メガボウラー 番外編 「はずれそうな天使」
「ガチャーン!」「ガシャ!」
「ハーハットハット・・・!」
熱の篭る白熱した試合を展開する、武蔵体育大学附属南武高校アメリカンフットボール部。今日は、大海大附属との練習試合だ
練習試合とはいえ、本戦さながらの真剣勝負で、しかも両校とも華やかなチアを繰り出しての応援合戦。
試合のほうは、大天才QB・東サトル、その双子の妹でアメフト界のジャンヌダルク・東サトミ、西郷隆盛の生まれ変わりの大巨漢・大河原清、鍛え上げられた肉体そのものが巨大な斧のような炎の鉄人・武田信彦、そして仏蘭西大使の父と仏蘭西貴族の母をもつアメフト界の小公子・岬陽一の主力5人の大活躍で、南武高校が大海大附属を圧倒しつつあった。青春の汗きらめくグラウンド。
しかし、この平和な日本には、凶悪な宇宙海賊デストラーゼの罠が伸びていることは、ほんの一握りの者以外は誰もしらない。そして、サトルとサトミが、重機動人間メガボウラーにビルドアタックして、その野望を人知れず粉砕していたことも。
ここはデストラーゼのアジト。キャプテンテールや水野教授らの悪者たちが、南武高校のアメフトのビデオや、過去の戦いを見ている。
首領から、指令が下ったのだ。
「貴様らはメガボウラーに苦戦しているが、変身前のメガボウラー2号・レッドギアは女子高生に過ぎない。変身する前に、変身できない状況で拉致し、始末しろ」と。
しかし、首領は知らなかった。サトミがただの女子高生ではないことを。そう、並みの男をはるかに凌駕する体力を持つボンバーギャルであることを。
それでも、変身後のメガボウラーや、変身前でも男であり、かつ天才でもあるサトルを狙うよりは、楽ということで、試合中や、その前後に拉致しよう、という作戦に出た。
「東サトミは、日本における高校唯一の女子フットボーラーだ。ということは、着替えのときは、1人だけになるはずだ。そこを狙え先生!」
「おかしら、そのための改造人間を直ちに改造するわい」
「頼んだぜ」
水野教授は、メガボウラーを作った西本博士の恩師に当たり、メガボウラーシステム以前の人体改造学の発案者でもあったが、それを軍事利用しようとして学会から追放され、デストラーゼに拾われたのだ。彼が作った改造人間は、デストラーゼが独自開発した怪人よりはるかに優秀であったが、その理由は、1に人体とメカの完全融合を果たしていること(デストラーゼの場合、人間の一部を機械に置き換えたり、逆にロボットに人間の脳を移植したもので、人間としてもロボットとしても不完全だったが)水野博士のサイボーグは、人間としても戦闘ロボとしても通用する優れたものだったのだ。
2つ目は、強靭な肉体と、凶暴な精神、優れた闘争本能を持つ悪のアスリートをその素材にしているからであった。
今回は、薬物で失格になった体操選手の小森を改造することになったのだ。
改造され、怪人ホワイトバットになった小森に、キャプテンと教授はサトミの活躍映像を見せた。
「いいか、東サトミは日本でただ1人の女子高生フットボーラーだ。背番号は2番。わかったな?」
「へい、わかりました!」
「では、行け!」すると、小森は小さな白い蝙蝠に姿を変え、飛んでいった。
さて、試合は終わった。祝賀会が始まる。しかし、そのとき部室に忍び込む影が。
それは、チアリーダーの野上さゆりであった。さゆりは、自分よりはるかに強い屈強の男たちに脱がされ、押し倒され、もてあそばれ、殴られ、踏まれても逆にこれを吹き飛ばして突進し、チームを勝利に導くサトミに憧れ、彼女を応援するためチアになったのだ。そして彼女はサトミがやられる姿を重ねてオナニーをするのが何よりの楽しみだった。自慰にふける彼女は、サトミになりきっており、またその両手は敵であった。
さゆりは、乱暴に脱ぎ捨てられたサトミのユニフォームを発見した。
「こ、これは・・・。サトミちゃんのユニフォームだわ・・。これを着て、サトミちゃんは、押し倒されて、吹き飛ばされて、のしかかられて、大事なところをわしづかみにされて・・。はぁ、はあ・・。嗚呼、サトミちゃん・・・・」
はじめは防具の匂いをかいでいたさゆりだったが、思わずそれを着込んでしまった。
鏡に映るユニフォーム姿を見て興奮し、見とれ、股間から蜜を漏らすさゆり。
「嗚呼、サトミちゃんごめんなさい・・・。ぬらしちゃったわ・・・」
ユニフォームのままオナニーを始めるさゆり。
しかし・・・。白い蝙蝠が飛んでいることに気付かなかった。
何かの気配にふと振り返るさゆり。
「?なーんだ、蝙蝠か・・・。サトミちゃんが戻ってきたのかと思ったわ。やれやれ。さあ、続きよ・・・」
ところが、蝙蝠は突如人の形になり、さゆりを羽交い絞めにした。
「キャー!助けて、サトミちゃん、サトルくん・・・。で、でも気持ちいい・・」
蝙蝠人間はさゆりを全裸にすると、翼で包み込んだ。すると、男とさゆりはそのまま蝙蝠になり、どこかに飛んでいってしまった。
その直後である。サトルたち部員が戻ったのは。
「ぶ、部室が荒らされている!」
「わぁ、俺の、じゃなくてあたしの防具がめちゃくちゃに・・・」
異変に気付いたサトルは、副キャプテンの信彦らに、自主錬を指示してサトミと二人だけになった。
「あ、こ、これは?」
そこに、ブラが落ちていた。サトミはブラは生まれてから一度も使用していない。
サトルは、サトミの口を塞ぎ、耳打ちした。
「サトミ、これは多分、さゆりちゃんのだ。さゆりちゃんが部室に忍び込んでお前の防具にいたずらしていたとき、何者かが連れ去ったんだ。お前と間違えて・・」
「え、じゃあのっちーが危ないわ!」
「まて、まず西本先生に報告だ。急ごう!」
「OK」
西本研究所に急ぐ二人。
「たぶん、それはデストラーゼの仕業だ。いや、まさかこんな形であれが役に立つとは。」
二人の防具や、よく使用する服や持ち物には、電極が埋め込まれている。これは、二人がメガボウラーに変身したとき防具が研究所から転送されて装着されるが、代わりに身に着けていたものを研究所に転送するための電極だった。
「これを辿れば、さゆりちゃんを助けられるぞ。行くぞサトミ!」
「まて、私も途中まで行こう」西本博士は二人を乗せて出撃した。市街地で変身させるのは不味いからだ。超高性能カーナビに従って郊外に出たとき、博士は二人を送り出した。
「無茶はしないでくれたまえ。健闘を祈る」
「任せてください」
二人はメガライダーに転換して突進する。
その頃、アジトでは・・・・。
「東サトミだな?死ね!いや、まてよ。せっかくのかわい子ちゃんだ。かわいがってやる。」
「キャー!やめて・・・!わたしサトミちゃんじゃないわ!」
「メガボウラーとも在ろう者が怖気ついたか?うそをつけ。日本の高校に女のアメフト選手はお前1人しかいないことはわかっている。背番号が2であることもな!」
小森は、ヘルメットからはみ出すお下げ髪と尻の丸さから、部室にいたさゆりを、サトミに間違いないと確信して連れ去った。だが小森はサトミの素顔を見せられていない。だから、「唯一の女子フットボール選手」という情報から、誤りに気付かなかったのだ。
「はぁはぁ・・・。やわらかい・・。俺もこんなかわいい子をめちゃくちゃに出来るなら、体操じゃなくてアメフトをやればよかったぜ。親分には悪いが、この子は俺のものだ。絶体絶命のさゆり。
しかし、間一髪、間に合った。
廃校に突っ込む二人。
「出て来い悪党!メガボウラーが相手だ!」
「きたなメガボウラー・ブルーギア。返り討ちだ。それに妹は俺が預かっている。」
しかし。
「おらおら、このあたしがねじ切ってやるわ!覚悟しろ!」
「何?メガボウラー・レッドギア!何故?」
「お前は、サトミとその子を間違えていたんだ。おとなしく返してくれれば、このまま帰ってもいい。さあ、どうする!」
「黙れ、畜生、そうか・・・イヒヒ、いや待てよ?女が二人とも俺様のものになるのだ。イヒヒ・・・」
翼を展開した小森は、空から二人を翻弄する。
「サトミ、二人で死角をカバーするんだ。僕の指示に従え」「OK♪」
トリッキーな動きも、サトルの天才的頭脳に見破られた小森は、ついに羽を毟られて、絶体絶命。さゆりも無事救出できた。
そして、サトミの怒りのキックと、サトルの渾身のパンチが同時に決まった!
「とどめだ!」
ところが。
「待って!」
「さ、さゆりちゃん!」
「め、メガボウラーは、やっぱりサトルくんとサトミちゃんだったのね・・・。お願いがあるの。怪人とはいえ、二人がかりで倒すのは、卑怯だしかわいそうだと思うの・・」
「え?」
小森も、殺されると思ったときのこの言葉に、さゆりが天使に思えた。サトルとサトミも、そう思った。
だが・・・。さゆりの意図は違っていた。
「サトミちゃんが、一対一で怪人を倒すところがさゆり見たいの。お願い、サトルくんは手を出さないで。怪人さんも、もう一回戦って!、嗚呼、また濡れちゃった・・。はやく、早く戦って・・・。でないと、さゆり溺れ死んじゃう・・・」
「くそっ!まあいいか、お客さんもそういっているんだし、サトミ、覚悟しろ」
「サトミ、がんばれ!」
「この野郎、女だと思って舐めやがって!」
第二クォーターが始まった。
しかし、サトミは終始優勢に戦う。一人でも小森ごとき軽量級サイボーグなど、敵ではなかったのだ。
だが、異変が。サトミは、生身の肉体は日々女として成長しているが、メガボウラーの機械の体は、改造された2年前の、まだ女になりきっていない頃の肉体にあわせて作られていた。しかしその後の成長により、生身の肉体及び精神と、メカ部分のギャップの発生により、戦いが長引くと拒絶反応が現れ、生身の姿に戻らないと、死んでしまうのだ。スパークするサトミ。
それを見たさゆりは、大量の愛液を噴出し、さらに妊娠もしていないのに母乳まで噴出し、白目を剥いて泡を吹いて失神した。
「サトミ!」思わず駆け寄ろうとするサトルを、サトミは制した。
「サトル、あたしを信じて!」
サトミは、なんと変身を解除して、生身のまま、そして全裸のまま、小森に突進した。
「うわーーーーーっ!」そのままコンクリートの壁に押し付けられた小森の首が折れた。煙を吐き出したのは、小森のほうだった。
「サトミ!」抱き起こすサトル。
「あたしより、のっちーを・・・!」
「そうだったね。さゆりちゃん、僕たちは勝ったんだよ。さあ、帰ろう」
「サトルくん、サトミちゃん・・・。わたし、感動したわ。ありがとう」
サトルとサトミに交互にキスするさゆり。
ところが、瓦礫の中から岩石巨人が現れたのだ。
「小森め、失敗しおって。じゃが、メガボウラーは生かしては返さん。さあ、暴れろ岩石巨人よ」
水野教授が作った岩石巨人の出現に、サトルとサトミはギガボウラーに合体して戦いを挑んだ。
苦戦の末、岩石巨人を倒した二人は、さゆりを乗せて研究所に帰った。
「ビシ!」
さゆりをびんたするサトミ。
「泥棒みたいなとするから、危険な目にあうんだよのっちー!」
「ご、ごめんなさい・・」
「まあ、いいじゃないか。許してやれよサトミ。さゆりちゃん、僕たちがメガボウラーだということは秘密だよ。お願いだ」
「サトルくんは優しいのね♪チュ♪秘密にするわ」
しかし、次の瞬間サトルの顔は苦痛に。
サトミとみゆきから、同時に肘打ちされてしまったのだ。正義の味方、そしてもてる男はつらいものだ。
こうして今日も、サトルとサトミの活躍で、デストラーゼの野望は挫かれたのだ。
だが、さゆりに正体を知られてしまった二人と西本博士は、以後さゆりに振り回されることに・・。
新たなピンチ発生。
全く、この「はずれそうな天使」には困ったもの・・・・。
おわり。