キグナス大戦 一話
「マリコさん、ただいま」
ジーナ姉妹たちが帰ったあと、僕はあらためて妻のマリコに帰還のあいさつをした。
そして久しぶりにひとつになった。
「うふ♪やっぱりケン坊はわたし以外の子とはやってないわね」
「・・・・」
「ところで真理子さん、こんなことしてるとき聞く話じゃないけど・・・。サエッタの故郷の星で何があったんですか?」
前から、伝説の宇宙刑事と言われるマリコの具体的な活躍について、どうしても聞きたかったのだ。
「ケン坊、それはね・・・」
ここからは、マリコとその壮烈な戦いの記憶の物語です。
キグナス大戦 序章・・・・。宇宙の天使
3年前・・・。銀河警察本部のあるバード星。宇宙刑事候補生の篠田健一が訓練を開始した年でもあるが、単独で宇宙犯罪組織アクバーを、宇宙刑事ジーナとのコンビで同じくクズラーを滅ぼした宇宙刑事マリーは、久しぶりに本署勤務で休日にはのんびりとショッピングしながら勤務していた。
そんなある日・・・。未確認飛行物体がバード星に漂着した。
確認に向かった宇宙刑事がそこで見たものは・・・・。
背中に白い翼を持つ美少女だった。
完全に意識を失い、生きてはいるがその正体も意図もつかむことはできなかったが、彼女は通信カプセルらしきものを握り締めていた。
科学班は全力で解析をすすめた。そこには驚くべき事実が記されていたのだ。
「まさか・・・・」
そう、そのまさかである。少女はブラックホールであるはずの白鳥座61番星から来たのだ。かつてそこには超古代文明が栄え、バード星人の先祖の星でもあったのだが、数億年前に爆発しブラックホールになったはずなのだ。そしてこの少女は伝説にあるその星の人間の特徴・・・。天使の姿をしていたのだった。
「助けて。わたしたちの星が狙われています」とのメッセージ。
ただちに宇宙刑事シャリバンとシャイダーが急行したが、ブラックホールに突入することが出来ずむなしく引き上げてきた。
そんなとき、マリーが少女のカプセルを何気なく拾い上げたところ、激しく発光し、かつマリコ自身もピンクのオーラにつつまれた。
長官は叫んだ。
「マリー!君しかいない。ただちに白鳥座61番星に急行せよ!」
「えーっ!シャリバンでさえ行けなかったのになんでわたしが?私女だし、シャリバンやシャイダーより弱いし・・・」
「これは命令だ。それに君には、男の宇宙刑事にはない特別なチカラがある」
こうして無理やり送り出された宇宙刑事マリーこと上原真理子だったが、不思議なことに彼女の宇宙船キューテイアローはブラックホールに難なく突入できた。
そして、彼女と巨大な悪の戦い、そしてこの星の謎が今解き明かされる・・・。
続く。