第38話 最強戦隊バルディレンジャー

 

隼人と由香が、独逸に旅立った後・・・。

「もう、全く姫も隼人君も、このわたしをおいてきぼりなんて酷いわ。内藤君もそうよ!音楽なんてわかりっこない番長誘うぐらいならこのかわいいわたしを誘えばよかったのに!」

珠美は激怒、怒り心頭。

「しかたないわ。お姉さまや仁子さんと遊んでもらおうっと」

ところが、珠美はまたしても大激怒・・・。

「何ですって?お姉さまも仁子さんも・・・博士までいないなんて!」

博士と香織と仁子は、来るべき宇宙決戦に向けての新兵器の開発会議に出席していて留守だったのだ。守衛にそのことを告げられた珠美はますます面白くない。

「えーい!こっそり研究室にはいっちゃえ!」

日頃から研究室に出入りしている珠美が研究室に潜入するのはたやすかった。

そして、仁子のディスクにおかしな腕輪を発見した珠美。

「あら、何かしら?5つあるわ。わたし、このピンクのがいいな。だってわたしピンクだーいすき♪」

珠美はそのブレスレッドを勝手に手に取り、装着してしまった。そして、

「ポチッ」

装着されていた宝石に触れた。すると・・・

「キャー!」

珠美は一瞬、注に浮いたような感覚に攫われた。そして、転んだが、手をかけて立ち上がろうとしたらテーブルが砕けた。

「あれ?これは?」

珠美は手鏡で映した自分の姿に驚く。

「あっ!わたし変身している!そうだわ・・・仁子さんはわたしに本物の教科スーツ作ってくれるって言ってたわ。きっとこれがそうなのよ。なーんだ、それじゃこれ、わたしのじゃない。ということは・・・♪」

「もしもしレッド!すぐ研究室に来て!他のメンバーもよ」

永田に電話した。すぐやってきた永田、遠藤、秋山、山田。

「タマちゃん・・じゃなくてピンク、その格好は?」

「ぶ、部長!」

「へへん♪わたしは今日から、正義のヒロイン、最強戦隊バルディレンジャーのリーダー、バルディピンクよ!さあ、あんたたちもこのブレスで変身よ!」

「じゃあ、オレはこの赤いやつだな?」

「本当にいいんですか?」

永田たちもおそるおそるブレスを身につける。

「さあ、石に触りながら「変身!」て叫ぶのよ」

「変身!」×4

すると、永田はレッド、遠藤はブルー、秋山はイエロー、山田はグリーンに変身した。

「わーい♪みんなすごいわ!」

「でも部長、どうやって元にもどるんですか?」

「しらないわ」

「そ、そんなぁ・・・・」

 

そして、事件は起こった。

隼人と由香が欧羅巴に行き不在だと知ったグロテスターの怪人軍団は、細川研究所を襲ったのである。倒される警備員たち。

「さっそく出番よ!いいわね♪」

「オー!」

 

「バルディバンとバルデイーナがいない間に、この研究室の秘密を暴き、爆破してしまえとのワルモナイト様の命令だ!細川博士たちの会議は昆虫軍団が襲撃しているからやりたい放題だぜ!」

怪人と戦闘員がなだれ込んでくる。警備員たちは倒されてしまう。

だが!

「そこまでよ悪者!」

「なんだ貴様等は?」

「わたしたちは正義の戦士・・・人呼んで「最強戦隊バルディレンジャー」よ!そしてわたしは、そのリーダーの、バルディ・ピンク♪」

「バルデイ・レッド!」

「バルディ・ブルー!」

「バルデイ・イエロー!」

「バルディ・グリーン!」

いくぞっとォーーー!

 

バルディレンジャーたちは日頃から鍛えた戦隊ごっこの技で次々戦闘員たちを倒す。パワーは5倍ぐらいに強化されているようだった。

だが・・

「キャー!」

「生意気なガキどもめ!捻り潰してやる。その前に俺様の名前を教えてやろう。俺様は怪人鉄瓶マスク様だ!

「あっリーダー!」

珠美が鉄瓶マスクに捕らわれてしまったのだ。このままでは珠美が危ない。

「ところでレッド!今気づいたけどおれたち武器をもっていないぜ!」

「まじかよ・・ぼくたち死んじゃうのか?」

「それより今はピンクを救い出そう。よし、僕のマスクにある分析装置で・・・うーん、わからない。」頭脳担当のブルーこと遠藤もお手上げだ。

「早く助けて!」珠美の悲鳴。しかし為す術のない野郎ども。

「グヘヘへ。女か・・・殺すのは惜しい。ウリウリ・・・」

珠美は乳房を鷲掴みにされて失神寸前。

そのときである。ヘリの爆音が。

そして何者かが砂埃を上げ突進してくる。ビーーー、その何者かが光線を発射した。

「うわっ!」一瞬のけぞる鉄瓶マスク。

砂埃が納まると、車椅子に乗った老人が現れた!

その車椅子こそ、名高い?「カールル椅子」、時速300キロで突っ走る車椅子である。しかし使いこなせるのは発明者のドクター・若松だけであり、一時爆発的に売れたものの死亡事故を続出し、発売禁止になってしまったのだ。

「バルディレンジャーの諸君、すまんすまん・・・君たちの武器を届けに来たぞ」

「あ、あなたは!」

「左様。宇宙最高の頭脳、ドクター・若松とはワシのことじゃよ。それよりもさあ、この武器で!」

ドクター若松は珠美たちに「武器」を渡したが・・・

「何よ!冗談じゃないわ!」

「まじかよ・・・」

「グヘヘヘ」落胆するメンバー。敵の鉄瓶マスクや戦闘員たちにまで失笑される。

ドクター若松が珠美に渡したのはピンクのハート柄のこうもり傘だったのだ。

「オホン。笑うのはそのバルブレラの実力を試してからのほうがよいですぞ諸君!」

「笑わせるな爺!」

鉄瓶マスクが目からビームを発射した。そのとき、ドクター若松が叫んだ。

「ピンク!今こそバルブレラの力を!」

ドクター若松の前に立ち塞がった珠美は傘を開く。

すると、ビームを跳ね返し、鉄瓶マスクに命中。

「うわーっ何故だ!」

「ボス!畜生貴様等!」迫り来る戦闘員だが・・・

レット(永田)は、赤い傘でこれを刺し貫く。

ブルーたちも、使い方を知ったようだ。

「すごいぞ。この傘は、剣、ライフル、楯の3つの役割を果たすぞ」

「いや、槍にもなる!」使い勝手を知った5人はザコを全滅させた。

「おのれ・・!」怒り狂う鉄瓶マスクだが・・・

「諸君!今こそ必殺技だ!バルブレラを「正」の字に組み合わせるのじゃ!」

「こうですか?」

「違う!それでは逆、おう、そうじゃ!いまじゃ!ジャスティス・ブレーク!」

「ジャスティス・ブレーク!」

「正」の字に組み合わされたバルブレラは激しく発光しながら鉄瓶マスクに激突。

「うわーーーーっ!グロテスター万歳!」

 

なんと、バルデイレンジャーたちは鉄瓶マスクを倒してしまった。

そこに騒ぎを聞きつけて戻ってきた博士たち。昆虫軍団の攻撃は香織が難なく撃退した。昆虫軍団も、陽動のためなのでザコのこおろぎマンしか出してこなかったので香織の敵ではなかった。

 

「これは?」

「あ、強化スーツ!まだ未完成だし武器もなかったのに・・・」

「心配無用。武器はワシが作ったしスーツも実用可能じゃ」

「ど、ドクター・若松!」

しかし、鉄瓶マスクは怪人である。巨大化して再び襲ったのである。

「心配無用!バルディマシン15号飛来せよ!」

すると、隼人と由香が合体したバルディスターをバラバラにしたものにおかしなマジックハンドや操縦席の付いた飛行物体が4機とハート型のUFOが飛来した。

バルディスターの頭部が乗った飛行機にはレッドが、胴体にイエローが、操縦席に腕が生えたものにはブルーが、同じく足の根元を操縦席で束ねたものにはグリーンが、そしてハートには珠美が乗り込んだ。そして「合体!」の掛け声で人型になり、中心核に珠美が取り込まれた。すると、色彩のおかしなバルディスター「バルディロボ」が完成した。他の3人の乗った操縦席は合体して背中に張りついた。そして、頭に乗った永田の操縦で動き出した。珠美は生体コンピューター兼エネルギー発生装置になった。「本家」バルディスター同様、若い女性の生命エネルギーを活用しているのだ。

「ハハハ見たか!わしの作ったロボを」

「くそっ!デク人形め」

「そっくりそのまま返してやるぜやかん野郎!」

「やかんじゃなくて鉄瓶だ!」

 

二つの巨人は殴りあう。

「永田君!ロボもバルブレラを持っているぞ!」「よし・バルブレラ・ランス!」

「そんなボロ傘でなんになる!」

「黙れ!正義は勝つ!」

「うわーーーーっ」

爆発四散する鉄瓶マスク。バルディレンジャーはこうして初陣を勝利で飾ったのだった。

「よくやったぞ諸君!」

バルディレンジャースーツは、仁子がバルイディニウム合金を繊維化して開発途中、強引に研究に割り込んだドクター・若松が完成させたのだ。仁子の予定では3ヵ月後の完成の予定が、3日で出来てしまったのだ。そのため各種試験は一切行なわれておらずいきなりの装着は危険だったが、仁子の基本設計がよかったため見事成功したのだ。

ドクター若松は、バルブレラは楯、槍、剣、銃に加え、落下傘、普通の傘としても使え、ジャスティスバスターを加えると7つの機能があり、さらに気流によっては空も飛べるのだ。またバルディレンジャーになればカールル椅子を乗りこなせること(各マシーンの操縦席はカールル椅子になっている)ことを教えてくれた。

「よし、オレたちも戦うぞ!」

永田達も燃える。

帰国後この事件を聞かされた隼人と由香もびっくり。

「これでわたしたちが留守でもへっちゃらね♪がんばってねタマちゃん」

「永田、後は頼んだぞ」

隼人と由香は一刻も早く宇宙の敵を倒さなくてはならないのだ。しかし、度重なるグロテスターの妨害で足止めされていたのだ。

 

しかし、細川博士だけは浮かれていなかった。

「バルデイレンジャーは所詮高校生のヒーローごっこだ。今回の敵が弱すぎただけだ・・・。さらなる改善をしなくては、とても地球の防衛を任せられない・・・。もっと適任者はいなかったのだろうか・・・」と冷静に分析していたのだ。

 

その頃イセキダーでは

「ワルモナイトさま、申し訳御座いません。鉄瓶マスクがバルディレンジャーと名乗るやつらにやられました」

 

「ハッハッハ。まあいい。今回は様子見だ。それに見ろ。ワルモゲージが上ったぞ。ヘッヘッヘ。今に見ていろ地球人め。ムハハハ・・・」

壁の鍵穴状の「ワルモゲージ」が上昇している。この「ワルモゲージ」とは一体?ワルモナイトの謎は深まるばかりだ。

 

何はともあれ、こうして新戦隊「バルデイレンジャー」が結成されたのだ。そして明日も戦いは続く。

負けるな隼人!

 

続く