61話 最終決戦

 

 激戦の末、関東大会を制し、1年ぶりのクリスマスボウルに進むことになった、東サトル率いる武蔵体育大学付属南武高校「ゲーターズ」。

対するは、関西最強敵なしの、兵庫県代表・神戸神学館高等部。

 身長263p・体重300sの「怪獣人間」安東零と、それを操る「魔物使い」の敏腕マネージャー・安東なつ。


♯60 安東 零&なつ

関西ナンバーワンのパワーファイター・方岩晴久、そして全ての敵を吹き飛ばす黄金の左腕・須田半蔵・・・。


♯1 方岩晴久

♯69 須田半蔵

さらに、巨漢ラインメンのデイック前田と油屋渕弥。更に、「狂虎」虎丸新、「狂馬」馬田鹿之助、「狂牛」荒田耕司、渕弥の弟・丹波。


♯66 油屋渕弥
♯67 油屋丹波
♯68 デイック前田

♯7 虎丸 新
♯8 馬田鹿之助

 そのほか、鶴田・木村・浜口・橋本・佐々木・小橋・三沢などの大型選手がずらりと並ぶ。空中戦も負けてはいない。日野玉男、その従弟の角出比男コンビの身軽な空中殺法。佐山と高野も空を舞う。全く隙のない、いままで戦ってきた強敵の全ての長所を併せ持つ、最強チームなのだ。

しかも、去年の3年生が全国大会で関東代表・京王に敗れるなど不作だった分、今年の三年生は2年続けて主力の座にある。

 下馬評でも今年の神学館は史上最高と専らの噂だ。

 

 南武高校も負けては居ない。関東随一のスター選手揃いで話題性も豊富。

改めて紹介するまでもないが、主力選手をピックアップしてみよう。


♯1 東 サトル
♯2 東 サトミ

♯4 岬 陽一
♯5 武田信彦
♯2 東 サトミ
♯1 東 サトル
♯78 大河原 清

 まずは♯1、クォーターバック兼セーフティ(他にWRDBもこなす)のキャプテン・東サトル。文句なし、高校ナンバーワンプレーヤーである。

身長175センチと、体格にはやや恵まれていないものの、それを補って余りある天才的頭脳と運動量、他の選手をまるで巨大化した自らの体のように自由自在に大きく使いこなすリーダーシップ。加えて、女性的にすら見える美貌と優しい性格で、人気爆発のスター選手。それでいてあくまで本人は求道者として謙虚。非の打ち所のない完璧超人である。

 続いては、日本現存唯一の女子高生フットボーラー、東サトミ♯2.。いわずと知れた本作の主人公。東サトルの双子の妹で、ウリ二つの顔をしている。体格や運動能力も、天才である兄にヒケをとらない。それどころか、並み居る野郎共をぶッちぎってここまで上り詰めてきた実力の持主である。女であるというハンデを全く感じさせないその実力は、3年生になりさらに研きがかかっている。そして、かつてはフル装備の防具でその身を包めば、双子の兄・サトルと識別不能なほどボーイッシュだった彼女も、やや丸みを帯び、髪も伸ばしてすっかり女らしくなり、もはや男と間違えられることはない。

全力疾走するヘルメットから靡く髪。元々の身軽さに女性らしいしなやかさも加わった華麗なプレー。サトミは全国のフットボールを愛する少女たちの代表だ。まさにヒロインなのだ。そして、美しく、女らしくなっても決して消えない熱い闘志の炎。闘志という点では、サトルをも上回る。時として無謀とも思える突撃を敢行する、ダイナマイトギャル。それが我等の東サトミ。南武高校のファイトのシンボルだ。

 そして、美しく華麗なこの双子を上回る、可憐ささえ醸し出す異色の選手が、♯4・岬 陽一。外交官の父と、仏蘭西貴族の母を持つこの金髪碧眼の美少年・・・いや、少年と呼ぶには余りにも美しすぎる、女性顔負けの美貌。その小さな体を、まるで蝶のようにひらひらと華麗に舞うように得点を重ねる、フットボール界の小公子だ。


♯4 岬 陽一

 華麗さだけが南武高校ではない。


♯5 武田信彦

5・武田信彦。通称・「鉄人・武田」。赤銅色の肌、全身鋼のように鍛えられた筋肉。男らしさと力強さに満ちたこの男は、その肉体そのものが強力な兵器のような存在で、あらゆる敵を粉砕して味方の進路を切り開く。さらに友情に厚く、自己犠牲精神をもち、敵の猛攻を弁慶のように全て受けとめて味方を守り抜く。だが、その鍛えぬかれた肉体は、いかなるツワモノ・怪物といえど破壊することはできない、まさに神の楯・イージスのような存在なのだ。

 そしてラインの代表は大河原清。誰が見ても、西郷隆盛の生まれ変わりである。その大きな体と闘志で、チームの中央を死守する守護神だ。そして中学柔道選手権重量級チャンプでもある。


♯78 大河原 清

ラインの両端を固めるのは佐藤兄弟。長身を生かした柔軟な守備に定評がある。


♯81 佐藤高信(弟)
♯80 佐藤義信(兄)

 

 両チーム、会場入りを済ませ、最後の調整にいそしむ。

 

 サトミにとっては、これが最後の試合になるかもしれない。ここまで、男に混じってよく戦い、この頂点まで上り詰めたが、大学レベルでは通用するとは思えず、また最愛の兄・サトルはアメリカに旅立つことが決っている。悔いを残したくない。有終の美を、何が何でも勝利で飾らなくてはならないのだ。

 だが・・・。皮肉なことに今日1223日・・。そう、23日は、サトミにとって最大の敵、「自分自身の女」との戦いの日でもあった。

「今日一日・・・。いいえ、この試合が終るまででいい・・・。アタシは「男」になって戦い続けたい・・・。いや、オレは男だ!」

鏡に向かい、自問自答するサトミ。

万が一に備え、念入りにタンポンの位置を決める。

 そして、フッパンの紐をぎゅっと締める。そして凛々しくヘルメットを被り、「女」を鎧で完全に包み込み、「男」の姿にその姿を変えたサトミ。

「サトミ、支度はまだか!整列だぞ!」

OK、今行くぜ!」

いよいよ運命の試合が始まる。整列のためベンチを飛び出すサトミ、サトル、陽一、信彦、清・・・。

そして今、KICK OF!!

 

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