疾走!メガライダー

 

「みゆ〜♪」駆け寄る少女。

東サトミ、18歳。武蔵体育大学附属南武高等学校3年生。この健康的に日焼けしたちょっと大柄な女の子。彼女は、女でありながら強豪・南武高校アメリカンフットボール部ゲイターズに所属し、1年のときは全国優勝を成し遂げMVPに選ばれたほどの超パワフルな女の子なのだ。そのときの決勝点「血染めのタッチダウン」は歴史に残る得点であった。


クリスマスボウルで、生理出血に耐えながら決勝タッチダウンを決めたサトミ。それは彼女の初潮でもあった。真っ赤に染まるフッパン

2年時は関東大会決勝で敗れ全国を逃しただけに、高校最後のシーズンを控え雪辱に燃えて猛練習中だが、今日はそんななかの休息の1日。映画鑑賞に女友達と。

「サトミちゃん♪」

そしてこちらは西本みゆき、17歳。サトミの同級生で成績優秀な才媛、アメリカンフットボール部のマネージャーとしてあらくれどもをコントロールし、策を授ける天才少女だ。 全く正反対な彼女たちはそれがゆえに気が合い、まさに親友同士だった。      

「みゆ、見て、この前みゆが選んでくれたこの服♪」

「サトミちゃんなら何を着ても似合うわ」

一見何気ない女の子同士の会話であり、少女らしい可愛い服装ではあるが、わずか1年前のサトミを知る者にとっては驚きを隠せない光景である。

 というのも、サトミは少し前まで、私服をほとんど着用せず、真冬でも学校指定の体操服と男子用の短パン姿で、髪も男の子のように短くしていて、男子生徒と間違えられることのほうが多かったのだ。

 それが、あの「血染め」のタッチダウンで、彼女の肉体は「女」として目覚め、以来体にわずかな丸みがつき、服装や髪型も、徐々に女らしくなっていったのだ。その影にはみゆきのサポートも大きかった。

談笑しながら映画館を後にし、川原の土手の道を学校へ向う二人。ところが、それを遮る黒い影が!

 

「よぉ、ちょいとオレ様とデイトしてくれよぉ」

「キャー!サトミちゃん、怖いわ」二人に迫るモヒカンの男。

「何だよこのタコ!」

サトミはみゆきを庇った。

「やったなこのアマ!オレは最初から貴様をぼろぼろにしてやるのが目当てなんじゃ!アメフト部の仇じゃ!」

「あっ!お前は吉本工業の生徒だな?」

「そうともよ、オレは野球部の権田原豊蔵様だ!」

実は前日の土曜日、吉本工業高校アメフト部は、関東大会でサトミらに敗れていたのだ。

サトミを羽交い絞めにする権田原。

しかし、サトミの回し蹴りが決まった!

「やったな!」

怒り狂った権田原は、醜いサイボーグに姿を変えた。

「お前は!」

「そうともよ、オレ様は水野とかいう爺さんに改造してもらったのよ。ヒヒヒ」

「怪人サイボーグなら遠慮はないわ!ビルド☆アタック!」

サトミは、真紅の鎧を身に着けた重機動人間メガボウラーにその姿を変えた。

バシっ!ドカ!

アメフトのプロテクターを模したメガボウラーと、野球のキャッチャーを模した怪人キャッチャーマの壮烈な殴り合いだ。両者とも頑丈なプロテクターに守られ有効打が出ないなか、ついにサトミの渾身の一撃がキャッチャーマにクリーンヒットした。

「覚悟しろ!バラバラにして先生に突き出してやる!」

先生に突き出す、というのは、メガボウラーの開発者西本博士(みゆきの父でもある)によって人間に戻すという意味だ。

「畜生・・・」

サトミが、キャッチャーマを完全に制圧した。

ところが、そのとき・・・

「うっ!」うずくまるサトミ。

そう・・・今日は皮肉にも「アノ」日だったのだ。全身が機械と変わっても、その部分だけは、女のままなのだ。ちなみに、脳みそと「あの部分」以外の生身の部分は、圧縮されてコアに入っている。逆に、外付けのアーマーを除く機械部分は、普段は圧縮されてコアに入っており、「ビルド☆アタック!」のコードでそれが激痛とともに入れ替わるのだ。

形勢逆転・・・ぼこぼこにされるサトミはついに動けなくなった。そして連れ去られるみゆき・・・。

「みゆ〜!」

「サトミちゃん!」

そして数分後・・・。

サトルは、キャプテン会議で不在だった。テレパシーでサトミの危機を知り、博士とともに現場に急行したのだが・・・。

西本博士とサトルが駆けつけたときには、もうみゆきは連れ去られていた後だった。

「大丈夫かサトミくん」「サトミ!」

「へ、平気・・でもみゆが・・・」

「心配ない。あの子のめがねには発信機が仕込まれている。怪我をしているところすまないが、すぐにサトルくんとともに、この新兵器を使って追ってくれたまえ!」

「そ、それは・・!」

西本博士はサトミの破損部分を交換し栄養剤を注入すると、二人に車輪を渡した。

「これが新兵器メガホイールだ。サトルくん、やってみたまえ」

「はい、先生」

サトルは、メガホイールにエネルギーを注入するとタイヤが膨らんだ。これをひとつは手にもち、もうひとつは脚に挟んだ。

すると彼はオートバイに姿を変えたのだ。

「名づけて、メガライダー!」

「このホイールは、使わないときは腰のフライホイールに仕舞えるになっている。これからは、いつでもメガライダーになれるのだ」

「サトミ、お前も早く!」

「でも・・」

サトミは失敗してこけてしまった。

「がんばれ!」

「よーーしっ!」

サトミも、メガライダーに颯爽と変形した。

「サトミ、埋立地だ。みゆきちゃんが心配だ。急げ!」

「OK♪」

 

爆走するメガライダー。

そして、埋立地の作業小屋にそのまま突進した。

「おのれっ!」

キャッチャーマこと権田原は応戦する。しかし今度は21だ。

サトミのキック、サトルのパンチが。

サトミのキックが炸裂している間に,サトルはみゆきを助け出した。

「おのれ・・・・!まあいい、そんなメガネブスはお前たちをおびき寄せるためのえさに過ぎない。オレ様の目的はただひとつ・・・サトミちゃん!キミのあそこにオレ様の鋼鉄のバットをねじ込むことだけなんだよ・・・イヒヒ・・」

「キモイ!死ね、このタコ!」

「みゆきちゃんをブス呼ばわりするとは許せない!謝るんだ!」

「黙れ、貴様から血祭りだ!」

権田原は巨大化して、サトルを踏みつけようとする。

「サトミ、僕たちも合体だ」

「OK、」

しかし・・・。

手足が伸縮するキャッチャーマに阻まれ近づけない。

「サトミ、メガライダーだ!」

「でもサトル・・・」「いいから僕の言うことを聞くんだ!」

二人はメガライダーに変形した。

 「イヒヒ、卑怯者め、逃げるつもりか?」

「僕は悪から逃げたりはしない。行くぞサトミ!」

「ライディング・ジェミニ・シンクロン!」

二人は、限界まで肉体をオーバーヒートさせるまで走り回り、空中に跳んだ。そしてそのまま、合体したのだ。

「勝負だ権田原君!」

「おのれ、貴様ら・・・合体したらサトミちゃんとやれなくなっちまうじゃないか!」

(サトミ)キモ〜!絶対倒してやる・・・

 

巨大な力のぶつかり合い。しかしパワーは権田原の方が強いようだ。

しかし軽快なフットワークでついに、キャッチャーマスクを叩き割った。

しかし、バットを持ち出して殴りつけるのに苦戦。

「そっちが武器を使うなら・・・僕だって!」

サトルは、腰のフライホイールからメガホイールを取り出した。

「メガホイールにはこういう使い方もあるんだ。覚悟しろ!」

「うわーーーーーーっ!」

メガホイールを丸のこ代わりにした攻撃で、権田原は真っ二つになって絶命した。

 

分離した二人は、改めてみゆきを助け起こす。

「もう大丈夫だよ」

「でもわたしとサトミちゃんのお洋服が・・・」

「大丈夫さ、ちゃんと元と同じものを持ってきたよ。あっち向いているから、早く着替えて」

 

「さあ、来週はまた試合だ。ミーティングに戻ろう」

サトルはサトミとみゆきを両手に花状態に、学校へと戻るのであった。

「もう、サトルったら・・・」

「サトルくん・・」

ちょっと鈍感だけど完全無欠のヒーロー、サトル。

火の玉のような真っ赤な情熱の女戦士、サトミ。

そして天才少女のみゆき。

これからも、三人力をあわせて悪と戦うのだ!

 

続く