メガボウラー第6話 「超ド級姉妹の逆襲・中篇」

 

 ――――ここは西本研究所の手術室。―――-

加納響子との戦いで傷ついたサトミは、手術台に横たわっていた。頭に半球状の透明なカプセルがかぶせられ、体中になにやらケーブルが接続されている。周囲のモニターに映し出される体内回路図や心電図、脳波図。

心配そうに見つめるサトル、剛、大介、そして美佐。西本の執刀のもと、再改造手術が行われようとしている。

みゆきは、看護婦役で手伝っている。

「よし、ここさえ無事なら・・・」

 西本は、サトミのクリトリスを電極になっている鰐口クリップではさむと金属性の大陰唇が左右に開き、改造されていない淡いピンクの小陰唇、膣が露になった。そこになにやら怪しげな物体を挿入。しかし硬く目を閉じたサトミには反応は無い。

 「ピピピピ・・・」物体は生体機能テスターで、生殖能力、再生能力を調べるメカだったのだ。

「うん、これで一応はたすかるぞ。」

 幸い、命だけは取り留めたようだが、

「メカ部分の修復はすぐ終わるが、生体部分の再生に予想以上の時間がかかる。幸い再生そのものは可能なのだが・・・・・・」

 「博士!じゃサトミは・・・」博士につめよるサトル。

そのとき、「サトミちゃんがこうなったのも元はといえば姉のせいです。責任をとって私が決着をつけたいので、どうか私を改造してください」と美佐が申し出たのだ。

 「美佐さん!」「加納さん!」一堂驚く。(大介はにやける)

 「お断りする。私は医者だ。怪我や事故で肉体を失った者を改造して救うことはやぶさかではないが、健全な肉体を切り刻んでまで改造する権限はない」

 「そうよ。お父様は命を救うために改造手術をするけど、その後ちゃんと肉体を再生しているのよ。内緒だけどここにいる松崎くんもそうなのよ。改造は肉体が再生されるまでのつなぎの手術なのよ」とみゆきも言う。

 「で、でもそれではわたくしの気持ちが・・・・それにサトミちゃんたちはずっとサイボーグのままなんでしょう。ならばわたくしも・・・・」と泣き崩れる美佐。

「美佐さん!」

 美佐が涙ながらに語るには、響子と美佐は実は腹違いの姉妹で、父を奪った美佐と美佐の母を響子は逆恨みしていること、美佐と違って響子の胸は人工豊胸されたもので、幼い時から母の愛に満たされ、恵まれた体格を持つ美佐にコンプレックスを抱いていたこと、そして豊胸後人が変わったように明るく、自己顕示欲の強い性格になったこと、などを語るのだった。そして、その歪んだ性格は妹の自分にある、というのだ。しかも、響子はサトミが女だということを初めから知っていて、かつて自分がいじめっ子から貧乳をからかわれたときと全く同じシチュエーションで意地悪した、とも語るのだった。

 その場にいる一同が、華やかさの陰にある暗い影にもらい泣きするのだった。

 「よろしい。あなたを改造することは出来ないが、ちょっとの間その体を貸していただく。」

西本が言うには、美佐の体を圧縮してサトミのコアにセットすれば、再生の間に合わない生体部分を補って余りある力を発揮できるのだという。しかし、失敗すれば、二人とも死んでしまうというのだ。非常に危険な賭けだった。

 「そんなことできるわけが!」一同反論するが、

「お願いします。」の一言で決行されることになった。

 美佐は、惜しげもなく衣服を脱ぎ捨てると、そのはじける肉体が露になった。張りのある巨大な胸。くびれた腰。パーフェクトな女体だった。改造すれば、響子以上のセクシーサイボーグになるだろう、という妄想もあったが、医者としての倫理観が打勝った。

 カプセルに入った美佐を液体が包む。そして高圧電流が流れると、みるみる圧縮されてテニスボール大の肉団子になった。(その経過。カプセルの中の美佐の頭と胸、ヘソ、膣、尻穴に差し込まれた電極。満たされる謎の液体。全身が絞られるような快感と激痛。しかし声を出すことも出来ない・・・生まれてはじめての新鮮な、それでいて不思議な快感と苦痛。生死をさまよっていたサトミと違い、意識がある美佐ははじめてこの感覚を味わうに人間となった

 これをテスターにセットする。「成功だ。生きている。」これこそがメガボウラーの秘密の一つである生体コアだ。

この状態で人間としての全機能を維持しつつ、極限まで圧縮してサイボーグの中枢パーツとするのだ。

 もちろん、培養器にセットすれば復元できる。ただし、このコアから頭脳部分を独立して作動させるのは難しく、そう簡単にメガボウラー式サイボーグを作ることはできない。

 さて、この美佐の肉体を借りたコアをサトミの腹をパカッと開いてセット。あとは覚醒を待つのみ。かくして貧乳ヒロイン・サトミと巨乳クイーン・美佐はまさかの合体を果たした。

 また、この前の戦いで破損したレッドギアの修復はいま少し時間がかかるため、今回の作戦専用のアーマーが急造された。

 実は、圧縮される前、美佐は「奥秩父の別荘に姉がいるはずだ」と貴重な情報を提供してくれたのだ。

「サトルくん、剛、今回は徹底的にやるぞ。おそらくその別荘はデストラーゼの拠点になっているに違いない。別荘そのものか極近くに基地かプラントがあるはずだ。そこで、響子の始末はサトミに任せてお前たちは基地を叩くのだ!

 「それはいいや。」「さすが親父」

こうして女の戦いのリベンジマッチのお膳立ては整った。

 

 一方、加納家の別荘では、同じように響子が水野のメンテを受けていた。こちらは脅威の回復力で外観上の損傷はない。なんと、響子の体は前回のラストでもわかるように、男の生態エキスをそのエネルギー源とし、さらに生体部分の再生には男の肉体そのものを取り込むことによって可能となるおそるべき女王ボディとなっていた。

 実は最初に豊胸手術をしたのも水野だった。そして、響子に全てを吸い取られた男たちの抜け殻は、水野によってデストラーゼの戦闘員に改造され、活用されるのだ。 

 それにしても妹に対する嫉妬から肉体を加工して行った響子は遂にはその全身を悪魔に売り渡してしまったのだ。

チェックは終わったようだ。水野に呼ばれてやってきた一人の男が、彼の指示で響子を犯すことに。絶世の美女を抱いてもよい、といわれた男は喜び勇んでベッドにとびかかる。はじめ冷たくピクリとも動かなかった響子だったが、男の激しい腰使いに心臓が動き出し、激しく悶え、ベチョベチョにぬれながらみだらな声をもらしつつ、自ら腰を振り、男の貧弱な体を強く抱きしめてきた。そしてまもなく、男は干からびたミイラのように朽ち果てて、動かなくなった。

 「その木偶を第二研究室に運んで改造しておけ」と水野は助手に指示した。男は、改造され響子の奴隷兼宇宙海賊の三下にされてしまうのだ。(その前に至福の瞬間を迎えただけでも幸せか)

 「おめざめですか?クイーン」

「先生、もっとましな男いないの?ちょっとものたりなかったわ」

 「もうしわけない。なにせあまり派手に人を攫うと今後の作戦にも響くので・・・」

「それより、美佐を殺りそこなったわ。ここをボウヤたちにかぎつけられるのも時間の問題よ」

「ご心配なく。今回のボディチェックでチューンナップをしておきましたよ。フフフフ・・」

 「ほんとかしら?うそだったらただじゃおかないわよ」

 

こうして両陣営の女サイボーグの臨戦態勢は整った。次回こそ大激突!乞うご期待!