ストーリー2

 

此処は南武高校の廊下。 「まてーっ」短パン姿の生徒がものすごい勢いで走ってくる。その後ろを金切り声をあげながら赤いブルマ姿の長身の女が追う。追われている少年はぶつかりそうになった他の生徒の頭を手で押さえると「馬跳び」の要領で飛び越える。そのとき彼が短パンの裾から一瞬チラリと見たものは・・・男のむさいブリーフ・・ではなく、なんと女の子のあそこ・・クリトリス剥き出し!の。「ラッキー」と思う暇はなかった。続いて突進してきたデカイ女にもろに追突された彼は、絡まりあうように転げてそこで意識を失ったからだ。

それを振り向きざまにあかんべーしながら先ほどの少年・・いや女の子は「じゃああたし部活あるから・・」とウインクして走り去っていった。

さてもがいている男が目を覚ますと・赤いブルマの股間に頭を突っ込んでいる。「ヘンターイ」ブルマの女に思い切り蹴飛ばされまたしても昏倒する男。運がいいのか悪いのか。

今日は彼にとってまさに女難の日である。

 

さて、ここはアメフト部部室。「あーあ遅れちゃった。キャプテンになぐられるー」。急がなっきゃ。彼女はいきなりTシャツを脱ぎ捨てた。胸は殆ど膨らんでいなく、ショートカットに焼けた肌と相まってまるで男の子だ。だがしかし・・・次の瞬間おもむろに短パンをズルリと引きおろすとそこには・・・純白のパンティどころか大き目のクリトリスがちょこんと顔を出した半開きの秘部が!周りにはまだ着替えている男子部員が何人かいる。

と、いうよりここは男子更衣室なのだ。

「ば、馬鹿。女子更衣室はとっ隣だっ。」赤くなりながらも叱り飛ばす先輩部員。

「べーだ。あたしここに入るとき、「入部した以上女扱いはしない。少なくとも部活の間はお前を男として扱う。女だから・・という甘えが少しでも見えたらマネージャーになってもらう!」って言ったのは先輩ですよねー」。と言うまもなく、さっさとプロテクトギアを装着し、戦士の姿に早代わり。見ていた他の部員たちは内心「もっとまじまじとみたかったなぁ」と思う反面、あそこを見るまで女だと判らなかったとは・・とか、「あいつのじゃなかったらもっとよかったのにな」とか勝手なことを感じながらグランドに駆け出していった。結局一番後になってしまったのはあの口うるさい副キャプテン。

「ばあーっかもん!」副長の貴様が一番遅れるとは後輩たちに示しがつかん!歯を食いしばれーっ!」あわれ副キャプテンはキャプテンに張り倒されてしまった。

「よーし今日も気合いれていくぞー!」「おー!」アメフト部の勇ましい練習が始まった。

さてここはうって変わって第一体育館。(第5まである)女子バレー部のキャプテン江川由美は悩んでいた。今度の日曜日にライバル露平館高校との練習試合を前に、部員たちの間に食中毒がおきてしまい、ベストメンバーが組めないのだ。由美は小学校からバレーを始めて以来、負けたことが一度も無い。男子チームと試合をしても勝てるとさえ思っている。

また、周囲も「赤ブルマのお由美の前には敵はない」と、全幅の信頼を彼女によせていた。しかしバレーは集団競技。最低でも6人必要だ。むろん層の厚い南武のことレギュラー以外でもよそならエース、もいくらでもいるのだ。しかし相手が露平館、となると話か゛違う。由美の人生最大のライバル多々良魔子が率いる露平館は常にインターハイ決勝でフルセットの末やっと倒してきた強豪チーム。しかもさきごろの練習試合ではサービス権を一度も奪われることなくストレート勝ちし、しかも相手チームの全員を再起不能にする、というバレーの常識では考えられないようなことをやってのけたのだ。

「欲しい。あの娘の跳躍力。男子に混ざっての激しい競技に耐えられる強靭な体力と精神力。あの子とあたしの二人さえいればのこりの4人は二軍レベルでも勝てるわ」

夜8時。キャプテン西本剛は家に着くと父である西本博士に「これを見てみろ」と、新聞の切り抜きを見せられた。1月前の露平館対京都女学館の女子バレーの試合の記事だ。

「この多々良という女、気になる」と博士。

「おっ親父!そんな化け物のどこが・・」多々良麻子は、サトミとは別の意味で男みたいな女だ。というよりまるでアントニオ猪木にHカップ級のバストがついたようなゴリラのメスみたいな、とても18歳の少女とは思えない。

「ばか者。私は医者で科学者だぞ。それに私は母さん以外の女性に女としての魅力は感じないのだ。気になるのはこの女の人間離れしたパワーだ。ゴリラなみの体とはいえ女子高生のスパイクを受けただけで手首の骨が粉々になるとは・・・。どうだ、これはデストラーゼだとは思わんか?」

「いわれてみれば・・・もしかするとこの女、俺様より腕力があるかもしれない。生身の女だったとすれば異常なやつだ。あっ、そういえば親父、今度の日曜うちと露平館試合だ。」

「何!すぐサトルくんとサトミくんを呼んでくれたまえ!」

10分後呼び出しを受けたサトル&サトミは西本クリニックに到着した。

「キャプテン、急になんですか?特訓か何か?」「オレっいやあたしもうつかれちゃったな。赤ブルマと鬼ごっこもしたし。」「それともデストラーゼ?」

「そのとおりだ。」博士は息子に語ったことと同じことを二人に語った。

「おそらくあのゴリ女はデストラーゼのサイボーグだ。しかし女子バレー部をつぶして何の目的があるのだろう?次の標的はわが南武高校だ」と博士。

「サトミ!」剛が大きな手を肩にのせて言う。「お前は明日から練習にこなくていい。代わりにバレー部の応援にいけ!」

「いやっ!あたしはアメフト部員だよ。それにブルマはくのいやだし何よりあの大女と一緒にスポーツやるのなんてごめんよ!」

「なんなら僕が女装して行きますか?。ブルマはいてオレはサトミだって言えばばれないと思いますよ。」

一同「お前そんな趣味あったのか?」

「いや妹を思うやさしい兄の心遣いですよ」。

「いややはりサトミくんでなければならない。そして日曜日に奴らの真の目的を暴くのだ。幸い会場はうちの体育館だ。剛とサトルくんも練習を早めに切り上げてスタンバイするのだぞ。」

次の放課後・・・体育館に向かう渡り廊下で男子たちが振り返る。「おい、うちのバレー部にあんなマブい娘いたっけ?」「いやー可愛いな。オレバレー部入ろうかな。」「馬鹿お前元々バレー部じゃないか」「あっそうだった。うちの学校結構封建的で男尊女卑ぽいけどバレー部だけは女子の天国だもんな」「そうそう男バレは女子の雑用係り」

真っ赤な、真新しいぴちぴちのブルマをはいたショートヘアの女の子。普段は短パンをはいているのか日焼けのあとがまぶしい。しかしブルマとは不思議なユニフォームだ。この少女はなんとあのサトミ、あそこを見せ付けない限り女だとわからない者がいるほどの「少年」、男女のサトミなのだ。

「あっあのー 1年3組の東と言いますけど・・・バレー部に入れてください!」

「あーっ!あんた!やっと自分の才能に気づいたのね。あんたはたった今からレギュラーよ」由美は泣き出しそうに感激した。「これで麻子に勝てる。この娘なら3日でどのポジションでも日本代表クラスになれるわ」由美はもちろんデストラーゼのことなど知らないし、多々良麻子の怪物的パワーを不思議だとも思っていない。彼女の頭にあることは勝利の2文字だけだ。

「ワン・ツーアターック」。由美の期待通りサトミは素人とは思えないセンスを発揮、奮発した他の部員たちも絶好調だ。一方、アメフト部では・・・いつもと変わらぬハードな練習が繰り広げられていた。タックル、パス、ディフェンス、対ショットガンディフェンスetc・・・実はサトミはいつもこの脇でひたすらパントの練習をしていたのだった。キッカーというポジションは他の選手との激突の可能性が低いため本場アメリカでも女の子がどうしてもアメフトをやりたい、またはメンバー不足で女の子を入れなくてはいけないときにあてがうことの多いポジションである。サトミも実はサトルとのコンビプレーのできるレシーバー希望だったのだが、剛の判断でキッカーとされたのだった。

「東!どうしたいつもの気合がないぞ!サトミがいないとやはり寂しいか?」「いっいえそんなことないっす」でも本当はそのとおりのサトルくんだったのでした。

そしてついに運命の日曜日がやってきた。強豪校同士の試合とあって練習試合とは思えないほどの観客がぞろぞろと集まってきている。報道関係者に混じって全日本の徳川総監督と女子の河田監督、そしてなぜか野球の巨神軍監督でオリンピック全日本監督でもある国民的ヒーロー、永島監督も来ている。しかし西本博士はそのなかに意外な人物を発見し、急に青ざめた。「みっ水野先生・・・・・」水野昇博士・・彼こそが日本においておそらく初めて本格的にサイボーグの研究に取り組んだ人物だろう。かくいう西本博士も元々は水野教授の弟子だったのだ。しかしかれは本来のスポーツ障害で手足を失ったり健康を著しく損なった者に社会復帰の手助けをする、という目的をわすれ、その技術を軍事目的に転用しようとしてこれがリークされ、医師会からも学会からも追放され、失意のあまり自殺したはずだったのだ。しかし今目の前にいる御茶ノ水博士そっくりな老人はまぎれもない恩師、水野なのだ。「あの化け物女は水野先生が改造したにちがいない。」西本は確信した。

しかし、恩師である水野が自分と同じく人体改造の技術をもっているのはまだ理解できるとして、なぜ元々スポーツ外科の権威だった彼がサイボーグを使ってまで将来有望な選手をつぶそうとするのかが理解できない。背後にデストラーゼの影があるのか、それともこれは第一助手でありながら学会にとどまり彼にとってかわって権威となった自分に対する挑戦なのか?

さて西本の思いとは無関係に試合は始まった。幸いにも先攻は南武。由美とサトミの即席コンビの活躍でまずは10-0と絶好調。しかしふとしたミスからサービス権を奪われてしまうと、まだ他の選手のスパイクなら大丈夫だが・・ついに多々良が前衛に回ってきてしまった。そしてその強烈なアタックは・・・間違いなく由美を狙っている。しかも、はじめから中てるつもりだ。由美はバレーを始めて初めてボールに恐怖を感じた。屈辱的なできごとだった。「無敵赤ブルマのお由美」がはじめてボールから逃げたのだ。次も寸部たがわず由美に。しかし由美を突き飛ばしてこれを受け止めた者がいた。われらのサトミだ。レシーブしたとき骨が砕けたのではと思う激痛が走る。しかし何とかこれを上にクリアするとわれにかえった由美がすかさず打ち返し、サービス権を奪取した。そして南武校はタイムをとった。

「キャプテン、あのゴリ女普通じゃない!」「みんなしっかりするのよ!確かに麻子はゴリラなみだけどあたしたちと同じ女子高生よ。なにもおそれることはないわ」でも本当は狙われている自分が一番怖いのだったが幸い誰も気づいていないようだ。

「オレにまかせて!」サトミが叫ぶ。彼女も多々良がサイボーグだと確信した。

タイムアウトの後試合が再開された。白熱した試合の中今度は多々良にサーブ権が回った。そのサーブは・・・・何と漫画みたいに観客席最前列のコンクリートを砕いてしまったのだ。騒然となる会場。しかし試合は続行され、ついにその凶弾は由美を直撃・・・寸前サトミの機転でわずかに急所ははずれたもののもんどりうって倒れてしまった由美。

そして多々良麻子は・・全身から白煙を出している!ついにサイボーグの正体を現した多々良はオッパイを取り外してこれを手当たり次第にスパイクして体育館を破壊・(次々新しい乳房もとい爆弾が生えてくる)しかし意外と人的被害は少ない。こんなこともあろうかと西本が手を打っておいたのだ。剛たちアメフト部員の誘導で混乱もなく避難を終えた観客たち。不幸にして怪我をしてしまった少数のものたちは西本クリニックの看護婦やみゆきがかいがいしく手当てをしている。そして、外では僕らのヒーロー、メガボウラーT号・ブルーギア=サトルがスタンバイしており、体育館の中に飛び込むと多々良麻子に飛び掛り、「今だサトミ!みんな避難と混乱で見ていない。ビルドアップだ!」「オーケー!」

「ビルド・アップ!」サトミの体が赤い火の玉に包まれたかとおもうやメガボウラーU号・レッドギアの雄姿が。二人はうまく怪物を人気のない裏山の方に誘導すると、得意のアメフト技でメカ多々良麻子を翻弄する。ブルーギアのショルダータックルが決まった!かにみえたが・・・びくともしない。逆におっぱいミサイルをまともにくらって転倒してしまった。今度はレッドギアのキック!だめだ。これも効かない。サイボーグとはいえこいつは本当に女なのか?今までデストラーゼの怪人サイボーグを何体か倒してきた二人だがこんなにつよいのは初めてだ。苦戦するふたり。

 その時「麻子!あたしよ!由美よ!どうしたのよ!去年のインターハイでうちに負けたのがそんなにくやしかったの?そんなロボットみたいな格好してないでもう一度コートで勝負よ!」と由美が叫ぶ。しかしすでに改造され悪魔の兵器と化している麻子にはその言葉は通じなかった。もはや一思いに息の根を止めてやったほうが幸せかもしれないと考えた彼女はメガボウラーにアドバイスした。「頭よ!頭!あいつは自分より高い奴と対戦したことがないから高いところからの攻撃には弱いはずよ!」言い終わるか終わらないかのうちに至近弾が炸裂して由美は気絶した。

「頭・・・」ありがとう由美さん。「サトル!聞いたよね今の!あたしを思い切り放りなげて!」「おっおう!」怪力を誇るメガボウラーT号ブルーギアがレッドギアを高く放り投げる。レッドギア=サトミは回転しつつ急降下!メスゴリサイボーグの脳天に必殺パンチが決まった。ふらふらになる敵。しかしまだ決定的ダメージにはなっていないようだ。

「サトミ、1週間バレー部でなにを練習してきたんだ。それを活かさない手は無いぞ。メガボールだ!」「ボール?」「そうだ、俺たちのボールを奴に打ち込むんだ。」「あっそうか!」二人「メガボール・セットゴー」二人の腹のカバーが開きエネルギー体が飛び出す。これをいつもはサトルが地面にセットし、サトミがキックして敵に炸裂させるのだが今日はこれを丸めてトスし、スパイクするのだ。ワン!ツー!アターック!やった!メガボールはサイボーグ多々良麻子に命中!大爆発を起こした。

 し、しかし・・・。謎の老人がリモコンボックスを操作するとその残骸はゾンビのように立ち上がり、更にどこから現れたのか露平館の選手たち5人がサイボーグ体にチェンジすると麻子のゾンビサイボーグ体を中心に合体して二人の前に立ちふさがったではないか!

「サトミ!おれたちも合体だ!」「OK!でも今日はあたしにまかせて!」

「ジェミニ・シンクロン・ビルドアップ!」二人がうでをクロスさせると見る見る巨大化してギガボウラーとなる。見よ!兄妹の合体パワーを!(通常合体時はサトルが右側になり戦いを主導するが今回はサトミが右、つまり右半分が赤、左が青のギガボウラーになった。)

女同士の壮絶な巨大肉弾戦!とはいえギガボウラーは外観は男性型だし敵も決して美しくはないが・・・・。ビューナスAVS銀嶺ロボみたい、とはいかないものですな。

 敵は次々と胸から爆弾を発射してくる。なぜか斧を振り回して攻撃してくる。ギガボウラーは巧みにこれを回避。(サトミが主導するときは、小回りや細かい動作が得意で、サトルのときは力任せの戦い方になる)逃げてばかりもいられない。最後の手段だ。ギガボウラーはブリッジの体勢をとると股間のカバーを開き、メガシャワー波動砲を発射した。虹色の光線が敵を包む!こんどこそ完全に敵は粉砕された。(注)

 

 

 合体・変身をといた二人と、いつ気がついたのか由美の3人は残骸の中のペンタントを見つけて拾うとそこには中学時代の由美と麻子の写真が。

「麻子。あんたは馬鹿だよ。こんな死に方して。あれほど一緒にオリンピック出るって約束したのに・・・・」

 実は麻子は2月前交通事故で重傷を負い、謎の老人水野博士によって改造されていたのだ。デストラーゼの地球エージェントとなった水野は、麻子たち魔女サイボーグを使って優秀な選手を怪我させて水野が密かに関係している病院に運んで改造し、デストラーゼに売り飛ばそうとしていたのだ。

 戦いは終わった。だが、敵のサイボーグとはいえ自分と同じ女子高生が改造されていたこと知ったサトミの心は晴れないものがあった。

  次の日、何もなかったかのようないつもの学校生活が始まる。サトミはフットボール部に戻った。そこに由美が訪ねてきた。「東さんきのうはありがとう。もう無理にバレー部に入れとはいわないけど・・・あなたのバレーセンスは最高だわ。試合のときだけでも助っ人に来てくれないかしら?」「いやだよーん」「こいつー」。取っ組み合いが始まってしまった。「先輩、女って怖いですね。」「いや、そんなことは無いがこいつらは特別だ」

サトミ&由美「何かいったー」

終り。しかしデストラーゼと水野教授がいる限り第2・第3の多々良麻子が生まれるかわからない。いやもうすでにいるかもしれない。いやきっといる!君の町のアスリートも悪のサイボーグになっているかもしれない。戦え!メガボウラー。デストラーゼを地球から追い出すその日まで。

 

注 サトル主導のときは、代わりにグラビトンドリルという巨大ドリルが股間につき、足を頭の方にむけてロケット噴射し、敵に体当たりして大穴をあけて粉砕する。