53話 あたしがあいつであいつがあたし?
隼人と由香、それに細川博士と香織が七海提督らとともに、敵本拠地に殴りこむため宇宙に旅立って2ヶ月・・・。赤橋高校ではもうすぐ卒業式である。
しかし珠美と永田は、なんとか追試と補習で卒業できたものの、浪人決定・・・・。
仁子と遠藤は東大へ、山田と秋山は2流私大へと進学することになった。
その頃、日本の主婦層はある1人の男に夢中になっていた。その男は、高麗の王子で日本でタレントとして活躍する李三傑(イ・サンチェ)、通称サンさまである。
一方、赤橋高校の落ちこぼれ国語教師・大月雄三は、似ても似つかないのに「サン様と瓜二つ」と自称していた。
彼は今日も横須賀線や京急でチカンをやりまくっていたが、この道30年のベテランらしく、一度たりとも掴ったことは無い。
「イヒヒ・・・今日も敵空母2隻撃沈・・・。お、いい女だ・・・サラトガ級空母発見、魚雷戦用意・・・」
彼は、自らを潜水艦になぞらえ、女性を容姿や体格によって空母、豪華客船、客船、巡洋艦、貨物船、ドロ船、機雷に分類し、男の連れがいる場合駆逐艦と呼び警戒していた。
大人しそうな容姿で大柄なら豪華客船、小柄なら客船、気の強そうで大柄なら空母、普通なら重巡洋艦、小柄なら軽巡洋艦、容姿がやや劣る場合は貨物船、著しく劣る場合はドロ船、老婆や激ブスは機雷と呼んでいた。「レキシントン」「サラトガ」とは亜米利加の誇る巨大空母の名で、最上級を意味していた。
「魚雷戦用意。一番、2番発射管よし・・・テーーーーっ!」心の中で叫びながら手を股間に入れる。
「おお、轟沈だ」まともに握りつぶせれば轟沈、筋をなぞれれば撃破、少し触れば命中である。一方、胸や上半身へのタッチは「浮上砲撃成功」と呼んでいた。
しかし、女はほくそえんでいた。知っていたのである。そして大月先生の身に異変が起きていることに本人は気づかない。
それからしばらくして、新聞に見出しが「サン様痴漢で逮捕」
なんと、サン様が痴漢で逮捕されたというのだ。
一方大月先生は無断欠勤・・・。
そして事件は次々起きる・・・。
どう考えても、人と人が入れ替わったとしか思えない事件が続発したのだ。
バルディレンジャー総帥の細川隆之は、事件の解明のためメンバーを招集し、大月先生の自宅に乗り込んだ。彼もまた誰かと入れ替わっていると思われたからだ。
すると、家では先生が泣いていたが、日本語ではなかった。
「やっぱり、サン様と大槻先生が入れ替わっていたんだわ」日本一の才媛、仁子は即座に気づいた。
「繁華街が危ない」
隆之の指令で、メンバーは横浜に急ぐ。しかし既に街は大混乱に。
「うむ・・・そうだ!我輩のコネで、三傑と入れ替わった大月を牢屋から出して、手がかりを聞き出そう」
「やい、大月、貴様教師の癖に他人と姿が入れ替わったのをいいことに痴漢するなんて卑怯だぞ」
しかし隆之は知らなかった。先生が日本一の痴漢であることを。
「えへ、さすがは若様。オレはついにサン様くりそつになったんですよ・・ヘヘヘ」
「馬鹿者!貴様は首にしてやるぞ。そうなりたくなかったら我輩に何故その姿になったかを教えるのだ」
「実は・・・」
「何?仁子君、すぐに脳内再生モンタージュにこいつをかけてその女の姿を映し出せ」
「了解」
「あ、この女です」
「よし、諸君、こいつが妖術使いに違いない。直ちに捕えよ。行け!」
「ラジャー」
ブルー(遠藤)が本部に待機し、レッドとピンク、グリーンとイエローが組みになってパトロールする。
そして関帝廟前で珠美はついに発見した。
「レッド、あの女よ」
「待て、怪しい女!」
「フフ・・怪しいってどういうことかしら?」
「貴様がグロテスターの超人だということは分かっているぞ!正体を現せ」
「ばれちゃしかたないわね」
「キャーーー」
なんと、女が逆立ちしたと思うと、股間から熊の顔が現れ、見る見る全身が剛毛に覆われ、元の髪の毛が尻尾になって熊の怪物に姿を変えた。
「出たな化け物!」レッド(永田)は変身して立ち向かうがその腕力はすさまじく歯が立たない。
「死ね!いいえ、あんたたちにも味わってもらうわ」
「キャー」
「あっ!」なんと珠美と永田が入れ替わってしまった。駆けつけたグリーンとイエローも入れ替えられた。呆然と見守るブルー。
「オーホホホ。どうかしら?入れ替わった気分は?」
ところが・・・。
「イヒヒ・・これが珠美のおっぱいか・・」
なんと、珠美の体を手に入れた永田は自ら胸や股間をまさぐってオナニーを始めたのである。
「やめてーーーっ!」レッドの姿になった珠美は必死で止める。
しかしレッドはもう狂ったようにオナっていた。グリーンとイエローは自分たちが入れ替わったことも忘れて止めに入ったが、はじく返されてしまい、さらにバケモノの爪でやられてしまった。
「ひどいわ・・レッドのバカ・・・わたしの体がそんなに好きなら、いつでもやらせてあげたのに・・・」
レッド(珠美)は、強引にピンク(永田)に抱きつき、唇を奪った。
体が入れ替わっているので、力は珠美のほうが強かった。
すると奇跡が起きた。
「あ、おれ珠美を抱いている・・・」
入れ替わったのが戻ったのだ。
「じゃあ、俺たちも・・・おぇーーーーっ」
グリーンとイエローは元に戻ったものの、ゲロをはいてダウンしてしまった。
しかし冷静なブルーが提案する。
「いまだみんな、ジャスティス・ブレークだ」
「おう」
みんながバルブレラを組んで怪物に投げる。
「グエーーーー」
怪物アベコンベアはこうして倒された。そして彼女が死んだことにより、入れ替わっていた人々は元に戻った。
そして、バルブレラは空を舞い、珠美と永田の近くに刺さった。丁度相合傘のように。
「珠美」「レッド・・」
「ヒューヒュー」
2人はやっと自分たちの気持に正直になれたようである。そして二人一緒に浪人生活をすることになったのである。
ところが・・・。
「諸君、バケモノは誘導だったぞ・・・」
「若!総帥!そのお姿は・・・」
なんと隆之がボロボロの姿になって現れた。
「敵の大群が、貴様たちの戦っている間に司令室を襲い、仁子君を攫おうとしたのだ。今回は何とか我輩と爺様が撃退したが、油断は出来ないぞ」
隼人と由香がいない今、日本を守れるのはバルディレンジャーの5人だけなのだ。
夫々の道を歩むはずが、5人一緒に闘い続けなくてはならなくなった5人・・・。グロテスターの残党のワナはまだまだあるはず。そして狙われた仁子、それに亡国のプリンセス、いずみを守らなくてはならないのだ。
そして翌日・・・5人は無事卒業式を終えた。大槻先生も不問にされた。
だが5人の戦いはこれからだ。頑張れバルディレンジャー・・・。
その頃、イオで修理を続ける艦隊に、隣の衛星ガニメデからの敵が迫る。
迎え撃つ隼人と由香・・・次回をお楽しみに。