいつつ蹴りで応戦・・・。
隼人がレジェンドナイトに組み敷かれたのと同様、激しい戦いの末、由香は押し倒され、マリコにその体を弄ばれていたのだ。2人とも仮面がはずれ、長い黒髪を振り乱している。
「由香ちゃん、可愛いわ・・・。わたしのオモチャにしてあげる・・・」
「マリさん・・・」
実は、由香は隼人と知り合う前からマリコ(本名マリ)と知り合っている。隼人は月の生まれだが、姉の麻理は時々両親とともに地球に戻り、学校に通ったり買い物したりしていたのだ。加藤博士と細川博士は親友なので、当然姪の由香とも遊んであげたことがあるのだ。
隼人は両親の死により初めて地球に来て細川博士に引き取られたため、由香と出会ったのもそのときであった。
マリコは実は既に記憶は全て甦っている。従って幼い頃の由香のことも覚えているのだ。
今、完全に体の自由を奪われた由香は、その秘部をマリコに嘗め回されていた。
由香の秘部は、犯されないように何重ものセキュリテイ回路が施されている。だがそれは、隼人以外の精子の侵入をブロックするように造られているため、相手が女や純然たる無機質の場合は、なす術もないのだ。
「ま、マリコさん。。ゆるして・・・」
「許してあげないわ。わたしの隼人を返しなさい」
「だめ・・・。たとえお姉さんのマリさんでも、隼人君は由香だけのものよ。絶対渡さない。隼人君と一緒なのがわたしの生きる意味よ・・・」
「なら余計許せないわね。一緒にいられないようにしてあげるわ。あの世に行きなさい」
マリコは、由香の股間に短刀を指し込み、切り開こうとした。響く絶叫。
超合金で出来たその肉体はそう簡単には切り裂けないが、その部分は敏感に作られているのだ。
そして隼人も絶体絶命・・・。
しかし、ヒーローはこんなとき必ず助かるのだ。
突如、レジェンドナイトとマリコを撃つ稲光。一瞬たじろぐレジェンドナイトとマリコ。
態勢を立て直した隼人は剣を拾うとレジェンドナイトに切りつけた。
「あ、貴方は!」
なんと、レジェントナイトの正体は、バルボン将軍だったのだ。
「ハハハ、やっとわかったか。ワシじゃ。」
「隼人君に由香ちゃん、しっかりしなさい!」
「香織さん!」
「ここは私に任せて、上の階に急いで!」
「了解」
「マリコ、あんたの相手はわたしよ!」
「香織、今日こそ決着をつけるわ!」
ライバル同士の女の炎が燃え上がる。
その間に由香を抱き起こす隼人。
「しっかりするんだ由香ちゃん」
「は、隼人君・・・」
「女をかまうのにはまだ早いぞ。ワシとの勝負をどうするつもりじゃ?」
「よし、相手に不足はない。行くぞ将軍!」
だが、そこに緊急連絡が入った。
「バルボン将軍、本城に敵兵団が侵入しました。太子が危険です。直ちにお戻りください」
「なに、若が・・・」
バルボン将軍は伝送装置で消えていった。
「待て!」
「落ち着いて隼人君、近くに転送装置があるわ。それを見つけてわたしたちも」
「よし、とりあえずここは香織さんに任せて僕たちは上に進もう」
「さあ、そう決ったらぐずぐずしないで」
「お黙り!あんたの相手はわたしよ」
「もち、分かってるわ」
激しく、美しく戦う真理子と香織。
そしてバルボン将軍を追って本城を目指す隼人と由香。
その頃、七海提督とリバーバッテン卿もそれぞれ冥王星の大気圏内に降下していた。
だが・・・。その様子を見ていた不気味な視線があったことを、隼人も、由香も、バルボン将軍も、香織も、真理子も、七海も、リバーバッテンも、そしてエドワルド太子も知らない。
そして、今その者も冥王星の極地に降り立った。その者の狙いは一体なんなのか。隼人と由香の命を狙うのは分かっているが、それだけで済みそうにない予感が・・・・。
続く