ストーリー・ダイジェスト

 

 

  21世紀初頭、日本は若干不景気なものの、平和そのものを満喫していた。しかしそこに遠い宇宙からの侵略の魔の手がのびていようとは世界中の誰も知る由もなかった。ただ一人の天才をのぞいて・・・・・。

  銀河系の彼方で略奪と傭兵をしている宇宙海賊デストラーゼは、奇怪な宇宙サイボーグ集団だ。彼らは太陽系を新たな侵略拠点としようと密かに地球に進出し、併せて優秀な体力をもつスポーツ選手らを誘拐して改造し、その配下として星間戦争の戦力としようとしているのだ!

  突然のサイボーグ怪人の出現に警察も陸軍(陸上自衛隊を改組)も手も足も出ない。このままでは地球は、日本は宇宙の無法者の盗人宿にされてしまうのか・・・・・!

  そのときだ!颯爽と現れたアメラグ姿の正義のヒーロー!。その名も重機動人間「メガボウラー」。

 今、宇宙の悪人サイボーグと我等が正義の少年サイボーグの壮絶な戦いが始まった!

 

 

  登場人物(主人公サイド)

 東 サトル(16歳) 
本編の主人公。武蔵体育大学付属南武高等学校1年生でアメリカンフットボ

ール部員。 幼いころより少年リーグで活躍してきた天才的QBで一年生なが

ら即戦力としての期待も大きい。母は既に亡く、軍人の父もラバウルに単身赴

任中のため、妹と二人暮しである。 ロードワーク中の事故で体内にコアを埋め込まれ、メガボウラー1号ブルーギアに「ビルドアタック」する力を得た。スポーツ万能で妹思いの明るい少年だ。


 東 サトミ(16歳)
 本編のヒロイン。サトルの双子の妹で、顔も体型も兄のサトルと瓜二つ。特にお揃いの短パン姿で並ぶと見分けがつかないほどよく似た兄妹で、男の子に間違えられることもしばしば。(サトル共々美少年タイプ)外見どおり?かなりのお転婆で、女の子ながらアメリカンフットボールを難無くこなす。ポジションは本人としてはWR志望だが、キッカーとして活躍。兄と同様の経過で改造され、メガボウラー2号レッドギアに「ビルドアタック」する。一見ガサツでボーイッシュなサトミだが、芽生えはじめた乙女心を隠しきれない16歳。少年から女への、変わり目のころなのだ。サトルのことを兄としてではなく、一人の男として愛してしまい、密かに悩む。「南武高校のジャンヌダルク」という異名もある。


 西本博士(47歳)
南武高校の校医でアメリカンフトボール部のチームドクター。キャプテン西本剛とマネージャー西本みゆきの父でもある。スポーツ医学の権威で産婦人科医でもあり、更にロボット工学者でもある天才で、スポーツ障害を克服するためサイボーグの研究をしている。
自身も若かりしころはアメリカンフットボールの選手で、サトルたちの父、東中佐とは元チームメイトで大の親友。彼は、天才的感覚によりデストラーゼの存在を察知し、メガボウラーを開発、当初自分の子供たちを改造する予定だったが、娘のみゆきの体が弱く断念したところ、サトルたちが瀕死の重傷を負ってかつぎこまれたため、二人を改造した。妻と2人の子供がいる。

西本 剛(18歳)  
 南武高校3年生でアメリカンフットボール部キャプテン。身長2メートル、体重
120kgの巨漢でポジションはライン。典型的体育会系野郎で、口数は少ないが実行力がある頼れる男。自他ともに認める硬派だが、密かにサトミに惚れてたりする。

  

西本みゆき16歳)
サトル&サトミの同級生でアメリカンフットボール部のマネージャー。兄の剛とは似ても似つかぬ、透き通る白い肌と髪をおかっぱにしたメガネの美少女。
サトミと違って自らプレイすることは出来ないがそのフットボールの知識は豊富で、マネージャーでありながら事実上作戦参謀を兼ねている天才少女。(入試もトップで医大を志望している。)サトルのガールフレンドにしてサトミの親友。体はあまり丈夫でなく、サトミが自分の身代わりに改造されたものと思い込み父に反感をもつ一方、絶大な尊敬をはらっている




 南武高校とは・・・

 神奈川県の多摩川のほとりにある架空の学校。武蔵体育大学の付属高校で、体育会系剥き出しのスポコン学園。 体育科(共学)、保育科(女子のみ)特進科(スポーツ医学の専門医を育てるため医大入試を目指すエリートコース)の3つからなり、卒業生の多くは武蔵体育大学に進学し、スポーツ選手や指導者、体育教師、軍人、警官となる。教育方針は「健全なる精神は健全なる肉体のみに宿る」。スポーツの指導者の育成を第一義に称える学校だ。

  制服は男子が学ラン、女子セーラーだが、週に10時間も体育の授業があるため入学式、卒業式、始終業式、壮行会以外は制服の着 用義務はなく、それぞれの部活のコスチュームまたは体育着での学校生活および登下校とな

 る。男子は冬でも半そで・短パン。女子はブルマ着用だがサトミのように男子の短パンを着用する子や部活のコスチューム(バスケ 部の短パン・バレー部の赤ブルマなど。中にはレオタード姿で英語などの授業を受ける新体操部の子も!)、ジャージも。(男子は ジャージの指定がない)。体操着は男女共通のテイシャツで首とすそに紺色のライン入り。短パンはナイロン製の紺色白線2本入り で女子のブルマ・ジャージ、ウインドブレーカーも同色。

 また、応援団と武道系の生徒は長ランを着用。

 部活動は極めてさかんで、男子は、野球、サッカー、バレー、バスケ、ラグビー、アメフト、柔道、剣道、相撲、空手、合気道、体 操、居合道、ハンドボール、アイスホッケーがあり、テニス、卓球、水泳、スケート、スキー、陸上、弓道、洋弓、山岳部は男女同 じクラブ、女子部としては強豪のバレー部をはじめバスケ、ハンド、体操、新体操、柔道、サッカー、なぎなた、剣道部があり、さ らに軟式テニス、ラクロス、女子ラグビーの愛好会がある。いずれもインターハイ常連の強豪チームだ。また応援団、チアガール、 ブラスバンドも有名。

   メガボウラーの秘密

 スポーツ医学の天才、西本博士は、以前よりスポーツが原因で体の機能の一部を失った者、具体的には四肢切断に陥った者に再び手 足を与えようとサイボーグの研究をしていた。また、彼は成長期の人間の成長ホルモンから超エネルギーを抽出することにも成功し た。更に、デストラーゼの宇宙サイボーグの存在を知った彼は自らも戦闘用サイボーグを開発しなくてはならないと痛感した。ある 日、怪我をして西本クリニックに運び込まれたボクサーの体に、地球上に存在しない金属が埋め込まれているのを発見したところか ら、サイボーグ技術を持った宇宙人の侵略を察知したのだ。

   博士は人工臓器培養技術で彼を元に戻すとともに、その分析結果をもとに、ついに全身サイボーグの設計に成功。これは、人間 の体内に生物の細胞核と反応すると生命をもつ特殊合金製のコアを埋め込み、非常時にのみこれを作動させると、全身メカの素体サ イボーグとなり、逆に生体部分が液状圧縮されて中枢コアとなり、サイボーグ体の中に収まるもので、頭脳と生体エネルギー源とな る生殖器官のみはメカの体のときもコアに入らずに残るという画期的なもので、被験者は通常は普通の人間と何ら変わらぬ生活を送 り、非常時は逆に無敵のロボット体になれるすばらしいもので、万が一敗北を喫し破壊されても、脳とコアのどちらかが残っていれ  ば再生可能である。但し、脳を破壊された場合は、直前に変身した時の前の記憶に戻ってしまう。

 そしてこの素体に変身と同時にプロテクトギアを転送して一瞬のうちに装着。さらに各パーツはブロック化されており、別に用意し た各種アタッチメントと自在に交換、例えば腕にドリルやガトリング砲、背中に翼、足にローラーを取り付けて戦うことが出来る優 れものだ。

  博士は速息子の剛と娘のみゆきを改造しようとボディチェックをしたが、みゆきの体が手術に耐えられないことが判明、一旦は実  用化をあきらめた。しかしその後、東サトル&サトミ兄妹を得てついに完成したのがこのメガボウラーだ。

  2体のメガボウラーは同型・同大の色違いで、その外観は被験者の得意なスポーツに合わせたのか博士自身の思い入れかアメフト のプロテクトギアにそっくりで、サトルがビルドアップ(変身)する1号が青、サトミがビルドアップする2号が赤いカラーリングと なっている。       

  就役後期待通りの活躍をした2人のメガボウラーだが、予期せぬ異変が2つ、それも良いものと悪いものの両方が現れた。まず悪 い方とは、主にサトミだけが拒絶反応を起こし始めたことで、原因を追求したところ、女の子の方が成長が早いため当初の改造体と 合わなくなり、サトルを含めて成長が止まる前にコアを摘出しないと生命に関わることが判明。非常に都合のよいはずだったサイボ ーグ体も永久的なものではないことがわかったのだ。やはり人間は神を超えることは出来なかったのか?これにより仮にあの時剛を 改造しても長くは持たなかったこともあわせて判明した。

 逆に、ピンチに追い込まれた2人は「オレたちは生まれる前から一緒だ」と抱き合ったところ、なんと合体巨大化し、「ギガボウラ ー」となったのだ。研究の結果、「ジェミニシンクロンビルドアップ」の掛け声で腕をクロスさせるとギガボウラーになれるよう調 整し、右側になった方が主導することになった。

 計算によるとサトルは22歳、サトミは20歳までしかサイボーグでいられない。とはいえ2人一組で一人前なのであと4年のうち にデストラーゼを滅ぼさなくてはならないのだ!

但し、サイボーグになる再手術をすればその限りではないが、この場合生殖機能は失われ、人間としての生活にも一部支障がでる。

 次にアタッチメントを紹介しよう。

 まず腕用は、ドリルアーム・バルカンアーム・キャノンアーム・ファイヤーアーム・チェーンソーアーム・マジックハンド・メガト ンパンチ・フロントフォークがある

脚用としては、ローラー・水かき・ジェットノズル・スクリュー・スキー・スケート・水雲等が用意されている。更に背中には飛行 用の翼・キャタピラ・水中用のユニット(スクリュー・酸素ボンベ・魚雷発射管が一体化したもの)をつけることができる。この中 で、腕の代わりにフロントフォークをつけて前輪を取り付け、ひざの内側に後輪を挟み込んで足をジェットノズルにした形態を「メ ガライダー」、ウイングとジェットノズルを取り付けた姿を「スカイボウラー」、マリンパーツを取り付けた姿を「マリンボウラー 」、仰向けになり手足を折りたたみ足にキャノンをとりつけ背中のキャタピラで走る姿を「メガタンク」と呼称する。

 

 

   宇宙海賊デストラーゼ

    銀河系の反対側に本拠をおく宇宙海賊で、メンバーは全員サイボーグ。根からの悪人と、無理

  やり改造されて仲間になった者とがいる。本業は海賊で宇宙船を襲って稼いでいるが、星間戦争が勃発すると傭兵としても活躍す  るのだ。財産と人材を求めて流離う悪のつわもの達だ。


   謎の皇帝 
  デストラーゼ初代頭「ヘッド」と呼ぶの出身地の邪悪な皇帝でその実在は疑問視されているが名目上の大首領だ。

 
  キャプテンテール
 
    現在のヘッド。博打・酒・女・破壊が大好きな無法者。怒ると手当たり次第に手近なものを投げつけてくる。

  ドクターオーレ   
    デストラーゼの真のボスで悪の天才科学者。浅黒い顔と銀縁眼鏡が特徴だ。全宇宙のスポーツ選手や悪人を捕らえては邪悪な    サイボーグに改造してしまう狂気の男だ。

  モーリー参謀長  
    前ヘッドで高齢のためキャプテンテールにその地位を譲った後も参謀として知略を授ける腹黒い老怪人だ。

  リコ  キャプテンテールの一人娘。唯一の女性幹部だ。サイボーグのため顔に似合わず怪力。

   リック 四天王の一人でデストラーゼ最年長。大蔵大臣的存在。

   テリー 四天王の一人。アフロヘアの狂人 

   バーク  四天王の中では一番の若輩者。しし座の出身。貧しさゆえに心がゆがんだ。

   エディ  四天王中最強。初めデストラーゼと敵対していたバッファロー団の生き残り。

   水野博士 地球におけるデストラーゼの協力者。西本博士の恩師だったが、サイボーグの研究をめぐって意見が合わず           、学会から姿を消していたが、デストラーゼに拾われた。

   怪人 サイボーグでいろいろな星の出身者がいる。強力な力を求めて自ら志願してくる悪人と、優れた体力を持った者         (元は善人だった者も元々悪人だったものもいる)を無理やり攫って改造した者、滅ぼした星や組織の生き残りな          どで構成されるが、最近では失踪した地球人のスポーツ選手の変わり果てた姿、ということが多い。デストラー          ゼの地球進出の本格化の証拠でもある。

          その多くはライバルに勝ちたいという欲望や故障による引退・スランプに陥った選手を言葉巧みに騙して改造し          てまうのだ。

 戦闘員 怪人同様の経緯を経て集められたサイボーグだが、性能は劣る。人材不足のためアンドロイドに切り替えら          れつつある

 第一話 誕生!メガボウラーのストーリー

ある日、部活帰りの河川敷をロードワークしながら帰宅中、サトルと妹のサトミは、水門の中から突然現れた怪しい男が親子連れを襲うのを目撃した。水門はデストラーゼの秘密基地の入り口で、川遊びをしていた親子は偶然それを目撃したため襲われたのだ。

「サトミ、いくぞ!」「OK!」リュックの中から楕円形のボールを取り出したサトルはこれをセット、サトミのキックでボールは鮮やかな放物線を描いて男にヒット!その間に親子連れは逃げ出し,ひるんだ男に今度はサトルの強烈なタックル!衝撃でふっ飛んだ男が立ち上がると・・・・・・・・・!

 何と擦り剥けた顔からメカが露出しているではないか。更に男がカワジャン

を脱ぎ捨てるとその腹にはガトリング砲が!

ダダダダダ・・・・・・・・・・・・・。サトルとサトミの意識はそこで途絶えた。

            

「ここはどこだ?サトミは?」サトルは自分が病院らしきベットに横たえられていることに気づいた。しかし腹に開いたはずの大穴も千切れたはずの左腕もなんとも無い。「あれは幻だったのだろうか?それにしてもサトミはどうしたのだろう?」ふと隣のベットを見ると医者が誰かを手術しているようだ。

「サトミ!」隣に横たわるサトミの腹が大きく裂かれ、医師が何か球形の銀色の物体をその中にセットしようとしている。見ると体のあちこちにコードが接続されている。「・・・・・。」だめだ。体が動かない。自分は、サトミはいったいどうなってしまったのか・・・・。サトルは再び意識を失った。

 「サトルくん。サトルくん。」どこかで聞いたような声か自分を呼んでいる。

 ゆっくりと目を開け起き上がると、そこには校医の西本先生とその子供たち、         

 キャプテンとナース姿のマネージャーのみゆきがいた。

 「先生、ぼくはいったいどうしたんですか?サ、サトミは・・・?」

「サトミちゃんならそこよ。」みゆきがカーテンを指差す。いてもたってもいられずカーテンを勢いよく払いのけると・・・・そこには妹のサトミがいた。    

 自分と同じく全裸で立ちすくむサトミ。どうやらサトルと同様自分の身に何が起きたのか理解できずきょとんとしているようだ。

 「サトミ!」サトルは妹に抱きつくと、サトミもゆっくりと口をひらく。

 「?! さ、サトル? ここはどこ?どうしてキャプテンとみゆがいるの?」。

「先生、一体ぼくたちはどうなったんですか?、キャプテン、教えてください!」

 サトルは西本親子に問い詰めた。一方サトミはいつもの気の強さはどこえやらめそめそと泣いている。

 「サトルくん。君たちは宇宙人に襲われて大怪我をしたのだよ。それを剛とみゆきが発見してここにつれてきたのだ。私以外の医者では手の施しようの無い大怪我だったがもう大丈夫だよ」。

「でもなぜ?縫ったあとも何も無い!其れにオレの手は捥げてしまったはずだ!。それにさっきサトミの体に入れていた物体はなんなんですかっ!」。    

「驚かないでほしい。あの怪人は宇宙からきた悪のサイボーグなのだ。判るか?サイボーグ・・・つまり改造人間だ。そして君たちもまた私の手でサイボーグとして生まれ変わったのだ」。

「サイボーグ・・・じゃあぼくはもう人間じゃないんだ。でも僕はいい。でもサトミはあんな奴でも一応女の子なんですよ!」

「心配するな。ためしにこのメスで手を切ってみろ。」剛が笑いかける。 「!」。「ふざけないで下さい!」。サトルはまじぎれ状態に。

 「血、血が出た!痛い。あたし生きてる!」いがいにもさっきまで泣いていたサトミが自分の手首を切ってみたのだ。そこに手馴れた手つきで止血するみゆき。

「そうよ。サトミちゃんは人間よ。私と同じ女の子よ。」

「天才である私をみくびらないでほしいな。君たち二人には人間としての能力と若若しい肉体はそのままに、すばらしいメカニックの力を与えたのだ」。

「メカの力?」いったいそれは!

 「二人とも「ビルドアタック!」と叫ぶのだ」

「びっビルドアタック!」「ビルド・・・アタック!」二人は言われるがままに叫んだ。するとどうだろう。二人の体は見る見る間に白銀のサイボーグの姿に。そしてどこからか強大な力が漲ってくる。そしてサトルの体が青く、サトミの体が一瞬真っ赤に輝いたかと思うと・・・・。

二人はロボットのような姿に変身していた。その姿はアメフト選手にも似て力強いもので、サトルは青、サトミは赤いプロテクトギア姿に変身していた。

「先生、ぼくたちは・・」

「これが「メガボウラー」、君たちの新しい姿だ。サトルくんは今日からメガボウラー1号・ブルーギア、サトミくんは同じく2号・レッドギアだ。」

「ビルドアウトすれば普通の人間とおなじにもどれるのよ」とみゆき。

「メガボウラー?」

「 そうだ。君たちは今日からこの力で地球を宇宙人の手から守る戦士となったのた。がんばってくれたまえ「サトミ!」サトルは逞しく鎧に身を固めた妹の肩にやさしく手を乗せた。  

 黙って頷くサトミ。そのヘルメットのバイザー越しの顔は明るく微笑んでいた。こうして2人は正義のヒーローとなった。戦えサトル!走れサトミ!

 戦いは今、はじまったばかりなのだ。