大攻撃!マキシマ軍団
ユビーノの羽を刺した塚にワープアウトしてきたマキシマ軍団2陣。
しかし、そこに待ち構えていたのは宇宙刑事マリーだった。
「あら、悪者さん♪あなたたちの企みはこのマリコ様がお見通しよ!」
軍団長は、「イヒヒ、この星は美女揃いと聞いたが早速とびきりの上玉のお出ましだ。将軍やエロイカ殿は城を攻めろと言ったが、まずはこのおねえちゃんからだ!」兵士どもは戦車から飛び降り、マリコを襲う。しかし、鮮やかなキックで次々と倒されてしまう。
「必殺・マリー100人延髄切り!」
100人は大げさだが、一度に5、6人いっぺんに延髄切りしてしまうすごい技だ。
しかし隊長は終始マリコのパンツに見とれていた。だが相次ぐ部下の失態に業を煮やし、戦車に飛び乗り、「おのれ、ひき潰してやる!」と攻寄せる。
「ちぇっ!折角のこの美貌を隠すのはもったいないけど・・・。転結!」
マリーは転結した。隊長はがっかりして砲撃してきた。
砲弾を掴み取って投げ返すマリー。
「おのれ、集中砲撃だ!」
しかしたった一人のマリーに戦車の砲弾など命中しない。
「お返しよ!マリー・ピンクバスター!」
マリーは大型バズーカ・マリー・ピンクバスターをぶっ放す。
先頭の戦車が吹っ飛ばされる。2台、3台・・・。
投げ出された隊長は、「おのれ、体勢を立て直す。一旦エロイカ殿のアジトに撤収だ!」
深追いは出来なかった。なにせこちらは一人だ。そこに傷の癒えたサエッタが駆けつけてきた。
「マリコ!お城が燃えている!」
「え?」
第2軍の到着と同時に、ヲーキー将軍直卒の第1軍の残存部隊が、城に攻撃をかけていたのだ。すでにクラーク・マッキー両将軍もなく、守るのは老人と女ばかり。
「急ごう!」「ええ」
城に急行する二人。
その頃、エロイカのアジトでは・・・。
エロイカとユビーノがいちゃついていた。
そこにやってくる隊長。
「エロイカさま、何なのこの変な人たち・・・」怯えるユビーノ。
「ああ、僕のお友達だよ。この人たちにこの家貸すことになったから、僕たちはユビーノちゃんの家に行こうか。」
「うん・・」
お姫様抱っこされてうっとりするユビーノ。
しかし、行き先は彼女の家ではないことに今の彼女は気づかない・・。
そして猛攻を受けた城は既に廃墟になっていた。
「ヲーキー閣下!キリカ姫を捕らえました!」
「ご苦労、ご苦労・・・。おお、美しいのぉ・・・・。恐妻の餌にするのはもったいないわい・・。イヒヒ・・・。」
女帝の夫でありながら、身分はあくまで将軍で王配としての扱いすら受けていない恐妻家のヲーキーはいろいろと飢えていた。
ところが・・・。
「うむ・・!違う。こやつはキリカ姫ではない!偽者だ!」
「やっと気づいたのブタさん・・」
姫ではなく、捕らえられたのはモチーナだった。白服・黒髪のため間違えられたのだ。いや、姫と服を取り替えていたのだ。
「おのれ・・・ものども、すぐ本物を探すのだ。そう遠くには行っていない筈。急げ・・・。
姫を捕らえないとワシがかーちゃんにお仕置きされてしまうんじゃ・・・・」
「閣下、その女はいかがいたします?」
「偽者とはいえ上玉だ。逆に姫でないということはかーちゃんには関係ない。このワシのものにしてくれるわ。イッヒッヒ・・・」
城にたどり着いたマリコとサエッタは、廃墟となったクリスタルパレスに茫然自失。
だが、
「マリコ、こっちだ!」二人は秘密の抜け穴を通り、森の中の館にたどり着いた。いざというときの抜け穴だった。
そこには本物のキリカ姫とアキーシャがいた。
「キリカ!無事だったんだな・・・」
「でもサエちゃん、わたしのためにモチーナちゃんが・・・」
「大丈夫。こいつが絶対モチーナを助けてくれるよ」
「サエッタ、この人は誰?」とアキーシャ。
「はじめまして。私は宇宙刑事マリーです」
「宇宙刑事?」
他の星との交流がないこの星の人たちにとっては聞きなれないものだったが、すぐにマリコが敵ではないことはわかった。
ここなら敵にみつかる心配はない。
しかし・・・。
空に映し出される十字架。
「キリカ姫に告ぐ。ただちにワシのもとに出頭しなければ、この女を殺す!」
空をモニター代わりに、ヲーキー将軍は星全体に大音量で放送した。
「畜生!」怒りに燃えるサエッタ。泣き出すアキーシャ。
しかし・・・。
「行きましょう。私はこの星のプリンセスとして・・・。生まれたときから一緒に生きてきたモチーナちゃんを見捨てることはできないわ。わたしがあの人たちに会うことでモチーナちゃんや星のみんなが許してもらえるなら・・・」
「キリカ!」
「マリコ様も一緒に来てくださる?」
「はい、姫様!」
キリカは大きな翼を今広げた。
「いつも、サエちゃんに手を引かれて走っていたけど、今度はわたしが手を引く番ね。しっかり掴まっていて」
白鳥・・・。まさに白鳥だった。空高く舞い上がるキリカ姫。
そしてアキーシャに掴まったマリコが続く。
しかし、その途中、
「あ、あれは?」
「クラークおじ様だわ。」
傷の癒えたクラーク将軍が、郷士を集めて進撃しているのが見えた。
「アキちゃんは、おじ様たちを誘導して!」
「わかったわ。でもマリコ様は?」
「私は大丈夫よ。すぐ追いつくわ。」
マリコは地上から姫たちを追った。
そして、張り付けられたモチーナの元に降り立つキリカ姫。
嗚呼、姫の運命や如何に?
続く。