107話 最終回 隼人と由香、永遠の愛

 

悪と野望と破壊と色欲が具現化したパーフェクトグロムウエルと、愛と正義が具現化したパーフェクトバルディスターの壮絶な戦いが今始まった。

 グロパレスを舞台に火花を散らす両雄。

肉弾をぶつけ合い、格闘する主体は隼人とグロムウエルであるが、直接刃を交えているわわけではないが、この戦いには女たちの愛と性欲と母性が密接かつ主体的な中核をなしていた。

 だが、それでもグロムウエルの邪悪なオーラの前に苦戦が続く。

「愛の力だと?笑わせるな。ワシは親からも兄弟からも甥たちからも蔑まれ、捨てられたのだ。信じられるのは自分の野心と力だけだ。力があれば従う者も多い。しかし力を失えば平気で裏切るともワシはしっている。だから裏切る心配が最小限の存在、怪人軍団を作ったのだ。ワシを頂点とする怪人こそが、宇宙を支配するべきなのだ」

「貴方は本当に誰にも愛されたことはなかったの?お母様や奥様にも?」

「黙れ、ワシの母親はワシを放置して男をとっかえひっかえして乱交し、また時には遠征軍に従って戦い、ワシに乳すら与えたことはないのだ。父も、ワシがかつて膳に大便をしたことを恨み虐待したのだ。そして兄や甥たちもワシを徹底的に・・・。

妻は従順であったが、早く亡くなってしまった。それも兄や甥たちがいびり殺したようなものだ。地球人であるという理由でワシの后と認めなかったからな」

 「かわいそうな人・・・」

「黙れ!グロムウエルの鉞が打撃を与える。ゆらぐバルディスター。

 

 そのとき、マザーガラシャの精神体が強力な守護霊を伴い再び憑依した。

 なんとそれは、戦死した細川忠之提督(由香の父)、加藤武人博士(隼人の父)、加藤めぐみ博士(隼人の母)の霊だった。

 「由香、わたしたちが見守っているぞ」


由香の両親。
マザー・ガラシャと故・細川忠之提督

「真理(麻里子の本名、麻里子は三浦博士に引き取られてから改名した名前。まりちゃんという名前しか覚えていなかったため、「子」が付けらけれた)、隼人、頑張れ!」


隼人の両親
故・加藤武人博士と故・めぐみ博士

「はーくん、まりちゃん、頑張るのよ」

 隼人と由香の両親も、愛の結合を果たして二人を励ました。

 

 そして、親の愛、女たちの愛に支えられた隼人は、ついにグロムウエルを貫いた。

「グロムウエル、覚悟!」

 貫いただけでなく、その無限のエネルギーを注ぎ込み、焼き尽くした。さしものグロムウエルももがき苦しみながら消滅、するかに見えた・・・・。

 しかし、グロムウエルにも「女」がついていたのだ。そして、その女はグロムウエルの危機に、自らの本当の存在を知ったのだ。

 「そうだったわ。思い出した・・・。

わたしは・・・。グロムウエル様の・・・いいえ、ビクトールを産んだ母!死なせはしない。わたしの怨念と野望の結晶を。女の身では果たせなかった征服欲と支配欲を満たすために産んだわが子ビクトールを・・・。」

 そう、山賊のボスであったジョーズ2世の側室、それこそがニジーナの正体だったのだ。

「やっと思い出しましたか。」

グロムウルと三浦博士は、ビクトールの母ビクトリナを蘇らせようとしたが、すでに骨も残っておらず、やむを得ず墓の下の土に血や細胞を混ぜて、1人の女を作り上げた。しかし、それは知能が低く凶暴な女になってしまった。これに宇宙海賊の人格を植え付けたのが、ツジーナだった。そして、グロムウエルの骨に100人の女の血と、墓の土と混ぜて造ったのが、ニジーナだった。

 残念ながら記憶は再生されなかったが、容姿・頭脳・野望とも十分にビクトリナ妃を髣髴とさせるクローンとなり、これにツジーナの従妹であるとの記憶を植えつけていたのだった。

 自らの野望の実現に当たっての女としての限界を克服するために産み出した分身・・・。それがグロムウエル。彼女の歪んだ母性愛は、再び発現し、グロムウエルと完全に一体化した。

 というよりも、このときからは彼女の思念が主体となったのだ。そもそものグロムウエルの野望の原点、それがビクトリナ妃ことニジーナであったのだ。

 

 「貴女はブラックスワン・・・」

ガラシャの魂はそういった。ガラシャこそが白鳥座の女王ホワイトスワンの転生した姿であったが、かつて女だけの星であった白鳥座に男を引き入れてその力を借りて支配しようとした堕天使ブラックスワン、それが転生した姿がビクトリナであり、ニジーナであったのだ。

 ブラックスワンの暴走が引き金になり白鳥座61番星はブラックホールになり、卵になった星人たちは宇宙各地に逃れ、そこの猿人たちと交わり、猿人から美しい人間へと進化をもたらしたのた。

 ホワイトスワンの転生・ガラシャの娘・由香と、ブラックスワンの転生・ビクトリナの息子・グロムウエルの戦いの因縁は、そこまで遡る宿命であったのだ。

 「ホワイトスワン。かつて男の力を借りようとしたあたしを追い落としたあんただけど、しっかり男の力を借りてるじゃないのさ」

「ブラックスワン、それは違うわ。男の人の力は野望の達成のために利用するものではないわ。」

「お黙り!ホワイトスワン、そのお高くまとったお上品な態度が100億年前から気に入らなかったのよね!男がいるわけでもないのにかわいい子ぶってさ。だからあたしが本物の男をつれてきたんじゃない」

「たしかにわたしたちの星には男の人はいなかったわ。でも今はちがうわ。この宇宙には男と女がいるわ。でも男が女を支配したり、女が男を利用するのはちがうわ。それに女が男になろうとしたり、その逆も不自然だわ。男と女はそれぞれのよさを補い高めあって、完全な命を生み出すものなのよ。それが愛というものだわ」

 「黙れ黙れ・・・」しかし次の瞬間、二人の魂は、互いに打ち消されて消えていく。

「どちらが正しいかは、わたしたちの子どもたちがつけるわ。わたしたちはお互いの世界に帰りましょう」

「そうね・・・」

 

戦いは再び、ホワイトスワン=マザーガラシャの娘・由香とそのパートナー隼人の合体した愛の巨人・バルディスターと、ブラックスワン=ビクトリナ=ニジーナとその息子のグロムウエル、その息子段田、そして三浦博士の悪の頭脳が合体した悪の巨人、パーフェクトグロムウエルの戦いに戻った。この時点で、三浦博士の人格や記憶は全て吸収され消滅し、その才能だけがグロムウエルのものになっていた。

 グロムウエルとニジーナの意識も同化している。二人の野望は合致していたからだ。

 グロムウエルの母であるビクトリナが野望達成のためにグロムウエルを産み、そのグロムウエルが野望のパートナーとして自分の骨と母の墓の土を使って作り出したのがニジーナ。悪の循環が今ひとつになったのだ。

 

 しかし、お互いの強固な愛に加えそれぞれの両親の愛、友や親類たちの相互の愛、そして母となった由香の母性愛によってパワーアップした隼人も、かつてない力が全身に漲っていた。

 

「悪の野望は絶対に許せない。愛の力を思い知れ!」

「笑わせるな るな」(グロムウエルとニジーナが同時に喋っている感じで)

グロムウエルの醜くたれた下腹部が裂けると、さらに腕が生えてきて隼人の攻撃を防ぐ。

 しかし隼人はそれを全て切り落とした。

「どんなゾンビのような生命力や怨念でも、僕の怒りと由香ちゃんの愛の前では無駄だぞ。観念しろ!

 隼人は剣に全エネルギーを集中し、グロムウエルを切断した。

「グロロロ・・・・」宇宙に絶叫がこだまする(宇宙は真空だが、かれらのオーラによって作られた光の壁に反響した)

 勝った!ついに悪は滅びた。

 

     ・・・しかし、戦いは終わらなかった。二度あることは三度ある。

「おのれ・・・。まだまだ死なぬぞ。隼人、いまやワシの宿願は貴様を殺すことになったのだ。絶対に殺してやる。見よ、ワシの更なる進化を」

 

 パーフェクトグロムウエルの血を吸ったグロパレスに、まず触手が生え、ついで鼓動と胎動がはじまった。

 そして、巨大などくろであったグロパレスに、新たな胴体が発生した。元々周囲1200mのがいこつだったグロパレスが6頭身の巨人になったので、身長7200mの巨人になった。角や武器を含めればそれ以上だ。

 人間型になったことによる格闘力に加え、目玉からの砲撃や小火器も健在であり、まずは周囲の艦隊から被害が・・・。

 合体し巨大化しても30メートルに満たないバルディスターの攻撃も、蚊に刺された程度にしか感じないらしい。

 唯一の弱点は、胸の元々のグロパレスの左目が破壊されているとであり、ここだけからは巨大エネルギー弾が発射されない。しかし、右側と背中の両目からはそれが乱射され、艦隊や周囲の星に被害が続出していた。(なお、左右にも目があったが、口から新たな手が生えた際にふさがり、光線は出ない)

 このままではなすすべもない。

「グロロ・・・。ワシはこの手で惑星を直接叩き潰すことができるようになったぞ。全宇宙はワシのものだ。いや、宇宙全体がワシなのだ。」

 

「そんなことはさせないぞ」

「黙れむしけら。貴様を殺すことが野望の第一歩だ。死ね」

 

 「くそ・・・。こうなったら、最後の手段だ。僕自身を刀に変えて、刺し違えるしかない。」隼人は特攻を覚悟した。グロエンペラーに突入し、内部で自爆しようと試みたのだ。

 光を帯びて突っ込んでいくバルデイスター=隼人。

だが、邪悪なオーラにはじき返されてしまった。

「くそ・・・。もうここまでなのか・・・」悔しがる隼人。

そのとき・・・。

「隼人君、くじけないで。貴方には由香がいることを忘れないで。由香が、貴方を強くしてあげる。あなたに大きな体をあげるわ」

 すると、バルディスターの心臓が本体からはずれた。それは、合体前の由香の人工子宮だったものが、合体後には心臓として機能しているものだった。

 心臓がなくなれば、バルディスターは死ぬ。だが何故?

人工子宮は、巨大な性器となった。そして、巨大な由香の裸体が宇宙に浮かぶ。

性器以外は実体のない、エネルギー派による虚像だった。

「隼人君、抱いて・・・さあ今すぐ・・・。すぐ抱かないと今の貴方には心臓もないのよ。さあ」

自分に何がおきているかわからなかった隼人だが、心臓を失い出力低下を起こしていたことも忘れ、言われるままに由香を抱いた。

 すると、まばゆいピンク色の光に包まれ、バルディスターはグロエンペラーと同じ大きさに巨大化したのだ。

 さらに、「由香のおともだちで愛し合っている人はみんな力を貸して!」

 なんと、胎内ですでに結合しているエドワルド&麻里子、細川博士&香織に加え、リバーストン星にいるはずの公爵夫妻、ムーリンとチャーミー、地球にいるはずのレッドとピンク、そして比叡にいるはずの七海提督と地球にいるはずの哲子先生、さらには、いずみとプラドも胎内にワープしてきて、結合を果たした。それどころか、死んだリョナサンの生首にも胴が復活し、フララと結合した。それに隼人と由香の両親の霊も加わった。

他にも、戦いや旅の途中で知り合った恋人たち、地球での二人の友達がそれぞれのパートナーと結合して胎内に集結した。

 隼人と由香は寄り添い、剣を構える隼人に恵を抱いた由香がよりそう形の思念となった。もちろん、実態は巨大化ハイパーバルディスターであるが、二人の意識はそうであった。

 

「うわーーーっなんだこの光は」

苦しむグロエンペラー。

 

「グロムウエルさん、ニジーナさん・・・貴方たちにも愛はあったはずよ。貴方たちに愛があるから、苦しいのよ。さあ、こちらに一緒に来て。もう醜い怨念に縛られることはないのよ」

由香は語りかけるが、

「黙れ!何が愛だ!たしかに我々にも愛というものが全くないわけではないかもしれぬ。だがそれは野望達成のための手段にすぎぬ。愛などは所詮その程度のものだ。欲望に勝る価値観などない。そして欲望を満たす力、それが悪なのだ!」

 

「逆だ!愛のほうが全ての源なのだ。それを理解できない貴様は宇宙に生きる資格はない!今こそ愛の怒りの剣を受けてみろ!」

隼人は、グロエンペラーの右の目を貫いた。

「グロロロロ・・・・!」絶叫して苦しむグロエンペラー。

「愚かな!三度経験してまだわからぬのか!貴様がどんなに努力してワシの肉体や機体を滅ぼそうとも、ワシの怨念があるかぎり、ワシは何度でも新たな肉体や機体を手に入れて蘇るのだ。ガハハハ・・」

一度は半壊したグロエンペラーだったが、破壊された艦船や小惑星を取り込み、さらに巨大化してしまったのだ。

 もう、なすすべはないのか・・・・。

 

しかし、奇跡が起きたのだ。

「隼人、オヤジはオレが抑える。今だ、いまもう一度左胸の目を突け!」

それは段田の声だった。

「オヤジ・・・全部聞いたよ。オレは貴様の息子だったんだな。だがもう終わりにしようぜ。300年もお疲れだったな。貴様がオレの意識を封印したということは、オレも貴様を封じられるということだ。覚悟しろ」

「息子よ、ワシを裏切るのか!」

「バカを言え、親孝行だ。楽にしてやるぜ」

「隼人、今だ!いまのこの怪物はオレだ。オレを殺せば親父もババアも死ぬ。あと数分しか抑えられない!今すぐオレを刺せ!」

「段田君、意識が戻ったのね・・・でもおともだちは殺せないわ・・」

「お嬢ちゃんは黙ってろ。隼人に言っているんだ。隼人、友達ならばこそオレ刺せ!」

「段田・・・。わかった。ありがとう・・。そして・・・。サヨナラ・・・・」

隼人は涙を隠してグロエンペラーを刺した。

そして全エネルギーを注入した。

 胎内では由香たち女たちも絶頂を迎えていた。その力が全て・・・

 

 それは、数万年のち、マゼラン星雲からも見えたという。

巨大な光を発して、今グロエンペラーは消滅した。

今度こそ、本当に悪は滅んだのだ。

 胎内にいたはずのみんなはそれぞれが本来いるべきところに戻った。

廃墟となったグロムーンに、分離した隼人と由香は立つ。博士・香織、エドワルド・麻里子も一緒だ。

「隼人君・・・」

「由香ちゃん・・・」見つめあう二人。

二人は、エドワルドたちに向った。

「義兄さん、ねえさんを頼みます。これからのロイヤル星の復興を、遠い地球から応援します」

「隼人・・余は、貴様の星を侵略した星の王子だぞ。」

「違います。侵略者はグロムウエルでした。それに今は貴方は僕の義兄さんです。」

「隼人・・・ありがとう・・・」麻里子はエドワルドに寄り添う。

新たな王と王妃の誕生だった。

一方、

「香織君、今こそこの指輪を受けてくれるね・・・」

「博士・・・」

「ただし、わたしは独身だが1人娘がいる。(水商売の女に生ませた。作中にも登場)それに・・父上の命令で、地球に帰ったらあの二人を養子にすることになっている。いきなり三人の子どもと孫までいる家庭になってしまうが、それでもいいかな?それに耕司君の件もある・・・」

「そんなの関係ないわ。春彦さん、大切なのは貴方が今、わたしを必要としているかどうかということだけよ。」「香織・・・」二人は熱い口付けをかわした。

 

 

「オギャー、オギャー」恵が泣き出した。あやす二人。

「博士、親分がさっきから待っています。僕たちも地球に帰りましょう」

「そうだな隼人・・・」

 

比叡に収容された4人は、全ての戦いを終えて地球に向って出港した。

「なあ隼人・・俺様をひっぱたてみてくれないか?」

「え?」

「いや、さっきな、俺様はなにかふわふわしたところの中で、地球に残してきたかみさんを抱いた夢を見たんだよ・・・。溜まってるのかのぉ・・・」

「ははは、それはいい夢でしたね。」

「ばか者、毎日お嬢ちゃんとやりまくってる貴様に、かみさんとわかれわかれの気持ちがわかるか!」逆に張り倒されてしまった隼人であった。

「ふふ。」由香は恵をあやしながら微笑む。

 

 しかし、その由香が、重大なものを発見した。恵を香織に託すと、突然変身し、隼人の手を引いて宇宙に飛び出す由香・・・。彼女が見たのは・・・。

 

二人は、彼を収容した。

「気付いたのね・・よかった・・・」由香はずっとエネルギーを照射していた。

「オレは・・・。死ななかったのか。隼人、オレを殺せ。オレを殺さないとまた親父が・・・」

「大きな声だすなよ。傷に響くぜ。病人は病人らしくしてろよ。」

「しかし・・」

「俺は友達を信じる。お前は、グロムウエルじゃない。段田大介だ。俺は、グロムウエルは完全に死んだと信じる。そうでないとしても、お前が永久に封印してくれると信じる。だからもうグロムウエルもワルモナイトも・・・そしてジャガーナイトもいない。

 一緒に帰ろう。はげちゃびんの校長先生が、僕たち三人に卒業証書をくれるために待っている。早く帰らないと、校長があの世にいっちまうぜ」

「隼人・・・」がっちり握手する二人。男の友情は今蘇ったのだ。

そして、比叡には密航者が・・・。

「チャーミー!どうして」

「えへ。わたしも地球に行っちゃうって決めちゃったんだもんね」

「でもご両親や・・・」

その頃、リバーストン星ではチャーミーとムーリンの結婚式の準備が進められていた。

「泣くなムーリン。あの子はきっと帰ってくる。それにおまえはわたしの弟だ。爵位を継ぐ資格は十分。これからは前非を悔いて、新しい陛下のために尽くすのだぞ」

「はい、兄上・・いえ義父上・・・」

ムーリンは荒廃した帝国の再建に東奔西走する日々に。

 チャーミーは英国生まれの由香の従妹、「細川梨香」として、聖ポピー学院に編入した。そして、数々のドラマを生んでリバーストン星に帰り、晴れてムーリンと結婚したが、完全なカカア天下でムーリンは奴隷のように扱われた。だが、それが彼の望みでもあったのだ。この一家と由香はのちに密接なつながりを持つようになるが、それは別の機会で。

 なお、チャーミーがグレートロイヤル帝国に持ち帰ったあるモノが、急速に普及した。それは、ブルマであった。

 

 一方、エドワルドと麻里子は結婚し、エドワルド二世として即位し、ロイヤル家22代当主及び第6代皇帝となった。

 地球人である麻里子の入内には反対の声もあったが、二人の愛の深さに加え、代々近親婚を重ねて来た貴族社会に新たな血を入れる目的もあり、承認された。

 次男坊と異星人・・・誰がこの二人の即位を予想したであろうか。

 

隼人と由香は、途中レモネード星を経由して、約一年かかりで懐かしい地球に帰ってきた。


いずみとプラドと執事

仁子

歌川校長

哲子先生

先生たち

珠美

アーデルブルク一家

ラグビーごっこの時。隆之やブラックたちも映っている


細川隆斎総統夫妻
(由香の祖父母)

由香に薙刀の稽古をつける祖母・五十鈴

祖父・隆斎と大伯父、山名宗厳

18歳のとき旅立ってから、3年近い月日が流れ、誕生日が来るともう21歳だ。あの最後の戦いの中生まれた恵もすっかり大きくなり、地球に着く頃、由香は二人目の子を身ごもっていた。

 そして、祖父が、祖母が、兄が、恩師が、友が待っている鎌倉沖に今、帰ってきた。

同時に、由香は二人目の子を出産した。今度は男の子だった。

「光太郎」と名づけられたこの子をはじめ、以後由香は計12人の子を地球で産み育てることになる。その悪戦苦闘は次回のエピローグで少し触れよう。

「貴方・・」哲子先生も大きくなった息子を抱いて夫を迎えた。

(貴方・・)どうやら哲子先生も同じ「夢」を見たことを夫に赤面して話した。

しかしそれは本当のことだったのだけど・・・。

 

 隼人と由香の帰還と入れ替わりに、いずみはエメロード星に帰った。プラドを婿にして女王として即位するためだ。

 エメロード星はグレートロイヤル星から完全独立したが、支配者と被支配者の関係は終わったものの、ひきつづきロイヤル星を盟主と仰ぐ新たな連邦を結成し、独立した他の殖民星もこれに加わり、新生グレートロイヤル連合帝国が誕生したのであった。ウインタービル総督は、ひきつづき軍事顧問としてとどまることになった。

 

 

 こうして戦いが終わった隼人と由香。本来ならば、二人は宇宙に旅立ち、開拓と殖民をするはずであったが、すでにアンドロメダ星雲までの航路が開かれてしまい、二人の子供も出来たため、隼人は宇宙飛行士として宇宙航行術を学び、由香は子育てをするとになった。そして、しかるのち、改めてまだ知らぬ星へと旅立つとになったのだ。そしてその前に・・・。

 

 多くの友や親類に囲まれて、二人は盛大な結婚式を挙げた。すでに二人の子どもにも恵まれていた二人だが、今、幸福の絶頂に・・・。

 

 隼人と由香、二人の愛は宇宙を救った。今は、その幸せをいつまでも・・・・。

 

 

これでこの物語は一応終わるが、次回二人と仲間たち、子どもたちのその後について簡単に紹介して完結とする。

 

長い間応援ありがとうございました。