34話 突入!火星基地の攻防

 

「隼人、由香、敵は必ずなんらかの秘密装置を設置しているはずだ。出来れば持ち帰り、最悪でもつぶさに撮影して欲しい。出来れば無傷で手に入れたい・・・」

「了解!しかし既に流れ弾で大破状態です。やるだけやってみます。行くぞ由香ちゃん!」

OK隼人君♪」

2人は手を取り合い火星基地に突入して行った。宇宙基地での戦いは初めてである。

「ビーーー」ガードシステムからのビームだ。

「気をつけろ由香ちゃん!」

「隼人君、兵隊さんよ!」

「よし、バルディシューターを使うぞ!」

2人は光線銃バルディシューターで敵兵士とガードシステムを倒す。だが敵兵士は多く、遂に隼人は抜刀して彼等を切り捨てた。一方由香も大胆なキックで次々敵を倒す。しかも、確実に戦闘力を奪いながらも、由香は一人として命までは奪わなかった。

 

「やるな由香ちゃん!」

「うふ♪由香だってバルディーナですもの。」

2人は基地の奥深く進んでいく。罠を見破り、敵をなぎ払い、時には罠に落ちても二人で助け合い、遂に2人は基地中枢にたどり着いた。そして2人がそこで目にしたものは・・・

「キャア!」

おびただしい頭脳がカプセルに入れられ、切り刻まれた人体やメカが散乱している。

「これは・・・サイボーグプラント?」

「由香ちゃん、怖いだろうけど、撮影するんだ。そして博士に転送だ・・・」

「わ、わかったわ。」由香の仮面のゴーグルは高性能ビデオカメラになっている。そしてその映像は、細川博士たちに転送された。

 

「博士、隼人君たちやりましたね!」

「うむ、しかし香織君、様子がおかしい。サイボーグプラントにしては・・・」

 

隼人と由香も、サイボーグ工場にしては、ボディパーツが殆ど見当たらず、不審に思っていたが、由香が突然叫んだ。

「隼人君、見て、あの形どこかで見たことがあるわ!」

「あれは、ワルモナイトの戦艦とそっくりだ・・・!」

「博士、これは・・・!」隼人が博士に報告したそのときである。

「キャーーーーー!」

由香の絶叫が。

「あっ!火星人!」なんと、火星人が現れ、由香を羽交い絞めにし、触手で敏感な部分を撫で回し電流を流してきたのだ。

「こんな図鑑で見たような火星人が本当に居るとは・・・畜生、放しやがれ!」

隼人は怒りに任せて由香から火星人を引き離し、切り裂いた。だが・・・

切り裂いた火星人が分裂して増えて2人を襲ったのだ。

「畜生!」隼人は殴ったり蹴ったり切り裂いたりしたが火星人は増える一方・・・。

由香は失禁して失神してしまった。

「由香ちゃん!畜生!これでも喰らえ!」

隼人はバルディシューターを最大出力にして火星人を撃った。するとどうだろう・・火星人は溶けて消えてしまった。

「よし、片っ端から片付けてやる」火星人を全滅させた隼人は由香を抱き起こす。

「由香ちゃん、しっかり・・火星人は僕がやっつけたよ」

「は、隼人君・・ありがとう」由香の仮面の奥の電子眼が点灯した。意識が戻ったのだ。だが、「隼人君・・・後ろ!」

なんと、火星人の親玉とおぼしき巨大な固体が2人を襲うのだ。

「由香ちゃん、こいつらはバルディシューターに弱い。二人でダブルクロス撃ちをしよう」

OK♪」バルディシューターは2人が同時に同じものを撃つと光線が螺旋状に合体し,威力は100倍になるのだ。

「バルディシューター・ダブルクロス撃ち!」

火星人は消滅した。

「やったぞ!」

火星人を倒した隼人と由香は、戦いの疲れをいやすためチャージし、そして謎の装置を調べようとした。

そのときである。

奥の扉が開いた。

「貴様がバルディバンか!」

 

「何者!」

「何者とは無礼な。貴様こそ名を名乗れ!」

黒尽くめの鎧に黒い鉄仮面を被った騎士が現れたのだ。

「俺はバルディバン・・・加藤隼人!地球のサイボーグ戦士だ。」

「フフ。そうかやはり貴様が・・・。余はエドワルドだ。貴様の噂はかねがね聞いていたぞ。いざ勝負だ!」

 

「由香ちゃん、君は下がって見ているんだ。僕が不利になっても絶対手出しするなよ!」

「ええ、わかったわ。頑張って隼人君・・・」

祈る由香。

隼人と由香は、新手の騎士の挑戦と受け取った。今まで、ブルーナイト、シルバーナイトの2人を倒している。今度現れた「エドワルド」という騎士はさしずめ「ブラックナイト」とでも言うべき存在と思ったのだ。

 

キーン、キーン2人の剣と剣がぶつかり合う。

「やるな!」

「貴様こそ!」戦う二人には奇妙な友情さえ感じられた。実力は、全くの互角だったのだ。

しかし、この不気味な基地でたった一人立ち塞がり、隼人に挑戦するこの騎士は一体・・・?

「もらった!」

隼人の剣が、エドワルドの鉄兜を叩き割った。

即死か?

いや・・割れたのは兜だけだった。中から出てきたのは・・・豊かな金髪を靡かせる美青年であった。貴公子の風格がある。

「あっ・・!」由香はふと気づいた。「髪や目の色は違うけど、どことなく隼人君と似ているわ・・・」

しかし、その次の瞬間、エドワルドの剣も隼人の胸を貫いた。飛び散る火花。

サイボーグである隼人は流血はしなかったが、精密な回路を、鋭く細い剣で一突きされたダメージは、傷口の小ささと比べて大きかった。白煙を噴き上げのけぞる隼人。

「隼人君!」思わず飛び出そうとする由香。

「来るな!これは男の勝負だ。」白煙を噴き上げショートしながらも態勢を立て直した隼人は、もう一度斬りかかる!

隼人の振り下ろした剣をエドワルドが剣で受ける。

キーーン!

「しまつた!」隼人の剣を受けたエドワルドの剣は折れてしまった。

「よし、とどめだ。覚悟しろ!」

隼人が止めの一撃を繰出そうとした瞬間である。

黒い影が飛び出した。

「隼人!太子を殺させはしないわ!」

なんと、隼人の姉、マリコが変身した魔女サイボーグ、ブラディ・マリーが現れエドワルドの楯となったのだ。

「姉さん!」

「太子って・・彼がグロテスターの王子様だったの?」由香は驚いた。そしてすぐに気づいた。

「マリコさんは、王子様のことが好きなんだわ。そして王子様も・・・女の私にはわかるの・・・。」

たじろぐ隼人を襲うマリコ。由香も飛び出す。4人が入り乱れて戦うそのときである。

突如、隼人と由香のヘルメットの通信機に緊急通報が入った。

「隼人君、由香ちゃん、脱出よ!たった今、ワルモナイトの戦艦が巨大ミサイルを・・・あと3分でその基地は木っ端微塵よ!基地の外に飛び出して合体すれば助かるわ!」

香織からの緊急通報であった。

「太子・・わたくしたちも・・・」

「無念だ・・おのれガイコツめ・・・隼人といったな!勝負はおあずけだ!」

太子とマリコはワープゲートを使って脱出した。

しかし、隼人は戦いのダメージのため倒れ、動けない。

迫るミサイル・・・。

 

「イヒヒ。あの基地には俺様の秘密が隠されていたのだ。敵の手に渡るなら消してしまえ。それにバルデイバンと太子を一挙に屠ることができれば、宇宙は遠からず俺様だけのものになるのだ。イッヒッヒ・・・」

ほくそえむワルモナイト!

 

「隼人君、しっかり」

隼人を抱き起こす由香だったが、隼人は思いのほか大きなダメージを受けていた。サイボーグとはいえ、非力な由香の力では隼人の巨体を抱えて脱出するのは難しかった。隼人はほとんど停止常態に・・・。

「隼人君・・・死ぬ時は二人一緒よ。宇宙への夢と打倒グロテスターは叔父様に任せましょう・・。愛しているわ隼人・・・。」

観念した由香は、隼人に重なった。

すると、2人の体にエネルギーが充満し、2人は甦ったのである。というより、2人は元々今までもこうしてピンチを切り抜けてきたのだが思いがけない隼人の重傷と、迫り来る巨大ミサイルに由香は狼狽し、そのことを忘れて生きることを諦めかけてしまったのだ。

「おおおお・・・・っ力が。由香ちゃんこのまま合体だ。ミサイルをぶった切ってやる」

「隼人君!」

 

再びバルディスターになった2人は、ミサイルを剣で両断。

このミサイルは以前も切り裂いたことがあるが、切り裂いたとしてもそこから発生するエネルギーはすさまじく、2人は火星に叩きつけられた。基地も爆風で吹き飛んでしまったが、もし隼人が斬らねば、火星が半分吹き飛ぶほどの威力であった。火星そのものは無事だったが、基地はなくなってしまった。

 

態勢を立て直しバルデイライナーに変形した2人はワルモナイトの戦艦イセキダーを追うが、ワープで逃げてしまった。

 

「隼人君・・すごい放射能だわ。これでは少なくとも1年間は私たちもグロテスターも基地を作れないわ・・・」

「おのれワルモナイトめ・・・。」

「火星人さんたちもみんな死んじゃったかも・・かわいそう・・」

「いや、本当の火星人たちはたぶんもっと小さくておとなしく、僕たちのわからないようなところに居ると思う。あれはきっとワルモナイトに改造されて凶暴化した個体なんだ。」

「そのとおりだぞ隼人!」

「博士・・・」

「先ほどの基地の映像から、火星の微生物にエネルギーを送り巨大化させている装置が写っていたのだ。しかし、あの鍵穴状の装置だけは解析できなかった・・・無念だ。

そして急いで地球に戻ってくれ・・こちらも今、昆虫軍団の攻撃を受け、たった今香織君が出撃したところだ・・」

「判りました。由香ちゃん、地球が危ない」

「ええ、隼人君・・・」

 

 

急げ隼人・・地球はピンチだ!

 

続く。