最後の学校生活
冬休み・・・しかし隼人と由香は忙しい・・・。補習だ。成績優秀な2人が何故?といえば、グロテスターとの戦いのためであった。そして、三年生の始業式、そして卒業式を待たず、年明けにもグロテスター本星を叩きに、ワルモナイトを倒すため宇宙に飛び立つのだ。一応、帰還後卒業証書を受け取ることになるが帰ってくる保障はない。だが、高校だけはどうしても卒業したくて、こうして勉強しているのだった。担任の哲子先生はじめ、学校の上層部にはもう隠すことはできなかった。
一方・・・。別な理由で追試&補習を受けさせられる5人が居た。
番長の段田と、中川珠美、永田、山田、秋山の「バルディレンジャー」の4人だ。4人は成績不振に加え、問題行動や授業妨害も多い落ちこぼれであった。
しかし、「バルディブルー」遠藤は学年トップなのだから不思議だ。
「実にけしからん!卒業させたくない!」教師たちが怒る
「フフフ・・・青いぞ諸君・・・奴等がこれ以上学校にいられたら困るじゃないか」
「教頭先生・・・」
「教頭、では適当にあしらって卒業させますか?」
「フフフ・・ハハハ・・・ちがうちがう!我々教師に逆らった罪で、退学じゃ!学校から追い出してしまえ!聴くところによると奴等は「バルディレンジャー」とか名乗り我が物顔で暴れまわっておる。実にけしからん!そこでじゃ。諸君には「学習戦隊スタディ7」を結成してもらい、奴等を叩きのめすのじゃ!」
指名されたのは、特に迷惑を蒙っている6名の教師と、用務員の川田であった。
「あの野郎はよぉ!このサン様クリソツのオレが校長からくすねたドンペリを盗みやがったんだ!」
「・・・そりゃ自業自得ですよ大月先生・・」
現代国語の大月裕三。特技はセクハラと校長の私物をクスねること。いつも水色のスーツのむっつり助平だが、自称学校一のイケメン教師である。
「あの子達私の授業いつも寝てるんですよ・・・」
「それは好人先生の授業がつまんないからですよ」
三好好人・・・数学教師でピンクのスーツ。
「あの子達ったらワシのラーメン横取りしてお腹壊したのよ、ヤーネ」
「あれ食べたら誰でも腹壊すよ・・・」
黄色いスーツのバカな老人、菊池林蔵・・・・。古文の教師
「あいつらったら、自分たちだって独身のくせに、僕を独身だってバカにするんだ!」
「高校生ってふつう独身だろ?バカかお前」
春山翔太。理科教師独身・・・。白衣が似合うメガネ君。
「あいつらったら女子の体育ばかりじろじろ見て僕の授業受けないんだ!」
「お前もだろう?」
オレンジのジャージの林泰平。体育教師。
「あいつら学校の備品で勝手にショーを・・・。このままじゃ僕首だよ・・」
「え、まだ首になってなかったの?」
「ボカっ」用務員の川田安男。赤いジャージてある。
そして、さっきから毒舌で突っ込んでいるのは、倫理政経担当の、相楽太郎・・・。前校長の忘れ形見で教師たちのリーダー的存在であった。
「いいかお前たち!補習にかこつけて、あの4人を学校から追い出すんじゃ!失敗したらボーナス返還!」
「アイアイサー!」
こうして、バルディレンジャーとスタディ7の壮烈な死闘が始まった。
だが・・・。彼等7人も問題教職員、指導力はゼロだった。
教頭の真の狙いは、彼等11名を全員追い出し、さらにその責任を校長に被せて学校を乗っ取ることにあるのだ。
教頭は、学校中の生徒・教職員に嫌われていたが、自分では人望のある人格者と信じて疑わなかった。去年、前校長の相楽校長が亡くなったとき、教務主任が校長に抜擢され自分は教頭のままだったことを根に持って復讐のチャンスを伺っていたのだ。
そして、ひょんなことから、まともな補習を受けていた隼人と由香、段田も加わって7対7の対決に・・・・。
まず国語・・・
「いいか、お前たち、芥川龍之介ってのは、このオレと同じイケメンだからライバルだ。だからオレは野郎の本からは問題ださねー!これだ!これを読んで感想を書け!」
それは、梶井基次郎の「檸檬」であった。
「だめじゃねーか、お前たち!そんなまともな回答じゃ。いいか、大月先生はサン様そっくり基次郎はゴリラーマン、これが正解だっ!」
「なにそれ!」落ちこぼれの4人ですら疑う大槻の授業・・・。
体育など、もっと酷かった。
「お、姫様・・(はぁと)よし、今日は男女共修で柔道だ!女子はブルマで!僕が指導するよ・・」
泰平はいきなり由香と組もうとした。だが・・
「先生の相手は僕だ。それっ」「うわーーーーっ」場外へ隼人に投げ飛ばされ失神した泰平・・。
次は数学・・。「あーーーっ!細川さんに加藤君・・・その指輪は?」
「わたしたち婚約しているんです。6月に・・由香のお誕生日に挙式予定なの。先生も来てね♪」
「うう・・・いいんだ、僕は一生縁がないんだ・・・」
「あんたたちヤーネ」
全く噛み合わない・・・。
「イヒヒ。この調子だ。問題児と欠陥教師は学校から出て行け・・・そしてこのワシが・・・」陰でほくそえむ教頭・・・。
そのとき・・・。
ピカッーーーーッ!
「いいかげんにしなさい!」
「う、まぶしい・・・」「こ、校長先生・・・」
「あんたたち卒業したいんでしょうが。それにお前たち、それでも教師ですか?おっと、川田君は教師じゃなかったな」
「ごめんなさい・・・」「すんまへん・・・」
「隠れてたってダメですぞ教頭・・」
「ゲ、校長・・・・」
「学校に要らないのはアンタだよ。」
「おのれ校長・・・・」
「校長先生・・・ぼくが間違っていました。これからは校長の指示に従います。」
「楽さん!」
「わかればいいんですよわかれば。あんたは腹は黒いけど頭はいいんだから」
「え、腹が黒いですって?まああたまはがいいのは本当だけど・・。。いいかみんな!校長先生は偉大だ。そして正直だ。だって教頭と違ってハゲを隠していない。正直で公正な証拠なんだ。よし、僕たちも授業をやろう!」
「一言余計なんだよあんたは。よし、わたしもお手伝いしよう。川田君、零のものを皆さんに配ってください」
「かしこまりました」
改心した相楽太郎と校長の指導で、落ちこぼれ教員&生徒の補習・再研修はとどこおりなく終った。
相楽は、最優秀教員だが前校長の息子と言うことで次期校長に押されていたのが重圧で、落ちこぼれ教員とつるんでいたのだった。
そして、学園の癌であった教頭の牟田口は、下北半島の研修施設長として左遷され学園から去ったのだった。
バルディレンジャーの勝利だ。
研修・補習の終った24日・・。由香の兄、隆之がやってきた。
「おい、由香に隼人、それにみんな・・・!我輩について来い!先生たちもな」
バスが待機・・・。行き先は埼玉県の殉教学院のチャペル。
「いいか、今日はクリスマスだぞ!」
「あ、ママ、天平!」
「由香♪」
「しかし隆之さんはクリスマスが嫌いなはずでは・・・それに総統も・・・」
「うむ、だが今年は母上がどうしても、と招待するのでな。ゆるりと楽しむがいい」
仁子、いずみ、細川博士に香織も来ていた。
お腹が大きくなった七海(旧姓方岩)哲子先生も。
そして年も終わり大晦日。迎えた新年・・・。
今年は父親の戦死で喪中のため正月行事は中止だが、それでも特別の計らいで八幡様に詣でる隼人と由香。
御祓いを受ける。
「由香ちゃん、いよいよ地球とも、この日本ともしばらくお別れだな。」
「ええ。でも由香、星の果てでも隼人君についていくわ」
「由香ちゃん・・・」
唇を重ねる2人。
1週間後にはいよいよ2人は、宇宙に向けて出撃するのだ。
そして丁度その頃、衛星軌道上では、部品ごとに分割されて打ち上げられた戦艦「扶桑」がついに完成し、比叡他の待つ月面ドックへと向かっていた。
隼人と由香はここで艦隊に収容され、土星・木星・冥王星の敵基地・艦隊を打ち破り、グロテスター本星へ殴り込むのだ。
行く手には何が待つのか。
今、隼人と由香の本当の戦いが始まる。
続く