40話 赤橋高校大運動会

 

 秋といえば運動会・・ここ鎌倉・赤橋高校でも恒例の大運動会が開催された。

入場行進に引き続き準備体操・・・。朝礼台に立つのは由香。

 

 そして、下級生たちから順番に徒競走。隼人はもちろん、優勝。続いて、隼人と由香が最も得意な、「二人三脚競争」2人は二人三脚の日本記録を持っているのだ。

 綱引き、玉入れと、プログラムは進行していく。

「エイサー、エイサー!」由香も隼人も珠美も永田も一生懸命引張る。やった!白組の勝ちだ!

玉入れは、女子だけが入れる。(男子は竿を持つだけ)。珠美はこの競技が大好きでおおはしゃぎ。

 前半の山場・・借り物競争。ここで悲劇が・・・。

「わーーーっ、何をするのだねチミたち!」

「わーーーぃ!」「それーーっ」

なんと、「教頭のヅラ」と書かれたのでたまらない。女生徒たちがいっせいに教頭に襲い掛かった。そして、ヅラだけでなく、入れ歯まで外れてしまった教頭先生。しかし、「一番カッコイイ男の子」を連れてきた由香が優勝してしまっていた。

これを考えたのは、仁子であった。彼女は運動がやや苦手のため、競技にはあまり参加せず役員を買って出たのである。しかし色々と腹黒い仕掛けが満載してあり、皆を楽しませてくれた。

 

続いてリレー。白組のアンカーは隼人、赤組は段田。バトンが、今由香から隼人へ。

だが、猛烈に追い上げる段田・・・。あと1メートル・・・

 テープを切ったのは隼人だった。だが・・・。

「段田、白組が勝ったが、おれは貴様に負けたよ」

「いや、負けは負けだぜ隼人・・それより、次の競技で決着をつけようぜ」

「望むところよ」

そう、赤橋高校名物「2人騎馬戦」である。通常の騎馬戦と違い、男子1人が馬になり女子を騎乗させて闘う。武器の使用も認められた危険極まりない競技であるが、最大の人気競技である。

 隼人は由香、永田は珠美を乗せて出陣。

隼人は、去年「総大将けとして本陣待機を命じられてしまった。それは1年の時あまりにも強すぎたからであった。だが、今年は赤組に段田が参加する。いつもは体育祭をサボっている段田が珍しく参加したのだ。彼なら隼人と互角以上だ。

ボぉーーボォーーー・・ほら貝が鳴り響く。いよいよ決戦だ!

「ワーーーー」鬨の声を上げて入り乱れて戦う両軍。その中でも、赤組総大将の段田の強さは群を抜いていた。次々倒される白組。

 珠美はブルマに手を掛けられてお尻が丸見えになっても奮戦していたが、遂に段田に掴ってしまった。

「番長なんかには負けないわ。さあ、レッド(永田の渾名。白組なのにレッド)、やっておしまい!」

珠美は思い切り股間を永田の首筋に密着させて段田を迎え撃つ。だが・・。

「バカと小娘の相手をしている暇はない。俺の相手は・・・隼人だけだ!どけ」

「キャーー」落馬してしまった珠美。そして、潰れた永田の顔の上に珠美の股間が直撃・・・悶絶する2人。

そしていよいよ大将同士の決闘。隼人と段田の戦いだ。

 由香も箒を振るって、段田の上に乗ったバレー部キャプテン、佐伯真由美と叩き合う。

「えい!」

隼人と段田も激しくぶつかり合う。生き残った両軍も戦いを中断して2騎の戦いに見とれた。

「行くぞ段田!これが止めだ!」

「そっくりその言葉を返してやるぜ!」

「キャーーー」

悲鳴を上げたのは真由美だった。

激突のショックで段田から落馬してしまったのだ。隼人と由香の勝ちだ!しかしパワーでは明かに段田の方が勝っていた。

勝ち名乗りを受ける隼人と由香。だが、観客席から1人の小学生の女の子が乱入してきた。


「こら杏!入ってきちゃだめじゃないか!」

「卑怯だわ!ダン兄ちゃんに乗っていたのがあたいだったら絶対に勝っていたわ!」
杏は幼いながらも知っていた。この競技の強さの秘密は男女の愛にあることを。校内最強の腕力を誇る段田と、バレー部主将が組んでも、愛のある隼人と由香には勝てるわけがないのだ。

「あら、段田君の恋人?可愛いわね♪」

「お姉ちゃんなんか嫌いだ!あっち行け」

「こら、杏・・・。こっちに来なさい・・」

ジョー先生につまみ戻される杏。

「あたし、絶対この学校に入る!」

「でもお前入るの4年後だろう?俺22歳になっちゃうぜ。大学卒業だよ・・」

「そんなぁ・・」

一堂、どっと笑いが。

 

そして最後はフォークダンス。

こうして隼人と由香の最後の運動会が終った。明日はまたグロテスターとの過酷な戦いが2人を待ち受けているのだ。

 

「隼人君」

「由香ちゃん」

2人は愛を確かめ合い、戦う決意を新たにしたのであった。

そして、段田もまた戦いの渦に巻き込まれようとしていたのだった。

 

続く