メガボウラー第17話 「新・アタック南武は1!」
南武高校アメリカンフットボール部の合宿も中日を過ぎ、部員たちにも疲れが出てきていた。だが・・・・・・・・!
今朝の部員たちの張り切り方は尋常ではない。いつもにもまして早起きして声を出して練習に励む・・・・。何故か?
それは、隣接する体育館に、今日から女子バレー部が合宿に入るからなのだ。江川由美に率いられた女子バレー部は「関東の魔女」として恐れられ天下無敵。全日本にも名選手を多数輩出している。そして、前キャプテンの由美もまた、全日本メンバーであり、かつ卒業後は常陸と並ぶ強豪帝急(帝都急行電鉄)入りすることが内定しているのだ。そしてその予算は南武高校最高であり、練習も異常な激しさだった。
(上半身裸で下ブルマで、野外でクレーンを使って鉄球をブロックしたり、ジャンプ力をつけるため、ある高さに手の先端が到達しないと着地地点に剣山がせり出すなど、とても高校女子の練習とは思えない)
そして、今回、屈強の男子揃いのアメフト部員に訓練の相手をしてもらうためもあり急遽合宿に入ったのだ。同校男子バレー部はまったく歯がたたず、周辺の女子チームなど相手にもならないのだ。彼女らにまともに相手出来るチームは、狂兵率いる(狂兵は人名)中国かキューバぐらいのものだ。
さて・・。アメフト部員たちの多くは、みだらな妄想を立てていた。裸ブルマ・・・。練習の相手ということでドサクサにまぎれていやらしいこと・・。風呂を覗く・・・・。やりたい放題だ。いくら彼女らが超人的特訓を重ねようとも、彼らはそれ以上のパワーがあるのだ。(ただしパワーのみ)
さて、バレー部の到着のときかっこいいところ見せようと張り切るアメフト部員たちの前に、ついにバレー部がやってきた!しかも、バスではなく、全員ユニフォーム姿にリュックを背負い、川崎からここまで走ってきたのだ。中でも可愛そうに一年生の中にはネットの鉄柱を背負わされた子もいる!全員汗だく。だが、その目は異常に輝いていた。
新キャプテンの大森知子(身長1メートル90センチの長身と、高く結んだポニーテール、そして異常にハイレグに改造した変形ブルマを穿いた大女)が、あいさつにやってきた。数分後に車で駆けつけた前キャプテンの由美が子供に見えるほど大きい。大男揃いのフットボール部員も、負けている者の方が多いほどの長身だ。(こっちのキャプテンは2メートルあるけど)
「今日から厄介になるけど、よろしくね!」その巨体とは似合わぬさわやかな挨拶を交わし、西本キャプテンと(注、アメフトは秋〜冬がシーズンのためまだ引退せず)と握手を交わした。毛の手入れは完璧らしく、すごいハイレグにもかかわらずちょろはなかった。
そして、その巨大な、しかし引き締まった尻を振りながら宿舎のほうへ。部員たちは釘付けだ。
「貴様ら!足を止めるな!グランド10周!タックル100本!」剛の怒号が飛ぶ。部員たちは冷や汗をかいて練習に戻った。
その夜、早速バレー部の覗きに行った部員たち・・・。その中には、サトルも含まれていた・・・・。
しかし、そこで見たものは・・・・。「男?」節穴から覗いた部員が見たのは男と思われる背中だった・・。
「こらーーーーーっ!」頭上から洪水が降ってくる・・。くだんの「男」は、サトミだった。
実は男所帯のアメフト部の宿舎には女風呂がないため、サトミやマネさんたちは個室のシャワーで我慢していたのだが(サトミはたまに堂々と男湯に入ってくるけど・・。)事情を聞いた知子らが、銭湯顔負けの豪華さ(予算がちがう)を誇るバレー部宿舎にアメフト部女子一同を招待したのだ。そして、覗きというサトルたちの野望はバレバレで、ワザと覗ける場所にサトミが座り、かつひもひとつで水をかけられる装置も完備していたのだ。
「ばーか。オレの裸なんていつも見てるだろ?」飛び出してきて悪態をつくサトミはすっぽんぽんだった・・。
「アメフト部の男どもって野蛮ね。サトミちゃんはあんな連中と一緒になって練習してて、変なところ触られたり押し倒されたりしないの?」
「押し倒されるのはいつもだよ。でもそれはつきものだから・・・。それにちょっとエッチだけどみんな本当は紳士だし・・・。
それに・・・。誰もあたしのこと女だなんて思ってないし。見たでしょ、あの態度。いつも裸見られてる(見せているのが本当)けど、起っている奴なんて一人もいないし・・・。」
「やだ。サトミちゃんが一番エッチなんだ。」
サトミと並んで体を洗う部員の顔・・・。どこかで見た顔。何と、ライトニング姉妹。のやっすぃ〜こと安川瞳だ。元々中学時代は強豪玄徳女子のキャプテンをつとめ全国大会ベスト4に進んだ彼女だったが、高校進学後背が伸びず、バレーを諦め自暴自棄になっていたとき、友達が勝手にオーディションにエントリーしてライトニング姉妹。の一員となったものの、バレーへり未練は断ち切れず、この前の事件でサトミと知り合ったことをきっかけに、スポーツの大会への出場を以って体育の単位となり、教科科目はレポートでもいい南武なら、芸能活動(これも単位認定となる)と学業を両立でき、かつバレーも出来ると判断し、この合宿が始まる直前に、転入してきたのだ。そのことを、合宿で学校に行っていなかったアメフト部員たちは誰も知らない。
さて、ボーイッシュでスポーツ万能の美少女で性格もからっとしているなどサトミとキャラのかぶるやっすぃ〜は、サトミとはすっかり意気投合して、いつのまにか数年来の親友のようになっていく。
さて、場面かわって翌日の練習・・・。
「なんだ?こりゃ・・・・」
防具を貸してほしいとの申し出に応じたのだが、下半身は赤ブルマ、上半身はメットとショルダーという格好のバレー部員たちを見て一同絶句した。これから、超高速スパイクマシーンからのボールをレシーブする特訓をするのだ。そのため、慣れていない新人にはせめて防具ということになったらしい。みんな長身の肉付きのいい若い女の子なのでふとももがまぶしいのだが、上に防具をつけアイシールドつきメットをかぶっているため、誰が誰だかわからない。「いいふともも!」と思ったら弾き飛ばされたメットの下は激ブスだった、ということもあった。
そして、今度は中学でバレーの経験がある部員との模擬試合となった。
ひとりのバレー部員がメットを脱ぐ。
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
やっすぃだ・・・・。
汗をぬぐい髪を掻き揚げた瞳は、テレビで見る以上の可愛さだった。しかも、少し背が伸びて肉付きもよくなっている。
「くそっ。逆にフットボールならば・・・。」欲望とは恐ろしい。
さて、亡き母がもとバレー全日本ということもあり、アメフト部チームにはサトルとサトミも加わった。
一進一退の攻防!なかでもサトミは前キャプテンからの引き抜き工作があったほど、というよりほとんど一人舞台。彼女は生まれながらにしてバレーの素質があるのだ。もし母が生きていれば、当然アメフトはサトルだけに仕込まれ、サトミはバレー選手としての英才教育がされたのに違いないのだ。珍しく穿いているブルマも意外と似合う。
[サトミちゃん・・。なかなかやるじゃない!今からでも遅くない。アタシといっしょにやろうよ!]
「やっすい〜こそ!ブランクが感じられないぞ!」二人はほかの10人を無視して一対一の世界に入ってしまったようだ。
そしてその夜・・。またしても懲りずに覗き・夜這をかける輩ども・・・。
だが、突然、体育館の方から火柱が!
そこには、何と倒したはずの多々良魔子が!いや違う!より凶悪な女サイボーグ。しかし何故ここに・・・。
以前多々良魔子との戦いのとき、魔子のパーツとなっていた女たちがいたが、そのうちの一人だけが爆発のとき死亡せず、脳隋カプセルが水野によって回収され、麻子の残骸を元に強化改造と生態部分の再生を施され、南武高校バレー部に復讐しにきたのだ。
アメフト部員たちとバレー部の2・3年生、そしてやっすぃはサトミたちがメガボウラーだということを知っているので、二人は躊躇なくビルドアップして怪物と戦った。しかし、前回の戦いで弱点を全て強化されているバレーボーグマーク2は、二人の攻撃をまったく寄せ付けず、とくにバレーの経験が少ないサトルはレシーブできずに苦戦。一方サトミは、軽装タイプにチェンジして、すばやい動きでおっぱいミサイルをはじき返していく。今回まったく頼りにならないサトル。
しかし苦戦は続いていた。
そのときである。サトミのほかにもう一人、ミサイルをレシーブし、サトミに対してトスを上げたものがいる。
「チャンス!」メガボウラー・レッドギアライトタイプ(バレーのユニフォーム風)のメカニックパワーのスパイクが敵の顔面に命中!顔かせ割れてメカが露出、スパークした。しかしトスを上げたのは・・・。やっすぃだ。彼女もまたサトミと似たアーマーをつけている。前回の戦いのとき、西本博士と親しくなった彼女は、生身の人間でも装着できるアーマーを作ってもらっていたのだ。これで西本が開発した装甲戦士は4人目だ。
(剛の変身したメガボウラージャイアントを含む)
形成大逆転!あわてて巨大化した敵に対し、こちらもギガボウラーに合体。こればかりは生身のやっすぃ〜はできない。だが、案の定バレーの動きについていけないサトルのせいで苦戦してしまった。だが、そこで西本の指示が。
「瞳くんを収容して戦うのだ」
「え?」半信半疑でコアを開くと、やっすぃが吸収される。ついに、ギガボウラーにやっすぃ〜も合体した。そういえば、以前加納狂子を倒したとき、美佐を同じように収容して戦ったことがあった。サトルは体半分自分のものなのに、完全にのけ者にされてしまった。
そろそろ決めるよ!
敵のミサイルを掴み取り、それを芯にコアからのエネルギー球体(普通はそのまま打ち出すコアフラッシャー)をつくり、これをサーブ!
敵サイボーグは燃え尽き、われらの勝利となった。
「やっすい、やるじゃん。オレヘボ兄貴とのコンビ解消してやっすぃと一緒に戦おうかな」
「いいね!賛成!でもその条件としてサトミもバレー部に入るってのはどうだ?」
「やっすぃまで・・。勘弁してくれよ・・!」
ハハハハ・・・・・・・!
笑いの渦が巻き起こる。南武高校バレー部、そしてメガボウラーチームに頼もしい仲間、やっすぃ〜が加わった。
ライトニング姉妹。のみんなも、スケジュールなどで全面的に協力してくれたおかげで、バレー部でのポジションもとることが出来、身長も急激に伸びて177センチになった。
南武高校に、新しいヒロインが誕生したのだった。
第17話・完。(くそーっ!ボクは主人公なのに今回まったくいいところなかったぞー)Byサトル・・・・。